
「クアンタム MAX UT/左」と「クアンタム MAX FAST UT/右」。ソール幅がかなり違う
クアンタム MAX UT
操作性と“下打点”への強さが光る実戦派

試打解説/西田幸一プロ。専修大ゴルフ部からプロ入り。現在は合田洋ゴルフアカデミーでアマチュアを指導。小社企画でのクアンタムドライバー5モデルの試打解説も担当した。今回の試打ボールはクロムソフト。計測はトラックマン4。各テスト5~7球を打った平均値を掲載
1本目は「クアンタム MAX UT(21度)」。西田幸一プロは、まず「MAXの顔」と「構えやすさ」に注目した。
構えやすさと独自のスコアライン
ヘッドの幅が薄く、やや面長な形状に加えて、「後ろ側が浮くようなソール形状なので、ロフトが寝ずにアイアンのようにライン出しがしやすい。フェースがまったく被って見えないのも好印象です」と、ターゲットに対して真っ直ぐ構えられる安心感を高く評価。
このソール形状は、「MAX UT」だけでなく、この後の「MAX FAST UT」にも採用している新開発の“ニュー・ステップソール”。ソールの前方と後方に段差を付け、インパクト時の抵抗を軽減させるためのモノだが、このステップ(段差)が、アドレス時の据わり良さ、構えやすさにもつながっている。

「クアンタム MAX UT」。ソールが前部よりも後部の方が浮くように、わずかな段差が付いている(写真左)。これが抜けの良さを生むだけでなく、据わりのいい構えやすさにもつながっている
また、スコアラインの入り方について、「MAXのスコアラインは左右対称ではなく、ラインがトウ側へ逃がすように入っています。この見え方がいいですね。グースネックの度合いも小さく、左へのミスを怖がらずに打てるイメージです」とコメント。

「クアンタム MAX UT」のスコアラインは左右非対称。その効果によって上から見ると「逃げ顔に見えるんです」(西田プロ)
操作しやすい振り心地
ティーアップせずに(人工マットから)直接打った結果は、ヘッドスピード41.2m/sでキャリー208.9ヤード(トータル218.7ヤード/測定数値は後述)。
「厚みのある打感で、パワーがダイレクトにボールへ伝わってくれます。重心位置が適正なせいか振りやすくて球筋を操作しやすい。弾道は高く上がり過ぎず(弾道頂点34.9ヤード)ラインを出しやすく、それでいてボールが止まるには十分の高さを持っています。純正シャフト(ATHLEMAX 80/S)はクセがなく、MAXのヘッドの良さを上手に引き出していると感じました」

西田プロがテストした「クアンタム MAX UT」のキャリー着弾図。「操作しやすくてドローとフェードを打ち分けながら試打しました」との言葉通り、ドローの4球はやや右、フェードの3球はやや左と、着弾地点も見事に分かれた
下寄り打点の結果に驚き
西田プロを驚かせたのが、あえて打点を下げて打った結果だった。「普通、下打点(薄い当たり)だとスピンが増えて吹き上がってしまうか、スピンが足りずにハーフトップの弾道になるものです。MAXを打つとスピン量がとても安定して、いい具合いに球が浮いて飛んでいきます。これには驚きました」

フェースの下打点でも試打。「スピン量の安定感が抜群です。吹き上がったり、ドロップすることがまったくありません」(西田プロ)

フェースの下打点でも試打。「スピン量の安定感が抜群です。吹き上がったり、ドロップすることがまったくありません」(西田プロ)

フェースの下打点でも試打。「スピン量の安定感が抜群です。吹き上がったり、ドロップすることがまったくありません」(西田プロ)
「弾道は8ヤード弱低くなりましたが、キャリーはしっかり出ている。下で打った打感は手に伝わるものの、当たり負けしていないヘッドの強さも伝わってきます。これはいいヘッドですよ、地面から打つユーティリティとしてとても心強い性能です」と絶賛。
| 打点位置 | キャリー(Y) | 飛距離(Y) | HS(m/s) | 初速(m/s) | スピン(rpm) | 弾道頂点(Y) |
| センター中心 | 208.9 | 218.7 | 41.2 | 61.4 | 4570 | 34.9 |
| 下寄り打点 | 207.9 | 226.3 | 41.3 | 60.9 | 3730 | 27.2 |
ショット数値は上記の通り。フェース下寄りでも、ボール初速はほとんど変わらず、スピン量が極端に落ちることもなく維持されている。弾道がやや低くなるぶんランが少し増えるが、肝心のキャリーは同等。
実は、フェアウェイウッド用に開発した新技術“スピードウェーブ 2.0”が、このクアンタムのユーティリティにも搭載されている。フェアウェイウッドと違いソールに2つのビスはなく、ヘッド内部に接着する形で“スピードウェーブ 2.0”が入っているという。これが下打点に対する強さを支えている。

赤い部分が「クアンタム MAX UT」に入る“スピードウェーブ 2.0”。フェース下部のたわみ量が大きくなり、スピン量とボール初速を維持させる。「クアンタム MAX FAST UT」にも搭載されている
「操作性がとても高く、打点ブレを気にせず打てるので、狭いホールやレイアップしたいホールでのティーショット、パー5の2打目で積極的に使える万能ユーティリティと言いたい」
クアンタム MAX FAST UT
上がりやすさとやさしさの追求
2本目は、ビギナーを含めた幅広い層に対応する「クアンタム MAX FAST UT(22度)」。これは「MAX UT」とは、対照的なキャラクターが浮き彫りになった。
安心感を生む見た目
「フェアウェウッドのように上がりやすそうな見た目で、アマチュアの人にとって安心感を生む形状だと思います。構えた時の顔は、同じキャロウェイのUW(ユーティリティウッド)シリーズに似ていますね」と西田プロ。

「MAX FASTは、ヘッド形状が自分が使っているキャロウェイのUWシリーズにとても似ていて、短いウッド感覚で構えられます」(西田プロ)。ソール形状は、「クアンタム MAX UT」と同様の“ニュー・ステップソール”
「スコアラインの入り方は、MAXのような逃げ顔仕様ではなく、素直にターゲットへ向けられる左右対称型です」

「クアンタム MAX FAST UT」のスコアライン
ウッドに近いフィーリングと抜けの良さ
「クアンタム MAX FAST UT」の試打(シャフト/ATHLEMAX 80/S)を開始。「打感は、MAXよりもウッドに近い柔らかさがあります」と語る。深めの重心設計によって、「めちゃくちゃ球が上がる」と西田プロ。
弾道頂点の高さは36.9ヤード。楽に高弾道が打てる点が「クアンタム MAX FAST UT」と「クアンタム MAX UT」の大きな違いのようだ。もちろん、クアンタムシリーズに一貫する、ボール初速の速さは担保されている。
特筆すべきは、ソールの滑りの良さ。「打ち込んでもソールが滑ってくれる。接地面の抵抗が少ないのが、打った瞬間にわかります。下打点に対する強さは2モデル共通ですね」と、厳しいライからでも高弾道を打てる性能を評価した。前述した「クアンタム UT」の両モデルに備わる、“ニュー・ステップソール”と“スピードウェーブ 2.0”の効果だ。
ネック調整機能で
ロフト1度立て、ライ角1度フラットに
今回の「クアンタム UT」シリーズには、2モデルとも全番手に調整機能付きホーゼル“オプティフィット4”が付き、細かなカスタマイズができる。
「このMAX FASTをネック調整して、ロフトを1度立ててライ角を1度フラットのドローヒッター仕様にして打ってみませんか」と西田プロ。

「クアンタム MAX FAST UT」をロフトとライ角とも-1度のポジションに変更してテスト
「顔つきがガラッと変わりました。より強く振れる感じになり、完全にドローヒッター好みの顔です」
実際に、綺麗なドローを連発。「自分もそうですが、持ち球がドローの人は、ライ角をフラットにしたMAX FASTの感じが丁度良いかもしれません。つかまり自体がとても良いので、フラットにしてしっかり振る方が、ドローで安定させられそうです。ロフトを1度立ててもスピンが入って上がりやすいですし、打点ブレに対する絶対的な寛容性があるので、アベレージクラスの人も試してみる価値があると思います」
| ネックポジション | キャリー(Y) | 飛距離(Y) | HS(m/s) | 初速(m/s) | スピン(rpm) | 弾道頂点(Y) |
| スタンダード | 199.1 | 208.7 | 41.3 | 59.7 | 4850 | 37.9 |
| ロフト-1度 ライ角-1度 | 199.3 | 212.4 | 41.2 | 59.9 | 4758 | 37.2 |

赤がスタンダードポジションのキャリー着弾地点。青がロフト-1度・ライ角-1度の着弾地点。ドローを狙って打った青は左寄りに集まった。スタンダードの赤はストレート弾道が続いて前後左右のブレ幅がほぼない
まとめ/2つのクアンタムをどう選ぶ?
試打を終えた西田プロは、2モデルの違いを次のようにまとめた。「MAXは、打点のダイレクト感が伝わりやすく操作性がとても高いので、ドローやフェードなどを自分でコントロールしたい人向けです。ただし、アスリート向けというシビアなクラブではなく、どこに当たってもボール初速が出て、スピン量も安定しているので、アベレージから中上級者が“スコアメークのためのユーティリティ”として使えると思います」
「一方、MAX FASTは、とにかくやさしいユーティリティ。スピン量が安定して前後距離だけでなく左右のブレ幅も小さくなるので、グリーンを確実に捉えられる1本です。また、形がフェアウェイウッドっぽいので、シャフトを少し長めにして、5番ウッドや7番ウッド代わりに使うという選択肢もアリですね。全く性能が違う2モデルなので、コースの攻め方や用途に合わせて両方をセッティングに入れるのも面白いかもしれません」

今回の試打では触れなかったが、トウとヒールのウェイトを入れ替えるカスタマイズもできる。「クアンタム MAX UT」はトウ13グラム・ヒール3グラム。「クアンタム MAX FAST UT」はトウ9グラム・ヒール3グラムが標準
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