水田竜昇:地元ギャラリーの前で魅せる「ピンチを作らない抜群の安定感」

初日と比べ10倍に膨れ上がったギャラリーの声援に応える水田竜昇(撮影/姉崎正)
単独首位の水田を支えているのは、飛距離とショットの安定感だ。ドライビングディスタンスは298.54ヤードで全体10位と、ツアーでも上位の飛距離を記録している。さらに特筆すべきは、パーオン率69.445%(全体9位)の高さである。
フェアウェイキープ率は50.000%(85位)と決して高くはないが、ラフからでもしっかりとグリーンを捉え、パーを拾い続ける力がある。第2ラウンドについて本人が「今日は風との勝負だなと思っていて、その中でも落ち着いてライン出しで行けた。ピンチも一つもなくて、タップインパー、タップインバーディという感じでリズムよく行けた」と語る通り、ボギーを叩かない堅実なマネジメントが光る。
唯一のボギーとなった3番は「メモではフォローだったのにグリーン上だけアゲンストでショートしてしまった。風を読み間違えて手前のバンカーに入れた唯一のショットミス」だったと振り返る。一方で「パー4がシビアになってくると思い、パー5で絶対獲ろうと心がけた」と、4番、12番、17番のパー5できっちりバーディを奪うクレバーな作戦が見事にハマった。 「推薦をもらい、まさかこの位置にいるとは自分でも思わなかった。地元のギャラリーが10倍ぐらい来ちゃって、こけたらやばいなと思ったけど、いいプレーを見せられてよかった」と笑う水田。「この2日間ピンチもなく回れたので、明日も気張らずに同じリズムで回りたい」と、地元での大番狂わせを狙って最終日を全力で楽しむつもりだ。
中野麟太朗:体調不良がもたらした「俯瞰の目」と圧倒的なショット精度

体調不良を逆手に取り、気持ちの切り替えで上位進出した中野麟太朗(撮影/姉崎正)
単独2位で追うルーキーの中野は、驚異的なショットの精度でスコアを作っている。パーオン率は堂々の全体1位となる75.000%をマーク。さらに、フェアウェイキープ率も67.857%(18位)とティーショットも安定しており、次々とバーディチャンスを演出している。
また、ショットだけでなくグリーン上での勝負強さも光る。平均パット数は1.6296で全体4位。実はこの第2ラウンド、前日、中止になったにも関わらず、コースにある屋根付き練習場で雨の中練習をしすぎたせいで喉を痛め、頭痛やダルさを抱えながらのプレーだった。しかし「今日は体調悪いからボギー打ってもしょうがねぇなと思いながらプレーしていたら、パットがたくさん入った」と、予期せぬ“脱力”が好スコアを生み出した。特に大きかったと語るのが14番パー4。「カラーからボギーだなというところで、8メートルくらいの真っすぐのラインが入って『助かったな』と安堵できた。そこからショットもチャンスにつけて決められる流れを作れた」と見事なリカバリーを見せた。
12番(パー5)では「左下がりのライから、左に引っ掛けることはないだろうと思って打ったら思い切り巻いてしまった」と池に入れてボギーを叩く不運もあったが、「落ち込むこともなく、体調が悪いからだなと切り替えられた」と振り返る。アマチュア時代にこのコースで「61」をマークした時の“怖いもの知らず”とは違い、「今日はそんなにうまくいかないよな、とちょっと俯瞰した立場でプレーしていた」という中野。「この立ち直り力はなんかいいですね」と自身でも手応えを感じつつ、「明日は優勝してやるぞというよりは、自分のしてきた準備を出していく」と、静かに最終日を見据える。
M・ヘンドリー:トリッキーな風に耐え抜いたベテランの意地

15年東建ホームメイトカップ覇者であるマイケル・ヘンドリーは虎視眈々と逆転を狙う(撮影/姉崎正)
若手2人に待ったをかけるのが、百戦錬磨のベテラン、マイケル・ヘンドリーだ。第2ラウンドは強風の中で「72」とスコアを落としたものの、通算6アンダーで3位タイに踏みとどまった。
「今日はラフ(厳しい)でした。風が色んな所から吹いていてトリッキーな1日でしたね。数ホール悪いスコアもありましたけど、そこそこスコアをまとめることが出来たと思います」と冷静に振り返る。 悪天候により54ホールに短縮された影響もあってか「できれば72ホールやりたかったですけど、ゴルファーにとってはこういう時もあります」と語り、「明日頑張ればチャンスがある。パットをたくさん決めてベストを尽くして頑張っていきたい」と、最終組での逆転に向けて静かに牙を研いでいる。
最終組は9時40分にティーオフ予定

左から中野麟太朗、水田竜昇、マイケル・ヘンドリー(撮影/姉崎正)
水田の「飛ばして凌ぎ、パー5で獲る力強いゴルフ」と、中野の「高次元でまとまったショットと、脱力から生まれたパット」。アプローチは対照的だが、両者ともに自身の持ち味を最大限に発揮していることがスタッツとコメントから明確に読み取れる。百戦錬磨のベテラン、ヘンドリーを相手に、勢いに乗る若手二人がどのような最終日を見せるのか、目が離せない展開となりそうだ。
