スウィング動画をAIによる3D解析技術でデータ化することができる、コーチ専用のゴルフスウィング解析アプリ「スポーツボックスAI」。このアプリを活用しているゴルフコーチ・北野達郎に、「マスターズ」で見事に連覇を成し遂げたローリー・マキロイのアイアンスウィングを解説してもらった。

こんにちは。SPORTSBOX AI 日本アンバサダーの北野達郎です。今回はゴルフの祭典「マスターズ」で、ジャック・ニクラス、ニック・ファルド、タイガー・ウッズに続く史上4人目の連覇を成し遂げたローリー・マキロイ(以下、マキロイ)の後方からのアイアンスウィングをスポーツボックスAIのデータと共に解説させて頂きます。

今回はマキロイのアイアンスウィングの特徴の中で、 「右足ベタ足のインパクトで、骨盤の位置が変わらない」点に注目して、2001年~2002年に連覇を達成しているタイガー・ウッズ(以下、タイガー)やアマチュアとの比較もあわせて解説します。

画像: 史上4人目となる大会連覇を達成したローリー・マキロイ(写真は2025年マスターズ・撮影/岩本芳弘)

史上4人目となる大会連覇を達成したローリー・マキロイ(写真は2025年マスターズ・撮影/岩本芳弘)

右足ベタ足のインパクトで、骨盤の位置が変わらないのはタイガーとの共通点

まずはマキロイとタイガーのインパクトを比較してみましょう(タイガーのスウィングは2000年代前半の全盛期のスウィングです)。

両者に共通しているのは「右足かかとが浮かずにベタ足でインパクトしている」点です。右足かかとが浮かずにインパクトすることで、骨盤の位置が変わりにくくなります。

「Pelvis Thrust」(以下、骨盤の前後の位置)は、骨盤がアドレスの位置から前後にどれだけ移動したか?の距離を表します(マイナスは背中側へ、プラスはボール側へ。アドレスの位置を0とします)が、インパクトでの骨盤の位置を比較すると、マキロイがマイナス0.1cm、タイガーがマイナス1.2cmで、両者とも骨盤の位置がほとんど変わらないのがわかります。

画像: 画像①マキロイ(左)とタイガー(右)の比較/「右足ベタ足」は両者に共通しており、どちらも骨盤の位置がほとんど変わらない

画像①マキロイ(左)とタイガー(右)の比較/「右足ベタ足」は両者に共通しており、どちらも骨盤の位置がほとんど変わらない

スポーツボックスAIが独自で調査した、インパクトでの骨盤の前後の位置の海外男子ツアーレンジは、マイナス2.3cm〜プラス4.3cmですので、両者とも骨盤の位置の変化が少ないタイプであることがわかります。骨盤の位置の変化が少なくなると、それだけ打点のズレも減り、インパクトの再現性が高まる効果があります。

なぜ、骨盤が前に出ると良くないのか?

続いて、アマチュアとマキロイを3Dアバターで比較してみましょう。 画像左のアマチュアはインパクトで右足かかとが浮いて、骨盤の前後の位置はプラス9.2cmと、画像右のマキロイに比べて骨盤の位置の変化が大きいことがわかります。

それでは、「なぜ骨盤が前に出ると良くないのか? 」を解説します。1番の理由は、「骨盤が前に出ることで手元が浮き上がり、インパクトでのライ角の変化が大きくなる」からです。

「Shaft Angle DTL」(以下、シャフト角度)は、インパクトでの後方からのシャフトの角度を表します(地面と平行が0度、地面と垂直を90度とします)。

画像左のアマチュアのシャフト角度は59度に対して、画像右のマキロイは56度で、アマチュアに比べてマキロイは手元の位置が低く、シャフト角度もよりフラットであることがわかります。

画像: 画像②アマチュア(左)とマキロイ(右)の3Dアバター比較/右足かかとが浮くアマチュアは、マキロイに比べて骨盤がかなり前に出て、シャフト角度もアップライトになっている

画像②アマチュア(左)とマキロイ(右)の3Dアバター比較/右足かかとが浮くアマチュアは、マキロイに比べて骨盤がかなり前に出て、シャフト角度もアップライトになっている

骨盤が前に出て手元が浮き上がることでインパクトでのシャフト角度の変化が大きくなるほど、シャフトの「トウダウン」も増えますので、トウヒットやヒールヒットといった「左右の打点のズレ」も起きやすいことに加えて、クラブの最下点も不安定になり、ダフリやトップといった「上下の打点ズレ」も起きやすくなります。

マキロイやタイガーのように「右足かかとがインパクトまで浮くのを抑える」ことで、骨盤の位置や打点のズレも少なくなる効果を期待できますので、この点はアマチュアの方も是非、参考にしてみて下さい。

今回はローリー・マキロイの後方からのアイアンスウィングを分析させていただきました。 序盤はキャメロン・ヤングやジャスティン・ローズが一時首位に立つなど、混戦模様の中で、マキロイが風をじっくり読んでから放った12番のアイアンショットからのバーディが、マキロイに流れを引き寄せた印象でした。

タイガー以来の連覇を成し遂げたマキロイの今後に注目です!


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