
マキロイに6打差をつけて首位を快走するジェイコブ・ブリッジマン(写真は25年B<W選手権、撮影/岩本芳弘)
マキロイも脱帽? 歴史に並んだ「19アンダー」
「通算19アンダー」というスコアは、単なるリーダーボードの頂点という以上の意味を持つ。これは、1985年にラニー・ワドキンスが樹立したジェネシス招待の「54ホール最少ストローク記録」に並ぶ、歴史的な大記録なのだ。名だたるトッププロたちがポアナ芝の難グリーンに苦しむ中、ブリッジマンが底知れぬポテンシャルを見せつけている。
後続から懸命に追いすがるマキロイでさえ、この新星のプレーには脱帽気味だ。
「ジェイコブは信じられないような3日間をプレーしている。明日、僕や他の誰かが彼を捕まえるには『何か特別なこと』をしなければならないだろうね」
あわやアルバトロス。勢いを決定づけた「7番ウッド」
この日、ブリッジマンの勢いを決定づけたハイライトが11番(パー5)だった。「7番ウッドで打つには完璧な数字だった」というセカンドショット。打ち下ろし、かつフォローの風という距離感を合わせるのが極めて難しい状況の中、彼はグリップを短く握り、柔らかいフェードボールを放った。
「高く上がったボールが柔らかく落ちて、ピンに引き寄せられていったんだ。結果的に完璧なショットになったよ」
ピンそば数センチにピタリと止まる、あわやアルバトロスというスーパーショット。このタップイン・イーグルで一気に後続を突き放し、誰も手がつけられないゾーンへと突入していった。
【動画】ブリッジマンの258ヤードからのあわやアルバトロスショット【PGAツアー公式X】
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x.comリーダーボードを見て「ナーバスになった」自然体の強さ
これほどのビッグトーナメントで、しかも真後ろにはマキロイが迫っている状況。さすがの若手もプレッシャーで崩れるのが定石だが、彼のメンタルはどこまでも自然体だ。
「昔からリーダーボードを見るタイプなんだ。ジュニア時代も大学時代も、自分がどの位置にいるか常に知りたいからね」と語るブリッジマン。「でも、自分の名前が何打も差をつけて一番上にあるのを見た時は、さすがに少しナーバスになったよ」と、会見では初々しい本音も覗かせた。
それでも、彼のスウィングに力みは生まれなかった。「今日はゴルフ界で味わえる最高の気分だった。スウィングの感触も良くて、みんなが歓声を上げてくれて。ただ楽しかったよ」と、重圧すらも楽しむ余裕を見せている。
26歳の新星が、明日このまま逃げ切り、歴史に名を刻む初優勝を果たすのか。それとも、日曜日のリビエラには恐ろしい魔物が潜んでいるのか。PGAツアーに新たなスターが誕生する瞬間を、我々は目撃しようとしている。
