PGAツアーの顔であり、ゴルフ界のオピニオンリーダーとしての役割を背負い続けるローリー・マキロイ。「アーノルド・パーマー招待」の開幕前に行われた公式会見で、多くのメディアが聞きたかったのは、大会への意気込みだけでなく、現在ゴルフ界を激しく揺るがしている「LIVゴルファーと欧州ツアーの対立」に対する、マキロイの明確なスタンスだった。数日前、LIVゴルフでプレーするジョン・ラームが、DPワールドツアー(欧州ツアー)からの罰金や出場条件に対して「我々を利用し、恐喝している」と痛烈な批判を展開したばかり。この発言に対し、マキロイは決して逃げることなく、真っ向から反論の矢を放った。
画像: ラームの発言に真っ向から反論したマキロイ(写真は25年BMW選手権、撮影/岩本芳弘)

ラームの発言に真っ向から反論したマキロイ(写真は25年BMW選手権、撮影/岩本芳弘)

ラームへの反論「ライダーカップは一人の選手より大きな存在」

「(LIV選手に対する出場条件は)これ以上ないほど寛大なオファーだと思う」

マキロイの口調は冷静だったが、その言葉には確かな重みがあった。

ラームが不満の種としている「メジャー以外に年間4試合の欧州ツアー出場義務」について、マキロイはこう一蹴する。

「世界中でプレーするプロゴルファーにとって、年間4試合に出場するという条件は決して重い負担ではないはずだ。実際、対象となる9人のうち8人の選手がこのオファーを受け入れたのには、それがフェアであるという明確な理由があるからだ」

そして話題は、この問題の核心である「ライダーカップ」の出場資格へと及んだ。欧州ツアーのメンバー資格を失えば、ライダーカップの代表入りへの道も閉ざされる。 「ライダーカップは、誰か一人の選手よりもはるかに大きな存在なんだ」とマキロイは熱を込める。

「選手は、自分がその偉大な歴史の一部になれるプラットフォームを与えられていることに感謝すべきだ。ツアーの秩序を守りながら、チームのために尽くす。それが我々の果たすべき義務だ」

国と地域を背負う対抗戦の重みを誰よりも知る男は、個人の不満よりも「チームと伝統」を最優先するリーダーとしてのスタンスを鮮明にした。

自滅した親友シェーン・ローリーを救った“2014年の記憶”

厳しい政治的な発言の一方で、マキロイは会見の後半、彼の人柄を物語る心温まるエピソードを披露した。前週の「コグニザントクラシック」の終盤、16番ホールで痛恨の池ポチャを喫し、自滅する形で優勝を逃した親友、シェーン・ローリーについての話だ。

傷心の親友を慰めるため、マキロイは月曜日にS・ローリーを誘って一緒にラウンドに出かけたという。そこで彼が贈ったのは、単なる同情ではなく、説得力に満ちた“魔法の言葉”だった。

「ラウンド中、シェーンにこう言ってやったんだ。『俺も2014年のPGAナショナル(ホンダクラシック)の16番でダボを叩いて、優勝を逃したことがある。あの時は本当に最悪な気分だったよ。でもな、俺はその年、メジャーで2勝したぞ』ってね」

2014年、同じコースの同じホールで悪夢を見たマキロイは、その悔しさをバネに全英オープンと全米プロを制覇する歴史的なシーズンを送った。

「だから、ポジティブな要素だけを切り取って、さっさと前に進めと言ったんだ」

失敗を糧にし、さらなる高みへ昇華させる。トップ選手同士だからこそ通じ合う、最高の励ましの言葉だった。

政治の泥沼を抜け、万全の状態で挑む春

「ツアーの政治の泥沼からは抜け出せて、今は本当に幸せだよ」

かつて理事として矢面に立ち、心身をすり減らした日々を振り返り、マキロイは晴れやかな笑顔を見せた。

政治的な重圧から解放された彼のゴルフは、今、確かな手応えを感じている。

「ここ数週間、ペブルビーチやリビエラでのアイアンショットの指標(ストローク・ゲインド・アプローチ)は劇的に良くなっている。数字がそれを証明しているんだ」

今週のアーノルド・パーマー招待、そして次週の「ザ・プレーヤーズ選手権」、さらには4月の「マスターズ」と、息をつく暇もなく大一番が続く春の陣。心に平穏を取り戻し、ショットのキレを研ぎ澄ませたローリー・マキロイ。万全の状態で、王者がいよいよ本格始動する。

J・ラームは何と言った?


This article is a sponsored article by
''.