【導入の目的】真の実力者の選出と財政基盤の構築
ポイント制度の正式導入には、主に2つの狙いがあるとJGTOは言う。
第一に「公平公正な競争」の実現。賞金額の多寡に左右されず、シーズンを通した選手のパフォーマンスをより正確に反映させることで「真の王者」を決定できる。
第二に「新たな商材としての財政基盤構築」。ポイントランキングを軸に据えることで、ツアーの魅力を向上させ、スポンサーメリットの創出を図れるという。
2026年度のポイントランキング結果に基づき、「2026年度年間王者」および「2027年度出場シード権獲得者」が決定し、賞金ランキングは部門別ランキングの一つとして引き続き公表される。

2025年JGTO賞金王となった金子駆大
歴史ある大会にはボーナスポイントが付与される
ポイント配分は、基本となる「ベーシックポイント」に、大会の格付けに応じた加算措置が組み合わされる構造となっている。
ベーシックポイントに加え、「国内・海外メジャーポイント」が加算。国内メジャーは1.25倍、海外メジャーは1.5倍。さらにボーナスポイントとして、賞金1.5億円以上、2億円以上の大会や、開催回数40回以上の大会に「プレミアムポイント」がつく。
メジャーポイント加算
権威ある大会には高い配分が設定されている。
国内メジャー(1.25倍): 3年以上のシード権が付与される大会が対象
海外メジャー(1.5倍): マスターズ、全米オープン、全米プロ、全英オープンが対象
ボーナスポイント① 賞金プレミアムポイント
賞金 2.0億円以上の大会:10%増
賞金1.5億円以上の大会:5%増
(メジャーポイントとのバランスを考慮)
ボーナスポイント② 歴年プレミアムポイント
開催回数が40回を超える伝統ある大会に付与される。
40年(回)以上の開催:5%増
※プレミアムポイント①②は、重複して適用されることはなく、より高い係数のみが採用される。
ACNツアーもポイントランキング制に
下部ツアーであるACNツアーにおいても、「ACNチャレンジポイントランキング」が実施される。若手選手のステップアップを支援するため、最終戦には1.5倍のポイントが割り当てられるなど、最後まで逆転の可能性を残す設計となっている。
2028年以降には適宜見直しも検討
係数の付け方などに苦労がしのばれるこの新制度は、主催者や関係各所の意見を取り入れながら運用され、今後2026、2027年シーズンの結果を踏まえ、2028年以降に適宜見直しを図る方針だ。
ともあれ、これまで懸案であった「賞金額の格差がランキングに与える影響」を是正し、選手がどの試合でも一貫して高いパフォーマンスを目指す環境が整ったといえる。賞金ランキングのほうがわかりやすいという意見もあるだろうが、ポイントランキングは世界の趨勢。観る側も「真の実力を測る形」として理解を深めていく必要がありそうだ。

