オーストラレイジア(豪州)ツアーとの共同主管で開催されている国内男子ツアー(JGTO)開幕戦「ISPS HANDA Japan-Australasia Championship」。大会はムービングデーとなる3日目を終え、首位には通算13アンダーまでスコアを伸ばしたオーストラリアのライアン・ピークが立っている。地の利を活かして上位を占める海外勢の包囲網の中、日本勢の筆頭として孤軍奮闘を続けているのが、通算10アンダーの4位タイにつける岩﨑亜久竜だ。この日、決して本調子とは言えない状態の中で彼が見せたのは、スコアボードの華やかな数字の裏に隠された、泥臭くも強靭な「耐える力」だった。

ショット不調をカバーする「魔法のパッティング」とリスク管理

画像: パッティングでしのぎ、3打差の4位タイといういい位置で最終日を迎える岩﨑亜久竜(写真/大会提供)

パッティングでしのぎ、3打差の4位タイといういい位置で最終日を迎える岩﨑亜久竜(写真/大会提供)

3日目の岩﨑は、4バーディ・ノーボギーの「68」という素晴らしいスコアでラウンドを終えた。しかし、ホールアウト後の彼の口から出たのは、意外にもショットへの不満だった。

「1日目に良かったショットが、少し落ちてきている感じです。全体的にショットが荒れてきていました」

ピンをデッドに狙うアイアンのキレが影を潜め、なかなか決定的なチャンスを作れない。通常であれば、フラストレーションから強引にピンを狙い、大叩きを招いてしまいがちだ。しかし、今年の岩﨑は一味違う。ショットの不調を、卓越したパッティングとクレバーなリスク管理で完璧にカバーしてみせたのだ。

「あまりバーディチャンスがないなかで、3メートルくらいのパットをしっかり決められました。ボギーを打たずに、流れを悪くせずにラウンドできたのが本当に良かったです」

さらに彼は「あまり長いパーパットを残さなかった」と振り返る。ショットが荒れても、絶対に外してはいけない“デッドゾーン”を徹底して避け、パターで寄せ切れる安全なエリアへとボールを運び続けた。「ミスが変な所に行かなかったので、何とかパターで寄せられそうなところに行ってくれてよかった」という言葉には、彼の成熟したコースマネジメントが凝縮されている。

日に日に硬さを増す「鬼グリーン」と風のジャッジ

舞台となるロイヤル・オークランド&グレンジGCは、決勝ラウンドに入りさらに牙を剥き始めている。特に選手たちを震え上がらせているのが、強烈なアンジュレーション(起伏)を持つグリーンだ。

「グリーンがだんだん硬くなってきています。だからこそ、外したら難しいところは極度に警戒してやっています。傾斜が強いので、ピンポジション次第で本当にコースの表情が変わるんです」

さらに、選手たちを物理的にも精神的にも疲弊させるのが、ニュージーランド特有の重く強い風だ。

「風があると、とにかく考えることが増えるので疲れます(笑)」と本音をこぼす岩﨑。硬いグリーン、シビアなピン位置、そして計算を狂わせる風。これらすべての要素を頭の中で処理し続けるのは、並大抵の精神力ではない。それでも「自分が今できることは、しっかりとできていると思います」と語る彼の瞳には、充実した手応えが宿っていた。

豪州ツアーを打ち破る、逆転優勝へのシナリオ

首位のライアン・ピークとは3打差。十分に射程圏内である。最終日に向けての意気込みを問われると、岩﨑は日本人選手としての強いプライドを覗かせた。

画像: 「日本人として頑張りたい」と明日に向けて気合を入れる岩﨑(写真/大会提供)

「日本人として頑張りたい」と明日に向けて気合を入れる岩﨑(写真/大会提供)

「豪州ツアーの選手たちに負けないように、日本人として頑張りたいです」

アウェーの地であったとしても、海外勢にトロフィーを易々と渡すわけにはいかない。

「誰がスコアを伸ばすか、全然見当がつかないコースです。3打差なのでまだどうなるかわからない。明日はピンポジションと風に注意しながら、しっかりと攻め方を考えて優勝を目指して頑張りたいです」

ショットの不安を抱えながらも、極限のマネジメントで首位の背中に食らいつく岩﨑亜久竜。日本勢の意地を懸けた最終日の大逆転劇に、期待せずにはいられない。

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