ハイテクなシミュレーターと熱狂的なギャラリーに囲まれたSoFiセンター。新世代ゴルフリーグ「TGL」の舞台で、アトランタ・ドライブGCがボストン・コモン・ゴルフを5対2で下した。しかし、この夜の最大のハイライトはチームの勝敗ではない。約半年間、過酷なリハビリと「神経の痛み」との闘いを経て、ジャスティン・トーマスが再び競技の場でクラブを力強く振り抜いたという事実だ。腰の手術という、ゴルファーにとって最もデリケートな試練を乗り越えたメジャー覇者。復帰戦となったTGLの打席で、彼が感じた「錆び」と「手応え」、そして次週に控えるPGAツアー復帰への青写真を紐解く。

スピードは「ほぼ通常通り」。マキロイも復帰を祝福

「勝ちは勝ちだよ」。会見の席で、同僚のクリス・ゴッタラップの言葉に被せるように笑ったトーマス。彼が実戦の舞台でアドレナリンを感じながらボールを打つのは、実に5〜6カ月ぶりのことだった。

TGLの会場では、巨大スクリーンにボール初速やデータが克明に映し出される。怪我からの復帰において、最も気になる「スピード」は戻っているのか。

「ほぼ通常に近い状態だね。ここ数週間ボールを打ってきたけれど、以前と同じような感覚の場所にいると感じているよ」

対戦相手としてその姿を見つめていたローリー・マキロイも、長年のライバルの帰還に目を細める。

「彼がまたクラブを振っている姿を見られて最高だよ。彼は過去10年間で最高のプレーヤーの一人だ。手術を乗り越えるのはいつだって辛いことだけど、彼がそれを乗り越え、かなり良い状態に見えることは本当に素晴らしい」

5カ月のブランクと「フェアウェイバンカー」の戸惑い

スピードは戻った。しかし、インドアのシミュレーターから一歩外に出れば、そこには大自然を相手にする過酷なPGAツアーが待っている。トーマスは放送中、3月5日から開幕する「アーノルド・パーマー招待(ベイヒル)」でPGAツアーに正式復帰することを明言した。

最大の課題は、スウィングのメカニクスではなく「試合勘」だという。

画像: 約4カ月ぶりにフェアウェイバンカーからボールを打つジャスティン・トーマス(PHOTO/Getty Images)

約4カ月ぶりにフェアウェイバンカーからボールを打つジャスティン・トーマス(PHOTO/Getty Images)

「今日、フェアウェイバンカーに入った時、『そういえばフェアウェイバンカーから打つなんて、4カ月ぶりくらいだな』って思ったんだ。風、芝、ライ、様々なシナリオ……そういった“小さなこと”の調整が一番の課題になるだろうね」

難コースとして知られるベイヒルでの復帰について、彼は自虐的なユーモアを交えてこう語る。

「もちろん良いプレーをしたいけれど、競技からこれだけ離れていたんだから、いきなり素晴らしい結果が出るとは思っていない。でも、ベイヒルならどうせ他の選手たちもみんな苦戦するからね。それが少しだけ僕の気持ちを楽にしてくれるよ(笑)」

「同じDNA。ただ、より良くなっていることを願うよ」

腰の手術を経て、彼のスウィングは変わったのか。多くのファンが抱くその疑問に対し、トーマスは明確に答えた。

「大きくは変わらない。僕のスウィングのDNAと特徴は、これからも同じだ。ただ、ここ数年で怪我の原因になったかもしれない小さな動きは修正したよ」

彼を苦しめていたのは、単なる筋肉の疲労ではなく「神経の痛み」だったという。「父も背中を痛めているけれど、神経痛まではいっていないんだ。父より先に自分が腰の手術を受けるなんて信じられないよ」と苦笑しつつも、彼はこの経験を前向きに捉えている。

「僕の最大の目標は、怪我なくプレーし続けることだ。今回は不運だったけれど、これが現実。これからは小さなケアを徹底していくよ。僕にはまだ、素晴らしいゴルフができる12年から15年の月日が残されているんだから」

過去を振り返る理由はない、ただ前を見るだけだ、とトーマスは言う。

「The same DNA, hopefully just better.(同じDNA。ただ、より良くなっていることを願うよ)」

自らのスウィングの本質を変えることなく、より強靭な肉体と知識を手に入れたジャスティン・トーマス。次週のベイヒルで、進化した「JTのDNA」がPGAツアーの芝生に刻まれる。

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