男子ゴルフの今季国内ツアー第2戦で国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」最終日が12日、三重県桑名市の東建多度CC名古屋(7090ヤード、パー71)で行われ、26歳の石坂友宏が通算9アンダーでトップに並んだ稲森佑貴とのプレーオフを2ホール目で制し、2019年のプロ転向から7シーズン目で初優勝を果たした。正規のラウンドは2打差から出て4バーディ、1ボギーの「68」で回った。2日目の悪天候中止で54ホールの短縮競技となったが、今季から導入されたランキングの対象となるポイントは減算されず500ポイントを獲得した。稲森が2位。マイケル・ヘンドリー(ニュージーランド)が通算8アンダーで3位に食い込んだ。
画像: ツアー初優勝を飾った石坂友宏(撮影/姉崎正)

ツアー初優勝を飾った石坂友宏(撮影/姉崎正)

稲森佑貴とのプレーオフを2ホール目で制す

画像: 稲森佑貴とのプレーオフを2ホール目で制す(撮影/姉崎正)

稲森佑貴とのプレーオフを2ホール目で制す(撮影/姉崎正)

18番パー4を使ったプレーオフの2ホール目。石坂が新妻・星空(せいあ)さんの目の前で80センチのウィニングパットを沈めた。直前で稲森が1.5メートルのパーパットを外し、決めれば優勝が決定する大事な1打。決め切って悲願の初優勝を成し遂げた瞬間、こみ上げる熱い涙を太い腕でぬぐった。周囲の計らいでゆっくり近づいてきた星空さんをグリーンサイドで抱き締め、2人で喜びを分かち合った。

優勝インタビューではさわやかな笑みをたたえながら話した。

「やっと勝てたという気持もありましたし、そこまで自分自身が苦労したということはないんですけど、今は素直にうれしいです。今日優勝で、自分としてはちょっと遅かったのかという気持もありますけど」

この日は首位に2打差でスタート。4番パー5で2メートルを入れてバーディが先行。いい流れに乗ると6番パー3もティーショットを2メートルにつけてスコアを伸ばした。

折り返し後は10番でボギーをたたいたが、11番で取り返し、16番パー3は3メートルを決めてパーで耐え抜いた。そして迎えた17番パー5。左手前から17ヤードの3打目アプローチを1メートルに寄せてバーディを奪い、先に通算9アンダーでホールアウトしていた稲森に追いついた。

「プレーオフはやってやろうという気持でした。2日目は中止になって残念でしたが、やるべきことをしっかりやった3日間だったと思います」

26歳、プロ転向7シーズン目の初優勝

画像: 2019年プロ転向から7シーズン目の初優勝(撮影/姉崎正)

2019年プロ転向から7シーズン目の初優勝(撮影/姉崎正)

神奈川県横須賀市出身で10歳のときにゴルフを始めた。アマチュア時代は関東アマ優勝、日本オープンローアマなど数々の勲章を手にし、2019年にプロ転向したが、初優勝は遠かった。2020年の「ダンロップフェニックス」では金谷巧実とのプレーオフに持ち込みながら2位。初めて単独首位で最終日を迎えた2025年「ジャパンプレーヤーズ選手権」も4位に終わっていた。この日のプレーオフ勝利は金谷に敗れて以来6年ぶりの雪辱だった。

「(2020年のプレーオフで)勝てたかもしれないけど、勝てなくてよかったという声もいただいた。今回はたくさんのギャラリーの方が残っていただいていたので、後押ししてくれました」

画像: マネジャー兼キャディの星空さんに支えられた(撮影/姉崎正)

マネジャー兼キャディの星空さんに支えられた(撮影/姉崎正)

新妻が力をくれた。今年の元旦に1年半の交際を経て、マネジャー兼キャディの星空さんと入籍した。アスリートフードマスターの資格を持つ星空さんの手料理は何でもおいしいそうで、何よりの活力源。おまけに「稼がないと食べさせないよ」という愛のムチも入り、それで気合が入るという。

「予選落ちしたらごはん食べさせないよとか言われたりしますけど、自分を応援してくれる一番の理解者です」

昨年93歳で他界した恩師に捧げる初優勝でもあった。10歳のときに地元神奈川県横須賀市内の練習場で出会い、以後ゴルフの手ほどきをしてくれたのが、鈴木隆さんというアマチュアゴルファーだった。

「僕には教えていただくプロがいなくて、僕が勝手に師匠といっているのが鈴木さん。去年の日本オープンのときに亡くなってしまい、すごくショックで。その方がいなかったらゴルフはやっていなかったかもしれないし、その方がいたから今の自分があると思っています。優勝を報告しに行きたいです」

この初優勝でプロゴルファーとしてひとつの殻を破った。

「もっともっと強い選手になりたいです。そして男子ゴルフ界を盛り上げていけるように頑張ります」

26歳の若武者が男子ゴルフの救世主に堂々と名乗りを上げた。


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