
ツアー2勝目を飾った台湾のウー・チャイェン(撮影/大澤進二)
攻めの姿勢を引き出した「長尺パター」と「キャディの存在」
3打差のリードを持って迎えた18番グリーン。1.5メートルのパーパットこそ外したが、返しのボギーパットを確実に沈めた。優勝が決まった瞬間、歩み寄るキャディに対し、長尺パターを握った両手を高々と挙げ、万歳ポーズで喜びを爆発させた。
「ダボでもいいと思ってグリーンに上がりました」と語ったウーだが、そこに至るまでは苦しい展開が続いていた。
前半、5番(パー4)で2メートルのパーパットを外してボギーが先行。8番(パー4)で1メートルにつけてバーディを取り返したものの、続く9番(パー4)で25メートルから3パットを喫し、痛恨のボギー。前半を「37」の1オーバーとし、猛追する岡山絵里に一時は首位の座を明け渡した。
しかし、後半に入ると一転して猛チャージをかける。
11番(パー4)で1メートルのバーディパットを沈めると、12番(パー5)では3打目を102ヤードから48度で打ち、5メートルを沈めて連続バーディ。岩井明愛や佐久間朱莉ら実力者が1打差まで詰め寄る中、16番(パー3)で4メートル、さらに17番(パー5)でも10メートルの長いバーディパットをねじ込み、後続を突き放した。
「前半はグリーンが難しかったが、パッティングはリズムよく、焦らずに1打1打集中できてよかった。後半も緊張しました。ラウンド中も自分を信じてプレーできたので良かったなと思います」

バックナインでは4バーディノーボギーとスコアを戻して、通算10アンダーでツアー2勝目を飾った
練習中やラウンド中、ウーはキャディのルー・ユンピンさんと頻繁に言葉を交わし、笑顔を見せていた。解説陣からも「リラックスしている」と評されるほどの落ち着きが、混戦のプレッシャーを撥ね退ける鍵となった。
日本語の上達も、プレーに好影響を与えている。
「キャディさんや他の選手たちと話せるようになったのが、とてもいいです」
また、開幕戦後に投入した長尺パターも大きな武器となった。
「コーチが使っているのを薦められて試したら、いい感じでした。ヘッドも少し大きめのものに変えています」
開幕から予選落ちが続いていたタイミングでの決断だったが、「長尺に変えたことでストロークのリズムが良くなった」と、その効果を証明してみせた。
通算2勝目。謙虚な姿勢でメジャーへ挑む

ウーは2022年にプロテスト合格後、ルーキーとして挑んだステップ・アップ・ツアーでは3勝を挙げ、昨シーズンはレギュラーツアーでトップ10に11回入るなど活躍。今回の優勝でメルセデス・ランキングは12位となった。
「(今年の目標は)ランキングで10位ぐらいに入ることです。昨年はメジャーがよくなかったので、いい成績出せるように頑張ります」
年間女王はゴルフ人生の目標のひとつだと話したウー。優勝を重ね、メジャーを制し、人生の目標という「年間女王」への道を歩んでいく。

