
ゴルフの”ニギリ”について考えた(写真はイメージ)
”スパイス”程度に、ささやかに
今回はゴルフの「ニギリ」がテーマです。ニギリと言ってもグリップのことではありません。ハッキリ言いましょう。「賭けゴルフ」のことです。
金銭や物品を賭けてゴルフの勝負を競う。少額の金銭はもちろん、高額な物品を賭けることは違法行為です。それでも何かを賭けて勝敗を競う「賭けゴルフ」は無視出来ないゴルフの一部となっています。
そもそも、なぜ賭けゴルフのことを「ニギリ」というのかと言うと、お互いの勝負の条件やハンディキャップなどに合意した証に手を握りあったことが、始まりです。この場合、ハンディキャップは「1枚、2枚」と数え、握手しながら「今日は4枚で」などと確認しあうゴルファーの姿を目にした方も多いかと思います。
確かに勝敗を争う上で、ちょっとしたモノを賭けることで、緊張感を高めるという効果は否めません。最近はあまり聞きませんが、昔のプロやプロを目指す研修生はラウンドの際、お金を出し合い、勝者が全額を獲得するという勝負をよくやっていました。収入の少ない研修生にとって数千円でも失うことは死活問題です。これに負けないために必死に練習した、なんとか勝つ方法を考えた、と語るプロの話を聞いたことがあります。
確かにトーナメントではスコアが悪くても直接的に金銭を失うことはありません。「このパットを入れたら何千万」というプレッシャーも大変ですが、「このパットを外したら○○円失う」というプレッシャーもキツイものです。
昔のプロはこうした経験によって勝負強いメンタルを身につけた、という側面もあったようです。現在ではエントリーフィを出し合って、その一部を賞金に充てるというミニツアーがよく行われていますが、構造はほぼ同じですよね。
アマチュアの世界でも先輩ゴルファーにニギリをやらされ、「授業料を払って上手くなった」というゴルファーも多かったようです。でも大前提として、少額でも金銭を賭けることは違法行為にあたります。ゴルフゲームを更にエキサイティングにするスパイスとしては、ラウンド後のドリンク一杯くらいを賭けるだけでも充分です。
ゴルフ発祥の地、スコットランドではプレー後に懇談する「19番ホール」の慣習がありました。その最初のビール一杯を賭ける。これが一般的でした。その日の敗者が勝者にビールを奢り、プレー談義に花を咲かせる。今の日本なら帰り道のコンビニでのドリンクやアイスを賭ける。これくらいが丁度良い楽しみ方ではないかと思います。
日本では、様々な「ニギリ」が行われているようですが、比較的、罪悪感(?)が少なく、レベルに関係なく楽しめると言われているのが、「オリンピック」です。これはグリーン上だけのゲームで、カップから遠い人が1パットで入れると大きなポイントが貰えるというもので、遠いほうから金、銀、銅と呼ぶことから「オリンピック」という名称がついています。
ただ、これをやるとグリーン上で時間が掛かり過ぎるという欠点があります。また、その組全員が参加しないと盛り上がりに欠けるため、半ば強制的に参加させられてしまうことが多いようです。そう、球趣を盛り上げるちょっとした「ニギリ」ですが、プレーの進行に支障をきたしたり、やりたくない人に強制することは、あってはなりません。
また高額のニギリが元でトラブルになったり、イップスになったりと、「賭けゴルフ」の中毒性から抜けられなくなってしまったゴルファーの話も聞いたことがあります。また、ニギリの計算に夢中になっている姿もあまり良いものではありません。
「ニギリ」はあくまでスパイス程度にささやかに。他人には決して強要しない。これを守って、適度に楽しんで貰えたらと思います。
