スパイダーは「一貫した転がり」と「視覚効果」に優れる

今季「AT&T ペブルビーチ プロアマ」で涙の優勝を飾ったコリン・モリカワ。「スパイダー ツアー X」を愛用
一世を風靡したマレットパターの代名詞は、なぜ今再び世界の頂点でこれほどまでに愛されているのか。テーラーメイドのツアーレップ、ジェームズ・ホーリー(James Holley)さんがその技術的背景とプロたちのこだわりを詳細に明かした。

テーラーメイド ツアーレップのジェームズ・ホーリー(James Holley)さんにスパイダーの人気の理由を聞いた
「テーラーメイド独自の順回転(フォワードロール)を促進するピュアロール インサートを導入して以来、スパイダーのツアーでの評価はとどまることを知りません」とジェームズさんは語る。
彼が言う通り、フェース面のピュアロール インサートは、スパイダーをはじめ、テーラーメイドのパターにおける代表的なテクノロジーだ。このインサートがツアー特有の過酷なセッティング下で戦う選手たちを支えている。

ボールのスキッド(横滑り)を最小限に押さえ、インパクト後すぐに順回転を生み出す「ピュアロール インサート」
「ピュアロール・インサートの恩恵は、ボールの打ち出しと順回転の一貫性にあります。ツアーでは週ごとにグリーンの状態が異なります。ソフトなグリーン、硬いグリーン、速い、あるいは遅い……。そうした異なる条件下でも常に一定の打ち出しと順回転を得られることは、私たちにとって、そして選手にとって非常に大きな強みなのです」
「トゥルーパス アライメントもまた、“ビジュアルテクノロジー”としてプレーヤーにメリットをもたらします」とジェームスさん。

スパイダーシリーズの特長のひとつ、Y字状の白の帯と黒の実線が組み合わさった「トゥルーパス アライメント」
「例えばスコッティ(・シェフラー)がパターをスパイダーにスイッチしたとき、それは彼にとって非常に大きな出来事でした。なぜなら彼はもはやボールに線を引く必要がなくなったからです。トゥルーパス アライメントがあることで、それ自体をガイドにして正確にターゲットへ向けられるようになったのです」
マレットの寛容性に「ブレードの操作感」を封じ込める
スパイダーがプロを惹きつけるもう一つの理由は、マレットの安心感とブレードの操作性を両立させた設計にある。

大きな慣性モーメントと操作性の良さを両立する「スパイダー ツアー X」
「狙い(エイム)、転がり(ロール)、そして高い慣性モーメント(MOI)。ウェイトを周辺に配分することで、ミスに対する極めて高い寛容性を実現しました。特に、現在のフラッグシップモデルであるスパイダー ツアー Xは、マレットらしいサイズ感と寛容さを備えながら、重心(CG)を前方に配置しています。これにより、手に伝わるフィーリングはブレードパターに近いものとなり、いわば『両方の良いとこ取り』ができるのです」
そしてトッププロたちは、自身のストロークの特性に合わせて「ネック」を細かく使い分けている。

大きな慣性モーメントは維持しながらも、操作性の高いスモールスラントネックで戦うマキロイ
「例えばローリー(・マキロイ)は、私たちがスモールスラントと呼ぶネックを使っています。これは『トウハング』(トウの垂れ)が少し大きめのタイプです。一方、スコッティが使用しているのはL(クランク)ネック。こちらはトウハングがやや抑えられ、フェースバランスと大きなトウハングのちょうど中間と言えるバランスの良い仕上がりです」

スパイダーに替えてからの圧倒的な強さは言わずもがなのシェフラー。Lネック(クランクネック)の「スパイダー ツアー X」を愛用

水平な台の上に載せた時に、トウが下がる度合いが「トウハング」。この度合いが小さいほど、ストレート軌道でヘッドを動かすストロークにマッチするとされる
「これらは選手のストロークに完璧にマッチさせています。スコッティはかなりストレートな軌道で打ちますが、一方で操作性も求めている。そのため、このLネックがストローク中のフェース開閉の度合いにマッチしています。対して、ローリーはフェースを開閉させてきれいなドローを描くように打つのを好みます。そのため、スモールスラントによる大きめのトウハングが彼のストロークを助けてくれるのです」

ブレード派だったフリートウッドも「スパイダー ツアー」に替えて世界ランク3位に躍進
また、より高いMOIの「スパイダー ツアー」を使うトミー・フリートウッドについては、「セットアップの際、常に同じ角度でパターを地面に置けることを彼は重視します。そしてその際の構えやすさが彼にとっては非常に重要でした。我々は彼のために、視覚的なラインをいくつか描き加える調整を行っています」と、プロならではのシビアな要求を明かした。
Myスパイダーで「プロと同じ顔」が手に入る
ツアーレップが各選手の好みに合わせてアライメントをカスタマイズする一方で、一般ゴルファーもさまざまなデザインを手にできると言う。

ツアーからの要望でさまざまなアライメントのデザインが施される

ツアーからの要望でさまざまなアライメントのデザインが施される

ツアーからの要望でさまざまなアライメントのデザインが施される

ツアーからの要望でさまざまなアライメントのデザインが施される

ツアーからの要望でさまざまなアライメントのデザインが施される

ツアーからの要望でさまざまなアライメントのデザインが施される
「自分にしっくりくるアライメントにしたい、というアマチュアの方のために、私たちはMy Spider(マイスパイダー)というプログラムを用意しています。これを利用すれば、ツアープレーヤーと同じように、例えば線ではなくドットにしたり、全部をブラックに変更したりすることが可能です」
「現在、世界ランキングの上位勢の多くがスパイダーを使用しています。かつてブレードを使っていた選手たちが次々とスパイダーに替えるのは、ブレードの感覚を維持しながら、より高い寛容性が得られるからです。何より、スコッティ・シェフラーがブレードからスパイダーのマレットに替えて、この約2年間でメジャーやパリ五輪も含め、16勝挙げるという大成功を収めた姿を、誰もが目の当たりにしている。一度試してそのメリットを実感すれば、もう戻ることは難しいでしょう」
アマチュアへのアドバイス
「アマチュアの方が選ぶ際も、まずは自分のストロークの傾向を知ることが大切です」と、ジェームスさんは最後にこう付け加える。
「もしあなたが、スコッティのようにストレートに近い軌道で打ちつつも、自分である程度フェースを操作したいと感じているなら、Lネックが最適です。適度な操作性が、手の感覚を殺さずに安定感をもたらしてくれます」
「一方で、ローリーのようにフェースを開閉させてボールをつかまえたいタイプなら、スモールスラントを選ぶべきです。大きめのトウハングがフェースの自然なターンを助けてくれるでしょう。逆にストレートな軌道でストロークを安定させたいなら、ダブルベントシャフトの用意もあります。プロが結果で証明している通り、スパイダーの真価は『マレットの寛容性』と『自分に合ったネック』が組み合わさった時に発揮されます。ぜひ打ち比べて確かめてみてください」
PHOTO/Getty Images、Takanori Miki
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