世界最高の選手が使い、育てるドライバー

最新のQi4D ドライバーシリーズ(左からQi4D、Qi4D LS、Qi4D MAX、Qi4D MAX LITE)
――今回発表された「Qi4D」シリーズ、早くもトップ選手たちが実戦投入していますね。

テーラーメイド ゴルフの エグゼクティブ バイス プレジデント/ブライアン・コフマン(Brian Coffman)氏。ドライバーの飛距離は290Y、スコア70台の上級者だ
ブライアン:ええ。スコッティ、ローリー、トミーといった選手たちは、ゴルフ界だけでなく我々のブランドにとっても素晴らしいアンバサダーです。過去7年のマスターズのうち5勝がテーラーメイドのドライバーによるものという事実が示す通り、彼らのような世界最高の選手に選ばれることは、製品の価値を証明する上で非常に重要なプロセスです。

テーラーメイド ゴルフ(ジャパン)の代表取締役社長/比留間育洋(Ikuhiro Hiruma)氏。ドライバーの飛距離は300Yに迫る。今回のイベントが開催された「カレドニアンGC」のクラチャンでもある
比留間:確かに、世界トップ3の選手がすべて同じメーカーのスタッフプレーヤーというのも前例がなかったと思います。
前作の「Qi35」も米国市場では非常に成功したモデルでした。ただ世界中のトッププレーヤー全員を100%納得させるという点では、わずかに届かない部分もありました。そのため今回は早い段階から選手たちと対話を重ね、彼らが求めるスピードと、ルックス、打音を完璧に融合させる戦略を練り上げてきたのです。
ブライアン:トミー・フリートウッドについてお話ししましょう。彼は非常にナイスガイな素晴らしい人物ですが、昨年の「ツアー選手権」で悲願のPGAツアー初優勝を果たした際、実は当時のQi35のプロトタイプとして、今回発表した「Qi4D」のフェースを採用していたのです。当時彼はキャリア最高のプレーをしていて、フィールド内で他の誰よりも素晴らしいパフォーマンスを発揮していました。そんな彼が、さらなる優位性を求めて新しいフェーステクノロジーを信頼してくれた。トミーがこの製品を選び、結果を出したことが、「Qi4D」の圧倒的なパフォーマンスの何よりの証明です。

昨年の「ツアー選手権」でPGAツアー初優勝を果たしたトミー・フリートウッド。手にしていたのはQi35のプロトタイプドライバーだった
比留間:余談ですが、トミーが優勝した「ツアー選手権」に出場した30人のプレーヤーは、全員が何かしら1本はテーラーメイドのFWをバッグ入れていました。この事実も我々にとって大きな自信になりました。
カーボンフェースにはまだまだ「伸びしろ」がある
――他社も新たにカーボンを使用したフェースを導入するのでは? という噂がありますが、やはりカーボンという素材の魅力に改めて気づいたということでしょうか。そしてテーラーメイドは今後もフェースにカーボンを使い続けていくのですか?
ブライアン:我々はチタンフェースの性能開発はすでに限界に達したと判断しました。さらなるパフォーマンスを見出すには、エネルギー伝達においてより効率的な素材が必要であり、それがカーボンだったのです。我々にはチタンで30年以上の開発経験がありますが、カーボンウッドはまだ5世代目、つまり実質5年ほどの歴史しかありません。

フェース面のロール(上下方向の丸み)の強調とヘッド下部の貫通型スピードポケットの改良によって、打点の上下のブレによるスピン量のバラつきを抑えることに成功
比留間:チタンを30年やり尽くした後のカーボン5年ですから、言い換えればまだまだ進化の「伸びしろ」が膨大にあるということです。カーボンは複雑なフェース形状を高い精度で量産できるメリットもあり、今回の「Qi4D」のロールを強調したデザインもカーボンだからなしえたことです。そして名称には、我々が提唱する「4次元(4D)のストーリー」(ヘッド、フェース、シャフト、フィッティング)が込められています。
日米ゴルファーの共通点とフィッティングの効果
――日米のマーケットの違いについてはどう感じていますか?
ブライアン:米国のゴルファーは競争心が強くスコア重視、日本のゴルファーは楽しむことを大切にすると言われますが、しかし根底にある「もっと飛ばしたい、もっと良いスコアを出したい」という情熱は共通しています。その点では大きな差はないと思います。
比留間:米国のゴルファーは、ほとんどがハンディキャップを取得しており、何らかの形で競技に参加している層が厚いのも特徴ですね。日本の場合、ゴルファー全体の約8割はハンディキャップを持たず、競技にも出ていないと言われています。競技志向が強い欧米だからこそ、自分にクラブを合わせるフィッティングのニーズが早くから生まれてきましたが、今その需要は日本でも急激に高まっています。
――先ほどフィッティングを受けて驚きました。これまでは非力だし年だし、軽いものしかダメだと思っていたんですが、勧められたのは「60g台のSシャフト」。人生初の60g台で「本当に振れるのかな」と思いましたが、いざ打ってみたら良い当たりしか出ないし、飛距離も大きく伸びました。まるで自分じゃないみたいに(笑)

「素晴らしい! フィッティングを通じて、まさにそういう気づきを得てほしいんです」(ブライアン)
ブライアン:これこそが、マーケットに存在する「混乱」を解消する素晴らしい例です! シャフト選びは複雑ですが、適切なスペックに導くことでゴルフはもっと楽しくなります。

Qi4Dドライバーに装着されるオリジナルシャフト(REAX)には、フェースローテーションの違いによって「HIGH ROTATION」「MID ROTATION」「LOW ROTATION」の3タイプが用意されている
――ちなみに、ブライアンさんの「Qi4D」のスペックは決まりましたか? 何を使っているのか教えてください。
ブライアン:私はコア(スタンダード)モデルのロフト10.5度です。これを1クリック「Lower」に設定して9.75度にし、少しオープンフェースにして使っています。シャフトはミッドローテーション(MR)の「Reax」。MRなのでローリー・マキロイタイプですね。ボール初速が3マイル(1.34m/s)上がり、スピンのバラツキも劇的に少なくなりました。
――比留間さんはどうですか?

「Qi4Dはボール初速がアップし、ミスヒットに対しても寛容さが増しています」(比留間)
比留間:私はLSモデルのロフト10.5度です。同じく1クリック「Lower」にして、実質9.75度から9.8度くらいで使っています。最初はコアモデルのロフト9度を試したのですが、LSのほうがボール初速が出たので。シャフトは60Xのミッド(MR)です。実際にコースでテストしましたが、ミスヒットしてもスピン量が驚くほど変わらず、飛距離がしっかり担保されるのを実感しました。思い込みを捨てて自分に合ったクラブが見つかると、ゴルフがまた一段と楽しくなります。
30年かけて磨き抜かれたチタンの時代を経て、カーボンウッドという新たな領域を進むテーラーメイドだが、その歩みはまだ始まったばかり。この素材が秘めるポテンシャルは、私たちの想像を遥かに超えるスピードで進化を続けているようだ。

昨年復調し、イベントを大いに盛り上げた田中秀道プロ

飛距離が持ち味の山路晶プロ

こちらも飛ばし屋、新村駿プロ

泉田琴菜プロ。なぜかテーラーメイドには飛ばし屋プロが集う
「Qi4D」が示したのは、さらに充実した調整機能による緻密なフィッティングで、カーボンのポテンシャルを一人ひとりのゴルファーへ、ミリ単位で最適化させるという強い意志だ。カーボンウッドが切り拓くドライバーの未来は、想像以上に進化の可能性を秘めているのかもしれない。
PHOTO/Tadashi Anezaki、Yoshihiro Iwamoto

