ファンのスマホで自撮り&現地スラング習得
初日、地元南アフリカのスターであるルイ・ウエストハイゼンと同組でプレーした彼は、スタートホールから地鳴りのような歓声に包まれた。「ファンのチャントを聞いて、本当に活力が湧いてきた。これこそがLIVゴルフの真髄であり、ポテンシャルなんだ」と大絶賛。あまりの熱狂に「応援のおかげで気分が高揚しすぎちゃうから、キャディのG-Boに『落ち着いて前に進み続けろ』って宥められたくらいさ」と笑って振り返る。
さらに18番ホールでは、群がるファンの一人からスマートフォンを半ば奪い取るように受け取ると、歩きながら一緒に自撮り動画を撮影するという最高のエンターテイナーぶりを発揮。「南部の訛りなら分かるけど、アフリカーンス語はチンプンカンプンさ。でも、ルイから『レクカァ(Lekker:最高、いいね)』って言葉を教わったよ。『バモス』みたいな意味だね」と、現地の言葉まで習得してご機嫌な笑顔を見せた。
ファンとの交流がデシャンボーの「疲労回復ルーティン」
激しいラウンドを終えた後、これほど熱い男はどうやって心身をリラックスさせているのだろうか。その回復ルーティンを聞かれると、実に彼らしい答えが返ってきた。
「まずはサイン会をするんだ。ファンの喜ぶ顔を見るとエネルギーが湧いてくる。そのあと30分だけ練習する」

ファンサービスが疲労回復手段と話すブライソン・デシャンボー(提供/LIVゴルフ)
ここまではプロアスリートらしいが、その後の過ごし方は意外なほど等身大でマイペースだ。
「ここのスパは信じられないくらい素晴らしいんだ。塩の浴槽やマグネシウムの浴槽に入って極限までリラックスして、治療を受ける。そして夜は『パイレーツ・オブ・カリビアン』でも見るよ。昨晩も見て楽しかったからね」
2022年、「自分を偽るか、自分らしく生きるか」で悩んでいた時、俳優のクリス・プラットから「演技をして役を演じるか、自分らしくいるか、選択肢は2つだ」と助言されて以来、ありのままの自分を表現し続けているというデシャンボー。
「今でもクラブを投げたり悪い言葉を言いたくなったりする。でも成長するにつれてそれは減っていくし、自分らしくいることで自分の居場所が見つかるんだ」
熱狂を支配するパワーの裏にある、我が道を行く等身大の素顔。飾らないその人間性こそが、彼の最大の魅力なのだ。
