PGAツアーのソニーオープン・イン・ハワイで26年のスタートを切った杉浦悠太。29日に開幕する「パナマ選手権」(1月29~2月1日)でPGA下部のコーンフェリーツアーデビューを飾る。活躍が期待される杉浦の飛ばしの秘けつを、小6から13年間指導している奥雅次コーチが解説する。【杉浦悠太の飛ばしの秘けつ①】
画像: 杉浦悠太を小6から指導している奥雅次コーチ(左)

杉浦悠太を小6から指導している奥雅次コーチ(左)

杉浦の飛ばしの秘けつは「脱力スウィング」

画像: 25年の杉浦のドライビングディスタンスは296.76Y(22位)

25年の杉浦のドライビングディスタンスは296.76Y(22位)

昨年、PGAツアーに出場するためQTに挑戦し、米下部のコーンフェリーツアー出場権を獲得した杉浦。23年のダンロップフェニックスでアマチュア優勝し、プロ転向後、ドライビングディスタンスは24年の293.13Y(24位)、そして25年には296.76Y(22位)とその数字を伸ばし続けている。

172センチ74キロとツアープロのなかでは決して大きくない。それでいながら300Y近い飛距離を誇る杉浦の飛ばしの秘けつは?

「とくに一番成長したのはスウィング中に『脱力』できるようになったことです。切り返しで脱力できるので、インパクトでエネルギーを最大限に伝えられる打ち方ができるようになりました。スウィングのメリハリが洗練されて飛距離がまだまだ伸びています」

その「脱力スウィング」は、小学校から継続している技術と練習法にあるという。

小学校から続けている「ボール挟みドリル」

画像: 両腕の前腕にボールを挟んで素振りやショット練習する「ボール挟みドリル」。体と腕を同調させた脱力スウィングが身につく

両腕の前腕にボールを挟んで素振りやショット練習する「ボール挟みドリル」。体と腕を同調させた脱力スウィングが身につく

「小学校のころは、まだ体の正面から腕が外れて、振り遅れることが多かったんです。そのころからずっと、両腕にボールを挟んで、体から腕が外れないように体と腕を同調させてクラブを振る練習をしています」

杉浦は今でもボールを挟む練習を定期的に取り入れている。両腕が体の正面から外れてしまうと、挟んだボールはスウィング中に落ちてしまう。ボールが落ちないように振るだけでなく、実際にボールを打つ練習法だ。またボールを挟んで振ることは力を抜く練習にもなる。体の正面でボールをとらえられ、かつ脱力が身につけられるドリルだという。

「脱力スウィング」のアドレスの作り方

画像: アドレス前に体の正面でクラブを立てて「体の正面で振る」感覚を確認する杉浦

アドレス前に体の正面でクラブを立てて「体の正面で振る」感覚を確認する杉浦

また、杉浦は練習やプレー中で時折アドレスに入る前に、体の正面でクラブを立てることがあるが、これは「体の正面で腕を振ること」をつねに意識しているからでもある。

「体の正面から腕が外れない」「体の正面で腕を振る」杉浦のスウィング。奥コーチはまず、アドレスからアマチュアの方に参考にしてほしいという。

「アドレスでは左右両方の股関節を入れること(股関節に体重が乗ること)が基本です。ただ、それを意識すぎるとアドレスが『カクカク』するというか、一見姿勢は良くても背筋がピーンとなり過ぎたりして、スウィングの動きが悪くなり、可動域が狭くなってしまうこともあります。そうならないために、構えたときの『脱力』がポイントになります。アドレスで『脱力』できなければ、スウィングでも力みは続きます。ボールを飛ばすために非常に重要な切り返しでの『脱力』ももちろんできません。いい姿勢を保ちながらも脱力することが、飛距離を出すために欠かせない要素です」

「ソフト猫背」で構えることで力みが消える

画像: 奥コーチがアマチュアに参考にしてほしいという杉浦の「ソフト猫背」

奥コーチがアマチュアに参考にしてほしいという杉浦の「ソフト猫背」

では、力みのないアドレスはどうやって作ればいいのだろうか。

「ちょっと反り腰にカクカクしたアドレスや、背中が伸び過ぎたり体が起きてしまったりするアドレスの方を多く見かけます。私は『ソフト猫背』というんですが、杉浦プロを後方から見たときの少し『猫背』な感じ。この感覚が参考になると思います」

アドレスは形より、動きやすい構えにすることが大切

画像: アドレスは形より、動きやすい構えにすることが大切

アドレスは形より、動きやすい構えにすることが大切

また、アドレスでは「重心を意識する」ことの重要性も付け加える。

「重心は低く保ち、上体が立ったり、体が起き上がったりしないようにします。それから少し右に重心を移します。そしてここからが重要。私がもっとも意識してほしい重心は『前後』です。重心がつま先やかかと寄りにならないように構えてほしい。正しい前後の重心位置は、体を軽く前後に揺らしながらバランスよく立てる場所。そのポジションに毎回は入れるように意識してください。

この前後の重心は、杉浦プロには小学生のころからずーっと言い続けてきました。アドレスはスウィングのスタート。そのスタートが悪ければ、スウィング中にいい動きなることはありません。やりたい動きができない、打ちたいボールが打てない人は、まずはアドレスを疑うことです。そしてアドレスは、形より動きやすい、動かしやすい、これを大切にしてください」

杉浦が日本で身につけた、「脱力スウィング」と「脱力アドレス」。今週米下部ツアーデビューする杉浦の活躍に注目しよう。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa

※次週、米下部コンフェリーツアー「パナマ選手権」出場後に「脱力スウィング」のつづきを解説


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