「NX VIOLET」と「NX GOLD」を比較検証
2021年の初代「NX BLUE」から始まり、今年で6年目を迎える「SPEEDER NX」は国内外のツアーで多くのプロに使用され、フジクラを代表するブランドとなりました。特に女子ツアーでの使用率が高く2025年度のドライバーシャフトブランド別の使用率が40%を超え、リシャフト等のアフターマーケット市場でもNo.1の販売を記録しています。

「NX GOLD(下)」と「NX VIOLET(上)」
2024年9月に登場した「NX VIOLET」から新たな積層技術「DHX」を採用したモデルとして進化しています。「NX VIOLET」は「NX BLUE」の後継ポジションのモデルとして登場しましたが、第1世代の「NX BLUE」に比べてシャフトに硬さを感じるという意見も目立ち、設計に特徴的な印象を持つ方も多くいらっしゃいました。
そこで2025年9月、第2弾として投入されたのが「GOLD」です。これにより第2世代のラインナップが揃い、それぞれの立ち位置が明確になったという意見が目立ち始めます。
今回は、再評価が進むファーストモデル「NX VIOLET」と、セカンドモデル「NX GOLD」を、手元部分・中間部分・先端部分に分けて検証していきたいと思います。
用意したシャフトはそれぞれの人気スペックです。
NX VIOLET50 S
57.5グラム/トルク4.5/中調子/振動数254CPM
NX GOLD 50 S
53.5グラム/トルク4.6/中調子/振動数254CPM
手元部分(BUTT):剛性感の「VIOLET」、マイルドな「GOLD」
NX VIOLET
BUTT径は15.30ミリとやや太めの設計です。これにより手元部分の剛性感も高く感じられます。初代の「NX BLUE」よりも硬く、SPEEDER NXシリーズ中一番硬めの硬度設計となっています。この剛性により、アスリートゴルファーのしっかりとした強めの切り返しにも潰れや捻れを感じずにレスポンス良く反応してくれます。一方で、「NX VIOLET」が硬く感じる方は、切り返し時に手元部分でシャフトがたわむような遊びが感じられず、シャフト全体が硬いという印象の要因になっています。
NX GOLD
BUTT径は15.20ミリ。「NX VIORET」よりも細めです。手元部分の剛性は落としてあり、自然な切り返しを実現しやすい設計になっています。「NX VIOLET」と比較すると軟らかく感じる方が多いと思います。中調子ながら手元調子のような「しなり」が感じられ、これが「GOLD」特有のマイルドなフィーリングを生んでいます。両モデルの一番の違いは手元部分の剛性の差にあると言っていいでしょう。
中間部分(MID):加速の「VIOLET」、安定の「GOLD」
NX VIOLET
手元部分に比べて中間部分はやや軟らかい中調子らしい硬度設計となります。この剛性差がタメを生み、さらに先端部分との剛性の差を生じさせ「NX VIORET」独自のスピード感を演出します。切り返しのタイミングが合う方は中間部分のしなりを感じられ、捻れ感もなくスムーズに加速して行く印象でしょう。「NX VIOLET」のパワーを生み出す重要なセクションとなります。
NX GOLD
中間部分の剛性は手元部分から大きく変わることなく、適度なハリ感を維持しながらも穏やかなシャフト挙動です。「VIOLET」のような走り感とは異なり、シャフト全体でボールを押し込んでいくような「厚み」のあるパワーを感じさせます。安定した挙動でボール運ぶ、「GOLD」の特性を支える部分といえるでしょう。
先端部分(TIP):弾く「VIOLET」、粘る「GOLD」
NXVIOLET
中調子シャフトながらスピード感があります。先端部分のやや上辺りを硬くして先端部分との剛性の差を生じさせることで先端部分に動きを出しています。SPEEDER NX ブランドに求められる先端部分の動きによるボールのつかまり感があり、ヘッドが開いて当たらずに飛球線方向へしっかりと押し込んでくれる動きは、「NX VIOLET」の特徴です。

NX GOLD
「NX VIOLET」と比べると穏やかでややスピード感は感じにくいですが、挙動に安定感があります。中間部分から連続する剛性感は先端部分にかけても大きな硬度の変化は感じません。今回テストで使用したPING G440 MAXのような大慣性モーメントヘッドに対応するしっかりとした先端剛性を備えていますので、厚いインパクトを実現してくれます。「NX VIOLET」に比べて先端部分の動きは少なめ。ボールをしっかりととらえるつかまり感とコントロールしやすい操作性を備えた先端設計は、SPEEDER NXの新たなポジションのモデルと感じられます。
総評:タイミングの「相性」で選ぶ第2世代
同じ中調子のシャフトながらフィーリングには大きな違いを感じました。一番大きな違いを感じられたのは手元部分。特に最初に感じるのはダウンスウィング時の手元剛性感でした。シャフトは切り返しのタイミングが「合う」「合わない」でそのシャフトに感じる印象は大きく変わります。
第2世代から採用された「DHX」テクノロジーにより、全体的に引き締まった印象の「VIOLET」。切り返しが決まれば、中間部のしなりと先端の走りで、シリーズ最速のスピード感を味わえると思います。 対する「GOLD」は、手元剛性を落としてタイミングを取りやすくし、全体的に穏やかな挙動で安定感を高めたモデルです。

「VIOLET」のスピードか、「GOLD」の安定感か。ぜひ打ち比べて、ご自身のスウィングに合う「第2世代」を見つけてほしいと思います。


