シェフラー＆マキロイの「2強」時代に起きる“新陳代謝”。杉澤伸章が振り返る2025年PGAツアーの「地殻変動」と松山英樹の凄み

2025年シーズンの印象を全体的な観点で見るとスコッティ・シェフラーの圧倒的な強さと、ローリー・マキロイのマスターズ優勝が印象的だったのではないでしょうか。この2人が輝いた年だったことは間違いありません。

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ただ、その一方でフォールシリーズのバンク・オブ・ユタ選手権で優勝したマイケル・ブレナン選手は、プロとしてPGAツアー初出場、アマチュア時代を含めてもPGAツアー3試合目での優勝という偉業で話題を集め、ルーキーの優勝というのも印象的なことでした。それ以外にもヨーロッパから参戦してきた選手が優勝するなど、シェフラー&マキロイの2トップが目立ったシーズンだったようで、実は底辺のレベルが上がってきたと感じられたシーズンでもありました。

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PGAツアーがDPワールドツアーの上位10人を呼び込む施策を行うようになってから、ここ数年でいい意味で新陳代謝が起きている感覚があります。世界中のいい選手がPGAツアーに集まり始めている。それが証明され始めたと感じられたのが2025年です。

ここにはちょっとした世代交代も関係しています。まだ幕は上がっていないものの新時代の到来を予感させる雰囲気が今のPGAツアーにはあります。若い選手や新しい選手の参入や活躍が始まると世代交代も加速するのは当然のことで、常にルーキーが勝つような現象がPGAツアーには起こるはずです。

シェフラーの黄金時代は変わらないとは思いますが、そこに追いかけるマキロイやザンダー・シャウフェレ、ジョーダン・スピース、ジャスティン・トーマスらの名前が常に上がっていました。とはいえ、そんな彼らも実は中堅からベテランの域に入り始めたので、そんな彼らの力を凌駕する若い力が頭角を表し始めたと言えます。

そのなかで、2025シーズンの開幕戦を勝ち、そして最後のヒーローワールドチャレンジを制した松山英樹選手の活躍は特筆すべきことだと思います。

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ザ・セントリーで35アンダーというPGAツアー記録を作り、最終戦のバハマでインパクトのある勝ち方をした点は、PGAツアーの中堅、ベテラン選手のなかでも特に光ものがあったのではないでしょうか。

文／出島正登