5年間で数十億ドルの巨費をLIVに投じてきたPIF。オイルマネーを背景に無尽蔵の資金力があると思われてきたが、無限ではなかった。不安定な中東情勢によってLIVを取り巻く世界は変化したのだ。
サウジアラビアはここ10年、PIFをイメージ操作の手段として利用してきた。世界のスポーツ、エンターテイメント、テクノロジー分野に投資をすることで、近代化された国のイメージづくりをおこなってきた。
LIVへの投資がマネーロンダリングならぬ“スポーツロンダリング”だと指摘されてきた所以である。
しかし世界情勢は変化した。PIFにとって新たな優先事項は国内投資に向かっている。すでに所有するサッカークラブ3つのうち1つを売却。PIFの「ビジョン2030」のマーケティング資料にはLIVゴルフの掲載が消えた。
LIVのCEOスコット・オニール氏は「報道は間違いである」と述べ「2030年代まで資金は確保されている」としていたが、マスターズ明けの週になって「リーグの資金は26年まで確保されている」と発言を一転させた。
ゴルフチャンネルはLIVの選手や業者への支払いが滞っていると報じており予断を許さない状況だ。
渦中に開催されたメキシコ大会ではジョン・ラームが個人戦&チーム戦を制し、世界ランクは20位に浮上した。
LIVからPGAツアーに復帰したブルックス・ケプカは同週に開催されたRBCヘリテージの補欠1番手だったが、順番が回ってこなかった。待機中コースのベンチで日向ぼっこする姿が目撃され「スーパースターがウェイティング!?」と話題になった。
ではLIV最大のスター、ブライソン・デシャンボーの近況は? メキシコ大会では手首のケガで最終日を棄権、リーグ初の3大会連続優勝はならなかった。

ブライソン・デシャンボーがLIVに新たな契約を迫っていたという噂も(写真は2026年のLIVゴルフ・南アフリカ 提供/LIVゴルフ)
実は彼の陣営はマスターズの数週間前、LIVに新たな契約を迫っていた。米ゴルフダイジェストの情報筋によるとデシャンボーはジョン・ラームの推定3億ドルの契約をはるかに上回る金額を要求したようだが……。
人気、知名度ともに高いデシャンボーはゴルフ界にもっとも影響力があるインフルエンサー。観客を魅了し、YouTubeチャンネルではゴルフを知らないファン層も取り込んでいる。
万が一LIVがなくなってもデシャンボーはメジャーチャンピオンとしての資格がなくなるまでメジャー大会に出場し続けるだろう。それ以外はYouTuberの活動に専念するかもしれない。
重ねていうがまだ何も決まったわけではない。
【動画】RBCヘリテージの一幕。リラックスしながら補欠待機するブルックス・ケプカ【Golf Channel公式YouTube】
Brooks enjoying some downtime
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