
ファイヤーボールズGCのメンバー。左からダビド・プイグ、セルヒオ・ガルシア、ルイス・マサベウ、ホセ・ルイス・バレスターバリオ(写真は26年LIVゴルフ・アデレード、提供/LIVゴルフ)
不穏な噂とガルシアの確信
大会前の公式会見で、一部メディアから飛び出した「LIVゴルフの将来に関する問題」という噂について問われたガルシア。しかし、百戦錬磨のベテランは全く動じることなく、冷静にこう答えた。
「今年の初めにヤセル(・ルマイヤンPIF総裁)が語ったこと以外、何も聞いていない。彼は我々の背後にいて、これは長期的なプロジェクトであると明言した。こういう噂というものがどういうものか、皆さんもよく分かっているはずだ。常にたくさんの噂が飛び交うものであり、我々がすでに知っていること以上に話せることは何もない」
サウジアラビアの政府系ファンド(PIF)のトップからの直接の言葉を信じ、チームを牽引するキャプテンに迷いはない。外野の喧騒をよそに、彼の視線は目の前のメキシコでの戦いにのみ向けられていた。
若き才能の覚醒:ダビド・プイグの成長
そのガルシア率いるファイヤーボールズGCにおいて、いま最も眩い光を放っているのが若き新星ダビド・プイグだ。ガルシア自身が第1回のドラフトで指名した選手で、この数年で驚異的な成長を遂げている。
ガルシアはプイグの進化について、「彼が最も向上したのはドライビングだ。当時よりもさらに遠くへ、そして真っすぐに飛ばすようになっている」と絶賛する。圧倒的な飛距離と精度の向上は、プイグをトップレベルの競争へと押し上げた最大の要因だ。
そして、プイグ自身も自らの成長を確信している。「私も同意見。それに加えて、メンタルヘルス、つまりコース上での振る舞い方も間違いなく向上している」と語る。若さゆえの脆さを克服し、精神的な成熟を手に入れたプイグは、チームにとって欠かせないポイントゲッターへと変貌を遂げたのである。
地の利と「第2のホームチーム」の誇り
今大会の舞台であるメキシコはスペイン語圏であり、ファイヤーボールズGCにとっては特別な意味を持つ。母国語が飛び交う熱烈なギャラリーのサポートは、彼らにとって計り知れないアドバンテージとなる。
チームメイトのルイス・マサベオは、その熱気を力に変える覚悟を語った。
「間違いなく有利に働くと思う。昨年もそうだったが、我々はここでは第2のホームチームのような存在だ。彼らは我々を大いにサポートしてくれる。その声援は、調子が良い時だけでなく、終盤で苦しい局面に立たされた時にも大きな後押しになるはずだ」
標高約2400メートルに位置し、ボールがどこまでも飛んでいく特異な環境のチャプルテペク。ベテランのガルシアが蓄積してきた豊富な経験と、プイグやマサベオら若手の勢いが完全に融合したスペイン軍団。言葉の壁を持たない“ホーム”の熱狂を背に受け、彼らがリーダーボードを駆け上がる準備は、すでに整っている。
