ネバダ州ラスベガスのシャドークリークで行われている「アラムコ選手権」。強風と硬く締まったグリーンが選手たちを極限まで追い詰める過酷なサバイバル戦となっている。この日、アンダーパーでラウンドした人数が2日目の11人を下回る8人となった第3ラウンドを終え、トップ10に日本勢4人が名を連ねている。

原英莉花の劇的復活。第2ラウンドの沈黙から一転「69」の猛チャージ

首位と4打差の通算3アンダー・3位タイに山下美夢有がピタリとつけ、逆転優勝の圏内をキープ。さらに、通算2オーバーの単独8位に畑岡奈紗、通算3オーバーの9位タイに原英莉花と岩井明愛が続いている。世界トップクラスのフィールドで躍動する日本人選手の層の厚さが、この超難関コースで見事に証明されている。

中でもこの日、ひときわ強烈な輝きを放ったのが原英莉花だ。強風に翻弄された第2ラウンドでは「78」と大きく崩れ、順位を落としていた。しかし、第3ラウンドでは見事なバウンスバックを見せ、この日のフィールドベストスコアに迫る「69」をマーク。一気にトップ10へとジャンプアップを果たした。

荒れ狂うシャドークリークで、なぜ彼女はたった1日でこれほど劇的にスコアを改善できたのか? その理由は、彼女が残した「スタッツ(データ)」を紐解くことで論理的に浮かび上がってくる。

データが証明するアイアンのキレとマネジメント力

画像: ラフからでもパーオンできるショット力を武器に急浮上した原英莉花(写真は25年伊藤園レディス、撮影/大澤進二)

ラフからでもパーオンできるショット力を武器に急浮上した原英莉花(写真は25年伊藤園レディス、撮影/大澤進二)

スコアメイクの最大の要因は、「パーオン率(GIR:規定打数でグリーンに乗せる確率)」の劇的な向上にある。第2ラウンドのパーオン率は50.0%(9/18)だったが、第3ラウンドではなんと77.8%(14/18)まで跳ね上がっている。

ここでさらに興味深いデータがある。フェアウェイキープ率自体は、第2ラウンドの71.4%(10/14)から、第3ラウンドは50.0%(7/14)に落ちている。つまり、ティーショットをラフに外す回数が増えたにもかかわらず、そこからグリーンを正確に捉える回数が劇的に増えているのだ。

他の選手がフェアウェイからでも「ボールを止めるのが難しい」と悲鳴を上げるシャドークリークの高速グリーンに対して、ラフからでもしっかりとスピンをコントロールし、風を読み切ってピンに絡める。原のアイアンショットのキレがいかに異次元のレベルにあったかが、このスタッツから如実に読み取れる。さらに、乗せたあとのパット数も「28」にまとめており、ショットとパットの噛み合わせが完璧に近かったことがわかる。

いよいよ迎える最終日。首位を猛追する山下美夢有の安定感はもちろん、驚異の爆発力を見せた原英莉花をはじめとする日本勢が、シャドークリークで大逆転のドラマを起こす準備は整った。眠れない月曜の朝がやってくる。

日本勢の順位(第3ラウンド終了時)

・3位タイ(3アンダー):山下美夢有
・8位(2オーバー):畑岡奈紗
・9位タイ(3オーバー):原英莉花、岩井明愛
・33位タイ(7オーバー):岩井千怜
・63位タイ(12オーバー):古江彩佳


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