ナショナルチームのヘッドコーチとして選手の指導育成に携わってきたガレス・ジョーンズが退任した。なかなか海外で実力を発揮することができなかった日本を強豪国に導いた彼の功績とは?
画像: ナショナルチームのヘッドコーチ退任を発表したガレス・ジョーンズ氏

ナショナルチームのヘッドコーチ退任を発表したガレス・ジョーンズ氏

12月15日に行われたナショナルチームの慰労会で退任を発表したガレス。

「私はJGAでの役割を終えますが日本のゴルフに貢献できたことは喜びであり誇りです」と語り喝采を浴びた。今後はクレイグ・ビショップが後任としてガレスイズムを引き継ぐ。

10年ほど前、オーストラリアから来日してナショナルチームの強化に当たったガレスがいなければ、LPGAツアーで日本人がメジャー2勝を含む年間7勝を挙げるような隆盛はなかっただろう。ロングショットの練習に時間を割いていた選手たちに「ショットは35パーセントでいい。残りの時間はショートゲームに当てなさい」と意識改革を行うと、その教えを忠実に守った畑岡奈紗がアマチュアで日本女子オープンに優勝。

それを見習って実践した金谷拓実がアジアパシフィックアマで優勝しマスターズに出場。世界アマチュアランキング1位を金谷から引き継いだ中島啓太もオーガスタ(マスターズ)の地を踏んだ。

女子では畑岡を筆頭に、メジャー制覇を果たした古江彩佳や山下美夢有ら錚々たる面々がガレスチルドレン。22年に全米アマに優勝し、25年はLPGAツアーのシード権を獲得した馬場咲希もナショナルチームの一員で名前を挙げたら切りがない。

ガレスの指導方針はゴルフと人間性の両立。以前教え子のなかで最も印象に残ったのは誰か? と尋ねると彼の答えは「ケイタ・ナカジマ」。「技術だけではなく人間性が豊かでコミュニケーション能力が高い。英語の勉強も熱心だし最高の選手です」。中島は1年の予定だったDPワールドツアーの卒業には2年かかったが、先日PGAツアー参戦を決めた。教え子の成長にガレスも目を細めているに違いない。

昨今「日本の時代」と海外で評される裏には彼の存在があったのは言うまでもないだろう。

※週刊ゴルフダイジェスト2026年1月6&13日合併号「バック9」より

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