
22年チャンピオンの堀川未来夢と今大会のコースセッティングアドバイザー桑原克典(撮影/姉崎正)
「マスターズのような大会にしたい」

左から、PGA副会長・田中泰二郎、同会長・明神正嗣、センコーグループHD代表取締役社長福⽥泰久氏、コースセッティングアドバイザーの桑原克典
発表会にはPGAの明神正嗣会長、センコーグループHD福⽥泰久代表取締役社長、田中泰二郎PGA副会長、そしてコースセッティングアドバイザーの桑原克典らが出席。福田社長が「マスターズのような大会にしたい」と意気込みを語れば、桑原は「蒲生GCにある27ホールのうち、9ホールずつ3つのコースを使い分けることで毎年違った面白さを提供できる」と、この新方式の狙いを明かした。
さらに、2022年大会覇者である堀川未来夢も登壇。堀川は、3年連続で同じコースを回ることについて、コースを熟知することでマネジメントを毎年アップデートできるとその意義を語った。
「小さく硬いグリーン」の罠
新たな舞台となる蒲生GCは比良、伊吹、鈴鹿の3コースあり、26年は比良コースをアウト、伊吹コースをインとして、6991ヤード、パー72で行われる。今大会のコースセッティングについて大会に出場する堀川と選手の技術を引き出すアドバイザーの桑原が、ゴルファーにとって興味深いコースの攻め方とセッティングの裏側を明かした。
堀川が事前の練習ラウンドで感じた最大の特徴は、グリーンの小ささと強い傾斜である。「シンプルな大きな傾斜があり、ベースの傾斜が結構強い。これに速さと硬さが加わったら、ピンポジションをどこに切るのか楽しみ」と期待を寄せる。
桑原も、この小さなグリーンをいかに仕上げるかが鍵だと語る。「少し距離が短いので、グリーンのコンパクション(硬さ)を出すことによって難易度を上げようという魂胆が大会側としてはある」と明かし、「6991ヤード、パー72」のフィールドのなかで、より「エキサイティングなコース」に仕上げることを示唆した。
また、ラフの長さは、グリーン周りで100ミリ(10センチ)、250~260YのIPの先は80ミリほどに想定している。グリーンの難しさに加えて、2打目地点やグリーンを外したときのラフの長さがタフになる。そこで、記者からこんな質問が……。
プロは40Yより100Yのほうが寄せやすい?
「SWの距離でラフから打つのといい勝負になるのは、フェアウェイから何番ぐらい?」
堀川: (長いラフで)ボールが沈むくらいの120ヤードのラフよりは、170ヤード(7Iぐらい)や190ヤードのフェアウェイのほうがいいですね。
桑原: このコース(今大会)はレイアップしても今の選手は7番アイアンより短いクラブで打つことになると思います。ティーショットをドカンと飛ばした場合、SWぐらいで打つラフからショットの対8番以下の短い番手のフェアウェイからのショットとの勝負ですね。ピンポジションが手前になった場合は、とくにですね。
堀川: 逆にティーショットでグリーン近くの40ヤード、50ヤード、60ヤードの距離に行くんだったら、(難しさは)100ヤードと同等だと思います。これくらいグリーンが小さいと40ヤード、50ヤード、60ヤードではファーストバウンドでポーンとボールが前に行くんで難しいんです。(ラフではなく)フェアウェイからです。
桑原: フェアウェイからであっても40ヤードより100ヤードで止められるほうがいいということですね。
堀川: ピタッと止められる距離で打ちたいですから。何番アイアンでこのグリーン面をとらえようかとか、ティーグラウンドでピンポジションを見て、桑原さんはどうしたいんだろうなと考えながら、その落とし穴にハマらないようにするのがいいかと思います。
「40ヤードのフェアウェイから打つより、100ヤードのフェアウェイから打つほうがボールを止めやすい」という、プロならではの技術の奥深さについても語られた
飛ばし屋が有利?
コース全体の飛距離が短いからといって、ツアー屈指の飛ばし屋たちが有利だとは限らない。桑原は「若手選手がアグレッシブに攻めて、ラフからグリーンに止めるというのはおそらくセッティング的にかなり難しくなる」と、堀川も同じ意見。
自身の平均飛距離が昨年274.49ヤードでツアー全体でも飛ばないほうという堀川(91位)も、「積極的にピンにガンガン行ってはミスにつながる。自分のメンタルを平常に保ちながら、淡々と自分のプランを達成していく方がいいスコアにつながる」と分析する。
日本プロゴルフ選手権の「同一コース3年連続開催」という新たな試み。蒲生GCの小さく硬いグリーンとラフが長い難セッティングを舞台に、選手たちがどのようなマネジメントで戦うか。緻密なコースセッティングの裏側を知ることで、「選手vsコース」の観戦は興味深いものになりそうだ。

