
世界No.2のマキロイとNo.1のシェフラー(PHOTO/Getty Images)
マキロイの勝敗を分けた「前半のフラストレーション」と「10番の焦り」

18番のバーディパットを沈めたマキロイ(PHOTO/Getty Images)
通算17アンダー、首位とわずか1打差の2位タイでフィニッシュしたマキロイ。最終日を「67」で回り、バックナインで4つのバーディを奪う猛追を見せたが、あと一歩及ばなかった。
ラウンド後、彼が敗戦の弁として口にしたのは、サンデーバックナインの入り口である10番ホール(パー4)での痛恨のミス、そしてその伏線となったフロントナインでのフラストレーションだった。
「フロントナイン(前半)はすべてのグリーンを捉えたんだ。でも、パットが全く決まらなかった」
彼の言葉通り、前半は完璧に近いショットでチャンスを作り続けた。しかし、ポアナ芝特有の転がりに悩みすぎてしまい、パットがことごとくカップを逸れる。1番でバーディを奪ったものの、6番(パー3)ではボギーを叩き、8番、9番とチャンスを逃し続けて前半はイーブンパー。首位を追う展開の中で、「何かを起こさなければ」という焦りが静かに彼を追い詰めていた。
そのプレッシャーが最悪の形で出たのが、315ヤードと短く、バーディを計算できる10番だった。
「あそこで本当にゴミみたいな(Garbage)ウェッジショットを打ってしまったんだ。パットは良かったけれど、ラインを読み違えた」
前半のもどかしさを一気に晴らしたい勝負どころでのミス。ここをパーで終えスコアを伸ばせなかったことが、結果的に1打差の勝敗を分ける決定的な要因となった。
しかし、敗戦の中にも確かな手応えはある。
「27ホール(3日目と最終日のフロントナイン)でチャンスを活かしきれなかったのは悔やまれる。でも、ゲーム全体の状態はすごく良いんだ。次の数週間、フロリダ(コグニザント・クラシックなど)でバミューダ芝のグリーンに立てるのが本当に楽しみだよ」
【動画・1分】「もっと早く来てよ~」の表情? マキロイ、最終18番でグリーン外からのバーディ【PGAツアー公式YouTube】
Rory McIlroy drains 29-foot birdie putt on FINAL hole | The Genesis Invitational | 2026
www.youtube.comポアナ芝に苦しめられた西海岸シリーズを終え、得意のフロリダシリーズへ。世界2位の視界は良好だ。
シェフラー、途切れた「大記録」と取り戻したパッティング

記録ではなく自分自身と戦っているシェフラー(PHOTO/Getty Images)
一方、初日サスペンデッド時点で最下位(71位タイ)という絶望的なスタートを切った世界1位のスコッティ・シェフラー。金曜日の朝には予選通過すら危ぶまれる状況だったが、そこからの巻き返しは「世界No.1の修正力」をまざまざと見せつけるものだった。決勝ラウンドを「66」「65」と猛チャージし、終わってみれば通算11アンダーの12位タイでフィニッシュした。
しかし、この「12位タイ」という結果は、一つの偉大な記録の終焉を意味していた。昨年3月の「ザ・プレーヤーズ選手権」から続いていた「出場試合連続トップ10入り」が、ついに19試合目(※公式競技は18試合連続)でストップしたのだ。
記録は途絶えた。だが、シェフラーの表情に悲壮感はない。なぜなら、彼を最も苦しめていた最大の課題に、確かな光明が差したからだ。
「木曜日(初日)の絶望的な状況から、よくここまで戦い抜けたと思う。特に週末は、良いパットがたくさん入ってくれたんだ」
【動画】シェフラーの神業のようなバンカーショット【PGAツアー公式X】
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x.comその言葉を裏付けるように、彼のパッティング・スタッツは明確なV字回復を示している。初日は「SG: Putting(パッティングのスコア貢献度)」が「-1.732(62位)」と大ブレーキだったが、2日目にプラスへ転じると、3日目には驚異の「+2.564(フィールド2位)」を記録。さらに最終日も「+2.073(同6位)」と高水準を維持し、週末にかけて劇的に改善した。パッティングの違和感を完全に払拭し、本来のスコアメイクの力を取り戻したのだ。
「結果にこだわりすぎず、自分の感覚を大切にしたい」と語る絶対王者。大記録のプレッシャーから解放され、パッティングの自信を取り戻したシェフラーは、次戦でさらに恐ろしい存在となって帰ってくるはずだ。
頂点を知る男たちの敗戦の弁には、次なる勝利への強烈な伏線が張られている。マキロイとシェフラー、世界トップ2の2026年シーズンはここからさらに熱を帯びていく。

