
今季2勝目を挙げた高橋彩華(撮影/姉崎正)
「今日はすごく長い18ホールのプレーオフをやった気分です」

1打差で鈴木愛との同組対決を制した(撮影/姉崎正)
ちょっぴり珍しい優勝決定シーンだった。
最終18番で3メートルのバーディパットを外して照れ笑いを浮かべた高橋は、残った短いパーパットをそのままタップイン。通常は他の同組選手のプレーが完了してからウィニングパットを打つものだが、先に打って優勝を決めてしまった。
「一瞬あれで勝ったのか分からなくなってしまって……。少しテンパっていました。先に入れてから、よく考えれば、マークすればよかったかなと」
優勝インタビューでは笑顔を絶やさずに素直に喜びを言葉にした。
「すごくうれしいです。ずっと気が抜けない戦いで、それが楽しかったです。3日間通していいゴルフができました。チャンスについたときのパットが入るようになったおかげだと思います」
この日は序盤から鈴木とお互いに1歩も譲らない真っ向勝負を演じた。4番パー5で鈴木が8メートルのバーディパットを決めると、落ち着いて2メートルのチャンスを決めた。6番パー4で鈴木に1打リードされたが、7番パー4で5メートル、8番パー3では4メートルを沈めて単独トップに浮上した。鈴木も9番を取って再び首位に並ばれたが、ここからあわてずさらにギアを上げた。
11番パー5で3打目を2メートルにつけて再び単独首位へ。なおも攻め手を緩めず、13番パー3で6メートルのバーディパットを決めて突き放した。
「今日はすごく長い18ホールのプレーオフをやった気分です。(前回優勝した)ヤマハの5倍くらい疲れました。13番で3打差に広げられたのが大きかった。(鈴木は)最後まで勝負強さがすごかったので、見習いたいです」
「年間3勝」が目標

今週は左ひっかけが多かったという高橋(撮影/姉崎正)
黄金世代を代表するショットメーカーだが、今季、そして今週も本人が「魔球」と呼ぶミスショットに戦々恐々だったという。
「先週(の魔球)は右ペラで、今週は左引っかけでした。今日も何回か出ましたけど、パターのおかげでしのげました」
今季は7試合で早くも2勝。好調の要因はパッティングコーチに師事し、技術が向上したことにあった。平均パット数は昨季が1.8121で32位、今季ここまでが1.8393で31位と大きな変化はないが「そうですね。でも、勝負どころで入っています。5メートル以内のパーパットが去年より入っている印象があります。大事なとこで入っている感じですね」と自信を見せた。
この優勝で今季の目標のひとつだった全米女子オープン(6月4~7日、カリフォルニア州・リビエラCC)の予選会(20日、千葉県・房総ゴルフ場)挑戦プランは再考。直近の世界ランクは75位で、今回の優勝でランクアップが期待できることから、5月25日時点の世界ランク75位までの出場資格を満たす可能性が十分に出てきた。
「どうしましょう。迷っています。お父さんと会議します」
そう話していたが、20日の予選会挑戦を決めた。
実力者の鈴木を倒しての優勝は価値がある。優勝記者会見で自分へのご褒美を問われると「今週は(熊本名物の)馬刺しを食べていなかったので、帰りに食べたいですね。優勝のご褒美に一番高いのを食べて帰ります」と言って会場から笑いを誘った。
複数回優勝者の今季第1号となり、初の年間女王のチャンスも出てきた。過去2年の年間女王は竹田麗央と佐久間朱莉で、ともに今大会の優勝を弾みにそのシーズンの女王に就いている。
「そうだったのですね。逆に分かっていなかったです。だとしたら、ここで勝てたことは弾みになりますね。年間3勝をオフシーズンの間に掲げていたので、あと1勝を目指していきたい。3勝目を挙げられたらさらに多くの優勝を目指したい」
同期の黄金世代は畑岡奈紗、勝みなみ、原英莉花が米ツアーを主戦場にしているが、高橋は国内ツアーに軸足を置きつつ世界進出への機会も探っていく。





