ザック・ジョンソン:マスターズの悔恨と、原点への感謝

ザック・ジョンソン(写真は26年ソニーオープン・イン・ハワイ、撮影/岩本芳弘)
先週の「マスターズ」で無念の予選落ちを喫したザック・ジョンソン。彼は「フラストレーションが溜まる」と自身の不甲斐なさを悔やむ一方で、「それが自分がサインした仕事だ」と前を向くプロフェッショナルな姿勢を貫いている。シニアツアーの空気については、「コース外ではリラックスしているが、1番ティーに立てば皆トップレベルの競争になる」と的確に分析する。
50歳を迎えた彼が現在、最も多くの時間を割いているのはスウィング練習ではない。「フィットネスや理学療法といった身体のケアだ」と、ベテランならではの境地を明かす。また、長年のスウィングコーチであるマイク・ベンダーをはじめ、自身のゴルフ愛を育んでくれたPGA・オブ・アメリカのプロフェッショナルたちへ、深い敬意と感謝の言葉を口にしている。
ヘンリック・ステンソン:8カ月半の休養と「バンド再結成」

25年のLIVゴルフチーム選手権・ミシガンから実戦を遠のいているヘンリク・ステンソン(写真はLIVゴルフ最後の出場となった25年LIVゴルフチーム選手権・ミシガン、PHOTO/Getty Images)
メジャー覇者のヘンリック・ステンソンは、25年シーズン最終戦を終え、「LIVゴルフ」で“降格”となるドロップゾーンに位置したことから競技ゴルフへの出場機会をなくし、プロキャリアで最長となる「8カ月半」もの間、競技から離れていた。
「28年間世界中を転戦してきて消耗していたため、リフレッシュしたかった」と語るように、自宅で良い生活リズムを取り戻すための前向きな休養だったという。現在も心身ともに良好な状態にあり、ドライバーのキャリーは今でも「290ヤード」を誇るなど、その類まれなる身体能力に衰えは見られない。
今大会の会場では、長年世界中をともに転戦してきた旧友たちと再会。立ち止まって近況を報告し合う姿は「まるでバンドを再結成したような気分だ」と語り、ゴルフと距離を置いたことで得られた新たな視点とともに、キャリアの次なる章を心から楽しんでいる様子がうかがえる。
パット・ペレス:「9カ月間クラブを握らなかった」異端児の帰還
「9カ月間、文字通り一度もクラブを握らなかった」
パット・ペレスは、24年シーズン末に降格のドロップゾーンに入って以降、実に19カ月間も競技ゴルフから遠ざかっている。2022年のLIV移籍時にPGAツアーメンバーを辞さなかったことや、プレーをしていなくても25年8月「LIVゴルフ・ミシガン」までテレビ解説を務めていたことがPGAツアーのメディア規定に抵触し、現在もサスペンション(出場停止処分)の最中にあるのだ。

競技どころかクラブを9カ月間握らなかったというパット・ペレス(写真はLIVゴルフ最後の出場となった24年LIVゴルフチーム選手権・ダラス、PHOTO/Getty Images)
しかしその間、彼は7歳と4歳の子供の送迎など、これまでの過酷なツアー生活では得られなかった父親としての時間を満喫していた。
永久追放も覚悟したというペレスだが、来年からのツアー復帰という「ライフライン」を与えられたことに深く感謝している。さらに処分の最中でありながらも、PGAツアーの管轄外である今大会やシニアオープンなど「3つのメジャー大会には出場できることに気づいた」という。
復帰に向けてトレーニングを再開した際は、握力や腕の力が落ちており苦労したというが、今大会で同組となったケン・タニガワは、自身のツアー1年目である2002年の「ソニーオープン」でも同組だったという奇縁がある。旧知の顔ぶれが揃うロッカールームで、「ルーキーに戻った気分だ」と興奮を隠しきれない。
三者三様のデビュー戦へ

シニアメジャーデビュー戦となる3人。年齢的にはタイガーもこの世代だが……
マスターズからの転戦、長期の休養、そして長きにわたる競技からの離脱。それぞれ全く異なる準備と背景を背負って「ザ・コンセッション」の難コースに挑む大物ルーキーたちは、このシニアメジャーにどのようなドラマをもたらすのか。彼らの新たな船出から、一瞬たりとも目が離せない。


