
松山英樹とのプレーオフの末、優勝を掴み取ったクリス・ゴッタラップ(撮影/岩本芳弘)
こんにちは。SPORTSBOX AI 日本アンバサダーの北野達郎です。今回は「WMフェニックスオープン」で、松山英樹選手に競り勝ち、今季2勝目を挙げたクリス・ゴッタラップ(以下、ゴッタラップ)の正面からのドライバースウィングをスポーツボックスAIのデータと共に解説させていただきます。ゴッタラップのスウィングの特徴は、以下の2点です。
①胸と骨盤の左右差が少なく、左軸で構える
②タメが深いダウンスウィングから、一気にクラブをリリースするフォロースルー
それでは早速チェックしてみましょう!
胸と骨盤の左右差が少なく、左軸で構える
まずはアドレスとインパクトに注目しましょう。アドレスでの特徴は、左足をやや開くオープンスタンス、そして左肩〜クラブまでを一直線に構え、ハンドファーストになっている点です。アドレスでハンドファーストに構えると、上半身は左足寄りになります。スポーツボックスのデータ項目「Sway Gap」は胸と骨盤の左右差を表します(右打ちの場合、マイナスは胸が骨盤より右、プラスは胸が骨盤より左。胸と骨盤が垂直に重なると0cm)。ゴッタラップの胸と骨盤の左右差のデータを見ると、アドレスでプラス1.8cm、インパクトでマイナス6.5cmです。

画像①アドレスとインパクト/オープンスタンスでハンドファーストのゴッタラップは左軸のアドレスで、インパクトでも胸と骨盤の左右差が少ない
スポーツボックスAIが独自で調査した、アドレスでの胸と骨盤の左右差のツアーレンジは、マイナス1.8cm~マイナス5.3cmですので、プラス1.8cmのゴッタラップがいかに左軸で構えているかがわかります。このアドレスを取ると、インパクトでもハンドファーストの度合いが強くなりやすく、通常のドライバーだと「振り遅れ」につながりやすいのですが、ゴッタラップはクラブを上手にリリースすることで、それを防いでいます。
タメが深いダウンから、一気にクラブをリリースするフォロー
次は、ダウンスウィングとフォローを比較してみましょう。「Lead Wrist Angle」は、左手首の縦コックの角度を表します(数字が小さくなるほど手首の角度は鋭角、数字が大きくなるほど手首の角度は鈍角。左手首とクラブが一直線になると180°になります)。
スポーツボックスでは、ダウンスウィングでの左手首の角度を「正面アングルから見て左腕が30°のポジション」でも測定することができます。ゴッタラップの左手首の角度は99°ですので、手首とクラブのタメが非常に深いタイプであることがわかります。

画像➁ダウンスウィングとフォロースルーの比較/タメが深いダウンスウィングから、一気にクラブをリリースしている
左軸でハンドファーストのアドレスとインパクト、手首とクラブのタメの深さと、ここまではショートアイアンでのショットのようなデータが特徴的ですが、フォロースルーにかけてのクラブのリリースは早いタイプと示すデータがあります。「Hand Sway」は、両手がアドレスの位置から左右にどれだけ移動したか? の距離を表します(右打ちの場合マイナスは右へ、プラスは左へ。以下、両手の位置)。ゴッタラップの両手の位置はP6(ダウンスウィングでクラブが地面と平行の位置)でマイナス11.6cm、フォローでプラス39.4cmです。

画像③両手の位置のデータ/ダウンスウィング、フォローともに移動距離が短く、その間にクラブをすばやくリリースさせている
このデータでわかることは、ダウンスウィングからフォロースルーにかけて、手の左右の移動距離が短く、その短い手の動きの間にクラブをすばやくリリースさせることで、ゴッタラップは振り遅れることなくフェードを打っていることです。実際、P8(フォロースルーでクラブが地面と平行の位置)にクラブが到達した時点での手の位置は、プラス39.4cmで海外男子ツアーレンジ(プラス43.9cm~プラス57.1cm)と比べると短めです。このすばやいクラブのリリースがゴッタラップならではの特徴であり、「腕とクラブのすばやいリリースで、ヘッドを走らせるタイプ」と言えるでしょう。
今回は、クリス・ゴッタラップのドライバースウィングを解説させていただきました。今季2勝目で世界ランク5位まで浮上したゴッタラップは、今年の注目選手の1人です!
