今年から熱戦の舞台はヒューストンへ!

3月26日~29日にPGAツアー「テキサスチルドレンズ・ヒューストンオープン」が行われたテキサス州のメモリアルパークGC。1カ月で2度のトーナメントの舞台となる
1972年にコルゲート・ダイナ・ショア・ウィナーズサークルとして発足したシェブロン選手権。1983年からメジャーに昇格し、ナビスコ・ダイナ・ショア、ナビスコ選手権、クラフト・ナビスコ選手権、ANAインスピレーションと名を変え、2022年から現在の大会名になっている。
創設から2022年までは一貫してカリフォルニア州のミッションヒルズCCで行われていたが、世界的石油企業・シェブロンがスポンサーになったことに伴い、2023年からはシェブロンゆかりの地であるテキサス州のザ・クラブatカールトンウッズに舞台を移した。
そして今年からシェブロン新本社とヒューストン中心部により近く、約1カ月前にPGAツアー「テキサスチルドレンズ・ヒューストンオープン」を開催しているメモリアルパークGCが会場となる。
メモリアルパークGCは1918年に9ホールで開場したコースにルーツを持ち、1936年から18ホールで運営されている市営のパブリックコースで、1947年から1963年までの間に14回、PGAツアー「ヒューストンオープン」を開催した。
2019年のアメリカのコース設計家、トム・ドークによる大規模改修を経て、2020年から約60年ぶりに復活を遂げた。コース改修にはブルックス・ケプカも深く関わり、このコースの最優先事項は「パーを守ることではなく、劇的な逆転の機会を提供し、ゴルファーとファンの両方に興奮を与えること」だという。

ナビスコ・ダイナ・ショアの時代から優勝者が18番グリーン横の池に飛び込むことが慣例になっており、昨シーズン優勝した西郷も池に飛び込んだ
メジャー第1回となった1983年大会で優勝したエイミー・オルコットが88年に大会2勝目を挙げると喜びのあまり18番グリーン脇の池(ポピーズ・ポンド)に飛び込んだことが始まりで、優勝者が池に飛び込みバスローブ姿での撮影が恒例になっているが、テキサスに舞台を移してもそれは続いていた。
だが、今年の会場であるメモリアルパークGCの18番には池がない。そこで今大会終了後、トム・ドークが18番グリーン右サイドに池を造る改修に着手し、来年の大会に間に合わせるという。今回は仮設プールで代用される。
史上2人目の連覇へ。西郷真央、新たな「武器」を手に挑む

史上2人目の連覇を狙う西郷真央
昨年のシェブロン選手権は大会史上最多となる5人のプレーオフにもつれ込んだ。最終日を最終組で首位タイからスタートした西郷真央。
硬いグリーンと強い風が吹き荒れる厳しい条件下で各選手スコアが伸ばせないなか、トップを1打差で追う西郷が、最終18番パー5で2オンを狙うもグリーン奥へ。だが2.5メートルのバーディパットを沈め、キム・ヒョージュ、イン・ルオニン、アリヤ・ジュタヌガーン、リンディ・ダンカンと並び、5人のプレーオフに持ち込んだ。
西郷のティーショットはフェアウェイをとらえ、2オンを狙うと正規の18番と同じように奥のラフにこぼれた。そして3打目のアプローチも似たようなライから、さっきより近い1メートルに寄せる。だが、ライバルたちも、ルオニンが4メートルのイーグルチャンス、ヒョージュが4メートル、ジュタヌガーンが2メートルのバーディパットを残しており、勝負は次のホールへ持ち越しかと思われた。
ところが、ルオニンが痛恨の3パットでパー。ヒョージュはバーディパットを決められず、ジュタヌガーンのパットもカップに蹴られた。それに対して西郷はしっかりと真ん中から沈め優勝を決めた。
「メジャーで優勝することが私の夢でした。この大会で優勝するのは初めてですが、夢を実現することができて本当に嬉しいです」と西郷。ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した2024年は、何度も優勝争いに加わりながら未勝利。ようやく手にしたLPGA初優勝をメジャーで飾った。
日本勢では1977年全米女子プロの樋口久子、2019年AIG女子オープン、渋野日向子、2021年、2024年全米女子オープンの笹生優花、2024年アムンディ・エビアン選手権の古江彩佳に次ぐ、5人目のメジャー制覇となった。この勝利により、5大メジャーすべてで日本勢が優勝を果たした。

この大会を連覇しているのは2001年、2002年のアニカ・ソレンスタムただひとり
過去43年の歴史のなかでシェブロン選手権を連覇しているのは2001年、2002年のアニカ・ソレンスタムただひとり。
西郷真央には史上2人目の連覇の偉業が懸かる。
連覇へ向けて西郷真央が今シーズン、ボールを替えた!

ボールを変えた西郷真央
西郷は2023年からクラブ契約フリーとなり、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した2024年からタイトリスト「GT3」ドライバーと「GT2」フェアウェイ、そしてボーケイウェッジを使っていたが、今シーズンからボールをタイトリスト「プロV1x 」に替えたのだ。

18番パー5で行われたプレーオフ。ティーショットを打ち終え歩きだす西郷ら

約1メートルのウィニングパットをきっちり沈めLPGA初優勝をメジャーで飾った

約1メートルのウィニングパットをきっちり沈めLPGA初優勝をメジャーで飾った
「タイトリスト製品に最初に触れたのはウッドとウェッジだったのですが、そのフィーリングの良さから、より良いパフォーマンスを求めてボールにも興味を持ちました。『プロV1x』にスイッチした結果、スピン量や打ち出し角、落下角などのデータのバランスがパーフェクトになりました。
弾道も打音も、すべてが私の理想とするイメージと重なったんです。パッティングでも打ち出されるボールのスピード、転がりが自分のイメージと完全にマッチしています」(西郷)。
アマチュアのときに元々タイトリストのボールを使っていたという西郷。新たな武器を手にシェブロン選手権で連覇に挑む!
PHOTO/Shizuka Minami、小社写真部、LPGA、Getty Images

