ローリー・マキロイの歴史的な連覇で幕を閉じた2026年のマスターズ。しかし、サンデーバックナインでパトロンを最も沸かせ、王者を最後まで脅かした男の存在を忘れてはならない。世界ランキング1位、スコッティ・シェフラーである。最終的に通算11アンダーとし、優勝したマキロイにわずか1打差の単独2位でフィニッシュしたシェフラー。彼の猛追の裏には、歴史的な大記録と、世界トップ選手ならではの極めて冷静な自己分析があった。

第二次世界大戦以降「初」の快挙と大記録

決勝ラウンドとなる土曜日と日曜日、シェフラーのスコアカードにはボギー以上の叩いた跡が一つもない。マスターズの週末(第3・第4ラウンド)を「ノーボギー」で完走したのは、なんと第二次世界大戦以降のマスターズの歴史において彼が初めての快挙である。

さらに、最終日を「68」でまとめたことで、マスターズでの最終ラウンドのアンダーパーはこれで「7年連続」となった。これは、レジェンドであるトム・ワトソンが1976年から1982年にかけて樹立した大会記録に並ぶ偉大な数字だ。世界1位の圧倒的な安定感と底力が、この大舞台でいかんなく発揮された。

「勝負は金曜日に決まっていた」王者の冷静な視点

週末スタートの時点で、シェフラーは首位と「12打差」という絶望的な位置にいた。そこから最終的に「1打差」まで詰め寄った猛追は賞賛に値するが、本人が敗因として真っ先に挙げたのは、「金曜日」のプレーだった。

木曜日の午後、フィールド全体が極めて過酷な強風に苦しんだ。しかし金曜日、オーガスタのグリーンは予想に反してソフトになっていたのだ。「金曜日の早い時間帯は、彼ら(大会側)がグリーンを柔らかくするために何かをしたようで、私はその恩恵を活かせなかった」とシェフラーは振り返る。

他の選手たちが金曜日の午後にバーディラッシュを見せる中、彼は「74(2オーバー)」とスコアを落としてしまった。

「勝つチャンスという点では、金曜日が一番痛手だった。週末を12打差でスタートして、1打差まで迫ったのだから良いプレーだったが、何かを責めるなら、最後の数ホール(17番バーディパットはほんの一筋違いではずれ、18番はセカンドショットがグリーンをこぼれた)ではなく、最初の2日間を責めるべきだろう」

18番の不運と、揺るぎないメンタル

画像: 土曜、日曜と世界ランク1位の実力を見せつけたスコッティ・シェフラー(写真は26年マスターズ初日、撮影/岩本芳弘)

土曜、日曜と世界ランク1位の実力を見せつけたスコッティ・シェフラー(写真は26年マスターズ初日、撮影/岩本芳弘)

首位を猛追して迎えた最終18番ホール。バーディが必要な場面で、彼のセカンドショットはピン手前の傾斜にキャッチされ、無情にも転がり落ちてしまった。

しかし、彼はそのショットに後悔はないと断言する。

「18番グリーンへのショットは、まさに自分が思い描いた通りに打てた。ただ風が急に止んでしまって、エッジまで行ってから全部戻ってきてしまった」

コントロールできることだけに集中する。それが彼の哲学だ。

「昨日と今日は、今年一番と言えるくらいメンタルが良い状態だった。不運なバウンドやパットが決まらないこともあったが、自分をコントロールするという点では素晴らしい仕事ができたと思っている」

結果は2位。しかし、12打差からのカムバックと、不運を受け入れる強靭なメンタリティは、彼がなぜ世界ランキング1位に君臨し続けているのかを、世界中のゴルフファンに改めて証明するものであった。


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