4月16~19日の日程でフロリダ州のザ・コンセッション・ゴルフクラブ(6936ヤード・パー72)で開催された「全米プロシニア選手権」。スコット・ヘンドら出場選手たちが「少しでも間違った側に外せば、ボールがどこへ行くか分からないタフなコースだ」と評した難セッティングの中、一人の男が圧倒的な強さで頂点に立った。52歳のスチュワート・シンク。最終日にボギーフリーの9アンダー「63」という驚異的なコースレコードを叩き出し、2位に6打差をつける通算19アンダーで、念願のシニアメジャー初制覇を成し遂げた。なお、日本から唯一参戦した宮本勝昌はトータル2オーバーの50位で終戦した。

異次元の安定感と「進化する52歳」

シンクのPGAツアーチャンピオンズ(シニアツアー)での快進撃は、もはや手が付けられない状態だ。シニア参戦わずか9試合目にしてメジャータイトルを獲得しただけでなく、直近7試合の成績は「4位、優勝、優勝、2位タイ、6位タイ、優勝、優勝(今大会)」という異次元の安定感を誇っている。当然のことながら、年間王者を争うチャールズ・シュワブ・カップのポイントランキングでも首位を独走中だ。

画像: シニアメジャー初優勝を果たしたスチュワート・シンク(提供/PGA・オブ・アメリカ)

シニアメジャー初優勝を果たしたスチュワート・シンク(提供/PGA・オブ・アメリカ)

2009年の「全英オープン」でメジャー王者となった彼だが、年齢を重ねた今の自分に確かな自信を持っている。

「36歳だった当時と今(52歳)では体は少し違うが、満足感や自分が認められたという感覚は同じだ。実際、当時よりも今のほうがプレーをコントロールできていると感じるし、より完成されたプレーヤーになれたと思う」

最終日の爆発を呼んだ「技術的修正」

最終日の「63」というビッグスコアは、決してフロック(まぐれ)ではない。土曜日の第3ラウンド終了後、彼は居残りでパッティンググリーンに向かっていた。

「何か新しいものを見つけようとしたわけではなく、自分のやっている基礎が正しいかを確認したかったんだ。最近のパットを分析すると、低いほうに外す傾向があった。だから今日は少し多めにブレークを読む(膨らませる)ようにしたんだ」

この微細なライン読みの修正が、見事にハマった。ボールが次々とカップの中央から沈み、「パターのフェースからボールが飛び出す感覚が研ぎ澄まされていた」という完璧なストロークを手に入れたのだ。

「コースを打ちのめせ」 愛息からのメッセージ

そして、技術以上に彼を後押ししたのが、前夜に息子レーガンから届いたテキストメッセージだったという。

『ただこの場所を打ちのめせ。打ちのめして、打ちのめして、打ちのめし続けろ。屈服するまで(Let's just bludgeon this place. Just bludgeon it and bludgeon it and bludgeon it until it yields)』

「その言葉が一日中頭の中にあった」とシンクは語る。4番でグリーン外からのパットがカップに沈んだ時、コースが少し「屈服」した。7番でイーグルパットをねじ込んだ時、さらにコースが「屈服」した。息子の言葉通り、辛抱強くゲームプランを実行し続けた結果、タフなコースは完全にシンクの前にひれ伏したのである。

【動画】S・シンク、7番のイーグルパット【全米プロシニア選手権公式X】

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「今日も早く起きて、また一生懸命練習に行きたくなるような気分だった。ラウンドが終わってほしくないくらい最高の1日だったよ」

進化を止めない52歳の探求心は、これからもシニアツアーを席巻し続けるだろう。


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