1月9日、日本初のハイブリッドゴルフツアー「TGX SERIES powered by Full Swing」が開幕した。松山英樹らが関わる話題の大会だが、事前情報だけでは「従来のシミュレーションゴルフ大会と何が違うのか」全貌を掴みにくい。そこで開幕戦をしっかり取材。現場でわかった“次世代型ツアー”のリアルな実態をレポートする。
※ツアー概要などの事前情報は2ページ目を参照
画像: 決勝戦に進んだのは河本結率いる「東京スターズ」と、岩田寛率いる「北海道・東北ノーザンアイス」

決勝戦に進んだのは河本結率いる「東京スターズ」と、岩田寛率いる「北海道・東北ノーザンアイス」

ココリコ遠藤、カジサック、糸井嘉男ら豪華ゲストが参戦

画像: お笑い界からはココリコ遠藤章造、カジサック、スポーツ界からは糸井嘉男のエキシビジョンマッチも開催

お笑い界からはココリコ遠藤章造、カジサック、スポーツ界からは糸井嘉男のエキシビジョンマッチも開催

本戦の前には、ゴルフ愛好家芸能人によるエキシビジョンマッチ(5ホール)が開催された。お笑い界からはココリコ遠藤章造、カジサック、スポーツ界からは糸井嘉男が参加。会場には糸井の大先輩である斎藤隆も応援に駆けつけ、観客を盛り上げた。

このエキシビジョンを通じ、観客はまだ馴染みの浅い「FULL SWING シミュレーター」での試合(球はその都度、自分たちで定位置にセット、バンカーショットは、通常通りの感覚でフェースを開いて打ってよい、など)をある程度把握できたようだ。

意外と厄介だった「制限時間」

本戦のルールで選手たちを苦しめたのが「一打打つまでの制限時間」だ。プレーヤーがステージに上がった時点で45秒のタイマーがスタート。時間超過は一打罰となる。

この時間が意外と短く、プレッシャーを与えたようだ。東京スターズの菅沼菜々がジャスト0秒でショットしたり、タイマー開始に気づかず焦ったチームメイトの臼井麗香のためにタイムアウトを取るなど、コミュニケーションの豊富さが強みの「東京スターズ」にとっても弱点となった。

会場の雰囲気にやや圧倒された様子だった「中部ガーディアンズ」キャプテンの小木曽喬も、「(この制限時間だと)結構パッと見て、すぐ打たないといけなかった。すぐ真後ろにお客さんがいたけれど、見る余裕はなかったです」とコメントした。

試合結果:開幕戦を制したのは「北海道・東北ノーザンアイス」

オープニングマッチと第2マッチを勝ち抜いたのは、「東京スターズ」と「北海道・東北ノーザンアイス」。決勝戦は同点のまま5ホールを終え、決着はニアピン対決へともつれ込んだ。

東京スターズ側が懇願するも男女間の距離ハンデはなく、6名全員が152Yで対決。3番手の菅沼菜々が8Iでピンまで約6.2メートルにつけ東京スターズの優勝が見込まれたが、最後の挑戦者・小平智が9Iでピンそば約4.1メートルまで寄せ、北海道・東北ノーザンアイスが逆転で開幕戦Vを飾った。

「寛さんが最後だと思っていたのに……。しかも会場のアウェイ感をめちゃくちゃ感じて、精神的にはもう……(笑)! でも、みなさんの打つ姿を見られたので、データが参考になりましたね。バックスピンがかかりピンに寄ってくれました」(小平)

画像: 最後に挑戦した小平が逆転

最後に挑戦した小平が逆転

主催者に聞いた! TGXシリーズの3つの攻略ポイント

画像: アプローチやパッティングの距離感が合わず苦戦する選手が多かった

アプローチやパッティングの距離感が合わず苦戦する選手が多かった

本ツアーのコメンテーターを務めた宮里聖志によると、選手たちにとって難題となったのは、「ティフトンで深すぎるラフ」と「距離感のつかめないアプローチ&パッティング」だった。

理想の弾道をイメージしても「でもラフだから…」と東京スターズの三姉妹(河本、臼井、菅沼)を悩ませ、期待の若手・與語優奈&実力派ベテラン・木戸愛に「難しい」と言わせたラフ。寄せに行きすぎて球がスクリーンに当たらず反応しないというハプニングで尾関彩美悠を混乱させたパッティング。これらの攻略法はあるのか? 主催者に聞いた。

「TGXでは、ラフやバンカー、パッティングの難易度は、現実のコースと同じ考え方で再現されています。『ラフは一律○%ダウン』『バンカーは△%』といった固定ルールはなく、同じバンカーだったとしても、着弾点ごとにパワーやスピンの影響がすべて変わる仕組みです。もちろんフェアウェイバンカーとガードバンカーにも違いを設けています。ラフに入った場合、状況によっては10〜20Y飛距離が落ちる場合もあります。無理に距離を取り戻そうとするより、マネジメントが重要になるでしょう」

シミュレーションゴルフならではの独特な難しさがあるなか、安定したショットを見せていたのが岩田寛や河本結だ。彼らが共通して気にしていたのが、画面左下に表示された摩訶不思議なパーセンテージ。この数値はいったい何を指し示していたのか?

「(左下の数値は)ラフやバンカーなどに入ったショットの際に、どれだけパワーが低下するのか、また、スピン量の変化を示しています。例えば『この状況ではパワーが80~85%まで落ちるので、通常より15~20%ほど距離を足して打つ必要がある』と、選手自身で計算して打つことが重要になります」

たしかに試合中の東京スターズの会話のなかでは、「ラフだから飛ばないよ」との意見に対し、「でも下の数値を見ると意外と飛びそうなんだよね」と河本が冷静に判断する場面があった。

普段は感覚で感じ取っている微妙なライの違いを、可視化されたデータで確認し判断すること。この違いに対応できるか否かが、勝負の分かれ道になりそうだ。

しかし、今回出場した選手たちの大半にとって、本番当日のプレーが「FULL SWING シミュレーター」を使用した初のプレーだったとのこと。今後の試合はシーズン中の合間を縫って行われる予定なので、ますます練習の機会は限られそう。次戦以降の出場選手には、他選手のショットからいかにヒントを得られるかという、観察力が求められるだろう。

次戦以降のツアー日程は?

東京から始まった本ツアーは、次戦以降、全国各地を転戦する予定だが、ツアーのスケジュールとの兼ね合いもあり、日程はまだ未定とのこと。出場選手については、確定した順に公式Instagramやホームページなどで発表予定だ。

ちなみにチーム編成は、あらかじめ各チームに一定の人数枠を設けており、開催スケジュールごとに参加可能な選手がエントリーする形式。最初に所属したチームは原則として固定され、そのチーム内から各大会に出場するメンバーを決定する。

いち早く詳細が知りたいという方には、最初に情報を公開するという公式Instagram(@tgxgolf)を追うことをお勧めする。

写真/有原裕晶

This article is a sponsored article by
''.