ここ数年、ツアーのみならず、アマチュアゴルファーの間でも支持を拡大している「TOUR B」シリーズボール。その最新作の全貌は製品発表当日まで待たねばならないが、ひと足先にプロたちのデモンストレーション、そして共にラウンドする機会を得た。コースという実戦の場で、プロたちは新ボールに何を感じたのか。
古江彩佳と嘉数光倫はともに非常にソフトな打感と高いスピン性能を持つ「TOUR B XS」を愛用。その両プロが新作を最も多くテストできたというこの日、真っ先に口にしたのは「風への強さ」だった。
男子プロを代表して嘉数光倫、女子プロを代表して古江彩佳が参加。ともに『TOUR B XS』ユーザーだ
古江彩佳が語る「フェースに乗る感覚」と意外なスピン性能
現在、世界を舞台に戦う古江彩佳。彼女のボール選びの基準は極めて明確だ。
「すべてのクラブでフェースに乗る感覚が気に入っている」とTOUR B XSを評価する古江
「新旧の違いは、本当に良い意味で少ないです。より風に強い球になったな、という印象ですね。私はドライバーからアイアン、アプローチに至るまで、とにかく“フェースに乗る”感覚がほしい。そのほうが距離感のイメージが出るからです。新しいXSは、変わらずドライバーでは球を押せる感じがあるし、フェースに食いついている時間が長い。この安心感があるから、私はXSを使っています」
一方で、古江は「TOUR B X」の性能にも気づきがあったという。
古江曰く「スピンをかけにいった時、XとXSではリアクションが異なる」という
「普段あまり打つ機会のないXも打ちましたが、XSに比べて球離れが早く、弾き感がありますね。意外だったのはアプローチ。スピンをかけにいったとき、Xは1バウンド目でギュッとかかる。対してXSは2バウンド目でギュッとスピンが効く。このスピンの効き方の違いは特徴的で、好みが分かれる面白い部分だと思います」
嘉数光倫が改めて感じた「TOUR B X」の心地よさ
嘉数光倫もまた、新モデルへの移行に不安はないと言う。
「XもXSもさらに風に強くなった」と嘉数
「僕もXSユーザーですが、新しい両モデルを打ってみて、どちらも風に強くなり、左右のブレが最小限に収まる感覚がありました。ここ2、3モデルは、本当にスムーズに新作へ切り替えられます。言われなければわからないほどの微細な差ですが、打感は少ししっかりしたかなと感じました」
男子ツアーにおいて、XSユーザーは少数派。それでも嘉数がXSにこだわる理由は、その「操作性」にある。
XSユーザーの嘉数だが、ロングショット時のXのインパクト感は爽快と改めて実感
「スピン性能、ソフトな打感、そして感覚的なものですがアプローチショットの“球の飛び方のゆっくりさ”。これらが譲れないからXSを選んでいます。ただ、今回改めてXをフルショットした時の打感の気持ちよさには驚きました。しっかり感があることで、スウィング的にも（負けないように）しっかり打ち抜こうという意識が出る。インパクトの充実感、Xもいいですね」
プロの試合で「18ホール1球」を可能にする耐久性
プロとのラウンド中、話題に上がったのが「ボールの耐久性」だ。古江は「リズムを大切にするタイプなので、流れが良い時は18ホールを1つのボールで回ることもある」と明かす。
カバーの耐久性の高さはTOUR B X/XS」の特長のひとつ
「18ホール回っても、全然傷まないんです。ボギーが続いたり流れが悪いときに気分転換で替えることはあっても、性能面での不安は一切ない。父からは『せめて9ホールで替えてくれ』と言われているんですけど（笑）。ボール自体は問題なくても、手描きのラインが薄くなってきてしまうので、父の言う通りにしなきゃいけないですね」
これには嘉数も深く頷く。「僕も貧乏性なので（笑）、あまり替えないタイプ。基本は9ホールですが、本当は4、5ホールで替えたいなと思いつつ、つい使い続けてしまう。それぐらい、長く使い続けてもパフォーマンスが落ちない信頼感があります」
XSユーザーの編集部員も「Xもいい、正直迷う…」
我々も実際に6ホールのプレーで新モデルを体感した。個人的には普段からXSを愛用する「打感重視派」なのだが、正直に言えば、打感やスピン性能において前作との劇的な違いを感じ取るのは難しい。しかし、それこそがユーザーの期待を裏切らない、ブリヂストンらしい「正当進化」の証なのだろう。
特に印象的だったのは、プロたちが指摘した「風への強さ」だ。「今の当たりならもっと曲がってもおかしくない」というショットが、幅の中に収まってくれる。また、Xを試打した際には、7番アイアンでXSより5ヤードほど飛距離が伸びていた。この差はスコアメイクにおいて大きい。それでいてパターやアプローチで硬さを感じることはなく、リアルなXSユーザーだが「次はXにしようか」と本気で迷う仕上がりだった。
新しいTOUR Bを一言で表すなら？
パッケージはまだ白のまま。新しいサイドスタンプのみ公開！
最後に、両プロに新しいボールを一言で表現してもらった。
古江彩佳の答えは、「耐える」。
「さらに風に強くなって、曲がらずに耐えてくれる。そしてスコアも耐えられる。丈夫さという意味でも、非常に高い耐久性がありますから」
対する嘉数光倫が選んだ言葉は、「操（そう）」。
「TOUR B XSを選んでいる理由もそうですが、風に強いということは、風の中でも自分の意思で“操作できる”ということ。強さの先にあるコントロール性能を感じさせてくれます」
前作の性能はしっかり受け継ぎながら、さらなる「風への強さ」を身にまとった新しい『TOUR B X/XS』。気になるテクノロジーなどの詳細情報は、正式な発表時に改めてお届けしよう。
※2025年12月21日 9時24分一部加筆・修正しました
