LIVゴルフリーグ初のアフリカ開催となり、現地でも大きな熱狂に包まれている「LIVゴルフ・南アフリカ」。その舞台である「The Club at Steyn City」には、世界のトップランカーたちを迎え撃つための、地の利を活かした強烈な罠が仕掛けられている。今大会のホスト役とも言える、地元・南アフリカ出身の選手たちで構成された「Southern Guards GC」。彼らが、実はこのコースセッティングに深く関与していたという驚きの裏話が会見で明かされた。

地の利を活かした“キクユ芝”の罠

南アフリカ出身の選手たちにとって、このコースはまさに地の利を活かせるホーム中のホームである。ブランデン・グレースは「僕らはキクユ芝で育ってきた。でも、他の選手は僕らが知っているようなこの(厄介な)芝を見たことがないはずだ」と語り、地元選手ならではの大きなアドバンテージがあることを強調した。

さらに驚くべきことに、グレースとチームキャプテンのルイ・ウエストハイゼンは大会前にコースへ視察に訪れ、「ラフを深くしてコースをより難しくするように要望した」という事実を明かしたのだ。世界中の選手が集うLIVゴルフにおいて、彼らの圧倒的な飛距離を無力化し、粘り気のあるキクユ芝の深いラフという罠にはめる。南アフリカ特有の芝の恐ろしさを誰よりも知る彼らならではの、周到な戦略である。

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飛ばし屋封じの「17ヤードのフェアウェイ」

この地元チームのしたたかな戦略は、フェアウェイの幅の絞り方にまで及んでいる。ディーン・バーメスターは、コースのレイアウトについてこう語る。

「フェアウェイは、ドライバーが落ちる地点で17ヤード(約15.5メートル)の幅に絞られているんだ。それがルイ(キャプテン)の狙いだった」

彼は続けて、「ルイは57人の出場選手全員に勝つチャンスを与えたかったんだ。(コースを広大なままにして)フィールドの30%の選手を最初から優勝争いから除外するようなことはしたくなかったのさ」と語る。

この言葉が意味するのは、ツアー屈指の飛ばし屋たちだけが力でねじ伏せるアドバンテージを消し去り、質の高いショットを打つ者だけが報われる、真の力比べの舞台にするための対策であったということだ。ただ飛ばすだけでは、左右のキクユ芝の深いラフの餌食になるよう計算されている。

しかし、この緻密な戦略には思わぬ落とし穴もあった。チームメイトのシャール・シュワーツェルは、隣に座るバーメスター(ツアー有数の飛ばし屋)を見ながら笑って自虐的なエピソードを披露した。

画像: 左からシャール・シュワーツェル、ディーン・バーメスター、ルイ・ウエストハイゼン、ブランデン・グレース(提供/LIVゴルフ)

左からシャール・シュワーツェル、ディーン・バーメスター、ルイ・ウエストハイゼン、ブランデン・グレース(提供/LIVゴルフ)

「ブライソン(・デシャンボー)を止めようとして対策を練ったら、自分たちの(飛ばし屋である)バーメスターの首も絞めることになったんだ。これはジレンマだよ(笑)」

敵を苦しめるための罠は、同時に味方の飛ばし屋にとっても大きな試練となってしまったのだ。

アデレードを超える熱狂へ。9万人の「5人目のメンバー」

コースの罠に加え、彼らにはもう一つの巨大な武器がある。会見では、今大会の盛り上がりについても言及された。これまでLIVゴルフにおいて、チームと地元ファンの熱狂的な一体感といえば、Ripper GCのホーム、オーストラリアで開催された「LIVゴルフ・アデレード」が最高峰とされてきた。

シュワーツェルが「アデレードでLIVイベントの頂点を味わってきたが、今週の南アフリカのセッティングも本当に素晴らしい」と語るように、初開催となる今大会にはすでに9万枚以上のチケットが売れているという。

バーメスターは「アデレードの“パーティーホール”はキャディの声も聞こえないほどだったが、ここでも同じような雰囲気を期待している。少し騒がしいくらいの観客が後押ししてくれるはずだ」と、大観衆の熱狂を「チームの5人目のプレーヤー」としてアドバンテージに変える覚悟を見せた。

地の利と大声援を背に、地元チームの戴冠なるか

世界のトップランカーたちを苦しめ、地の利を最大限に活かすために、地元チームがコースセッティングにまで口を出し、周到な罠を仕掛けた「LIVゴルフ・南アフリカ」。キクユ芝の深いラフと極端に絞られたフェアウェイ、そして9万人の大声援を舞台に、地の利と高度な戦略が入り交じる。南アフリカ勢が思惑通りにアドバンテージを活かして勝利を掴むのか、それともデシャンボーやラームがその罠すらも力でねじ伏せるのか。今大会ならではの、非常に興味深い見どころである。


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