
自身のキャリアベストとなる「60」でラウンドし、単独首位スタートしたカルロス・オルティス(提供/LIVゴルフ)
夢の「59」への挑戦と、怒涛のバーディラッシュ
「今日は素晴らしいラウンドだった。スタートこそ少しスローだったが、見事なフィニッシュができたよ」
ラウンド後の会見で、オルティスは興奮冷めやらぬ表情で一日を振り返った。ショットガンスタートにより18番ホールからティーオフした彼にとって、この日の爆発のターニングポイントとなったのはラウンドの折り返し地点だった。前半最後のプレーとなった8番でのボギーの直後、後半の出だしとなる9番で起死回生のパーセーブをもぎ取ると、10番でのバーディを挟み、続く11番ではグリーン外から見事なチップインを沈めた。
「あのチップインで完全にモメンタム(勢い)に乗った。そこからは本当に素晴らしいプレーができた」
【動画】オルティスがゾーンに入った11番チップインバーディは00:15~【LIVゴルフ公式X】
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x.comゾーンに入ったオルティスのアイアンショットは、もはやパターすら必要としないほどの異次元のキレを見せた。
「10番から17番にかけては、4、5回はタップインできるほど近くに寄せたんだ。そんなことは滅多に起きないから、パターを抜く必要すらないのは本当に最高だったよ」
事実、この日のオルティスの総パット数はわずか「22」。彼自身のLIVゴルフにおける1ラウンド最少記録を更新する驚異的な数字が、その言葉を見事に裏付けている。
驚異的な精度でピンを刺し続ける中、彼の脳裏にはゴルフ界における究極のマジックナンバー「59」の二文字がはっきりと浮かんでいた。
「15番のパットを外した時点で、残りをすべてバーディにすれば59のチャンスがあることは分かっていた」
記録を意識しながらプレーする極限の緊迫感。最終的には「60」でのフィニッシュとなったが、「常に(カップに)入れようと思って打っている」と語る強気な姿勢が、この歴史的なロースコアを生み出したのは間違いない。
親友アンサーとの再会が生み出した「メンタルの充実」
この爆発的なスコアの裏には、技術的な好調さだけでなく、精神的な充実が大きく作用している。その最大の要因が、今季からTorque GCに新加入したエイブラハム・アンサー(メキシコ)の存在だ。

今年「Fireballs GC」から「Torque GC」に移籍したエイブラハム・アンサー(提供/LIVゴルフ)
同郷であり、長年の親友でもあるアンサーと同じチームのユニフォームを着て戦えることの喜びを、オルティスは熱く語る。 「エイベ(アンサー)は素晴らしい男で、信じられないほど素晴らしい選手だ。彼が僕たちのチームに来てくれたことは、まさに完璧なフィット感だよ。彼には『おかえり(Welcome home)』と伝えたんだ。本来、こうあるべきだったんだからね」
チーム戦というLIVゴルフ特有のフォーマットにおいて、気心の知れた親友と苦楽を共にできる環境は、選手に計り知れないリラックス効果とモチベーションをもたらす。アンサーの加入によってTorque GCのチーム内の雰囲気は最高潮に達しており、そのポジティブなエネルギーがオルティスの「60」という爆発力としてコース上で結実したのだ。
スウィング改造の成果を胸に頂点へ
歴史的なラウンドを終えたオルティスだが、決して浮かれた様子はない。
「スウィングのハードワークが実を結んできている。今はただ、自分のショットにコミットし、できる限り最高のプレーをすることだけに集中しているんだ」
自己ベストを更新した自信と、親友と共に戦う喜び。心技体がこれ以上ないほど完璧に噛み合っているカルロス・オルティスを止めるのは、容易なことではない。残り3日間、トリッキーな香港ゴルフクラブの罠を掻き潜り、この圧倒的な勢いを維持して香港の頂点に立つことができるか。
