
男女ツアーで人気のタイトリストの新ウェッジ「ボーケイSM11」(撮影/岡沢裕行)
「イメージ通りのボールが打てる」(阿久津未来也)

4本使いの阿久津未来也(撮影/姉崎正)
SM11を実戦投入した選手がみな口をそろえたのが、「すぐに使える」「早く試合で使いたい」だった。
昨年パナソニックオープンで初優勝を飾った勝俣陵は「SM9からSM10の時は少し顔が変わった感じがあったのですが、今回は見た目がほぼ一緒ですぐに替えられました」。
昨年ミズノオープンを制し、今季選手会長を務める阿久津未来也も「初めて手にした時から、前作との違いを感じられつつも、すんなりスイッチできました。見た目には上から見た時のリーディングエッジの入り口の感じがさらに良くなりました。性能的には、グリーン周りのアプローチで球の飛び方がすごく良く、自分のイメージ通りに打てる。少しややこしいライからでも、前作よりスピンが入るのが感じられたので、期待を持って替えました」と、確かな手応えを明かした。
●プロたちが驚いたスピン性能

スピン性能に驚いた佐藤太平(撮影/岡沢裕行)
ウェッジに求められる最大の要素ともいえる「スピン性能」について驚きの声を上げたのが、昨年フォーティネットプレーヤーズカップで初優勝を飾った佐藤太平だ。
「めちゃくちゃ止まります。これまでのボーケイでも止まらないと思ったことはないですが、さらに止まるようになっていますね。打ったあとのボールの食い付きが凄いんですよ。ラフから打っても乗り感がすごくいいので安心感があります」と、フェースにボールが乗る性能を大絶賛。

硬いグリーンにも対応できると語る前田光史朗(撮影/岡沢裕行)
前澤杯初日5位の前田光史朗は「開幕戦の少し硬いグリーンでも思い通りに止められました」と実戦でのスピン性能の手応えを語る。

溝がより深く刻まれたことでスピン性能がアップした(撮影/岡沢裕行)
タイトリストの担当者である篠﨑嘉音さんによると、この圧倒的なスピン性能は「溝がより深く刻まれたこと」と、「溝と溝の間に施されたフェーステクスチャーにより、摩擦が増えてスピンがより安定するようになったこと」が大きな理由だという。
●どのグラインドを選んでも重心位置は同じ

ツアー会場では"カチャカチャ"でフィッティング。60度だけでも11種類のソール形状を選択できる(撮影/岡沢裕行)
SM11におけるもう一つの大きな進化が、タイトリスト独自の精密設計による「重心の統合」だ。 ボーケイウェッジコーチの永井直樹氏は「ソールの形状(山の高さや幅など)が違うと、削り方が違うので重量配分が変わり、通常は重心の位置が微妙に変わってしまいます。しかし精密に設計されたSM11では、同じロフトであればどのグラインドを選んでも重心位置が全て統一されています」と言う。 これにより、選手は球の飛び方や打感の変化を「純粋にソールの形状による違い」として判断できるようになり、重心が揃ったことでフィッティングが格段に行いやすくなった。選手も迷うことなくスムーズに自分に合うグラインド(ソール形状のバリエーション)へ移行できるようになっている。
●多様なソール形状を選びやすい
多彩なグラインド (T, M, F, S, D, K に加え、5つのウェッジワークスのグラインド) も揃う中、プロたちは自分のプレースタイルに合わせて最適なソール形状を選んでいる。
【Mグラインド:日本の芝に最適】

Mグラインドの60度を使う勝俣陵(撮影/岡沢裕行)
勝俣が「一番オーソドックスでミスが少ないノーマルなグラインド」として選んだのがMグラインド。「日本の芝だと、Tグラインドのようにローバウンスすぎるとリーディングエッジが刺さるリスクがあります。逆にソール幅が広いKだとバンカーで当たる(跳ねる)感じがある。だからMにしています」とその理由を語る。
【Sグラインド:狭めのソールで多様なショットに対応】

谷口徹から継承されたソール形状を使う岩田寛と下家秀琉(撮影/岡沢裕行)
小技の名手、谷口徹の技術を受け継ぐツアー7勝の岩田寛は、ソールの高さを平たくしてショットっぽく打てるようSグラインドを微調整したものを使用している。そして、昨年バンテリン東海クラシックで初優勝した下家秀琉は「岩田寛さんと同じような感じにしてください」とオーダー。最新ウェッジを通して職人技の伝承が行われている。
【Tグラインド:ローバウンスでアプローチもバンカーも抜群の抜け】

アプローチもバンカーも打ちやすいという杉原大河(撮影/岡沢裕行)
ローバウンスでフェースが開きやすいTグラインドを使用して笑顔を見せたのが前週の下部ツアー(ニュータスカップ)を制した杉原大河。「アプローチで開いて使う時のソールの抜け感のまま、バンカーでも出しやすい。砂を薄く取って打てるので距離感も自由自在です」とTグラインドを高く評価する。
【SM11ウェッジワークス Lグラインド:ソール幅の狭いローバウンスウェッジ】

SM11ウェッジワークス Lグラインドを使う山本大雅(撮影/岡沢裕行)
開幕戦の初日、67をマークした山本大雅は、杉原とソール形状は違うが同じくローバウンスの"Lグラインド"をチョイス。アプローチ、バンカー両方とも打ちやすいという。「すごく抜けが良くて、薄いライからでも自信を持ってクラブを入れていけます。昔はハイバウンスを使っていましたが、開いた時に跳ねる感覚があった。でもLならペタッと地面につくのでその違和感がありません。さらにバンカーでも砂を薄く取りやすくて、どう開いても同じように振り抜けます」と、その万能性に太鼓判を押す。
●PWもSM11にして4本体制に

44度(45度)、50度、54度、58度(59度)の4本でショートゲームを組み立てる杉本スティーブ(撮影/岡沢裕行)
ウェッジのロフト設定も多様化している。 杉本スティーブは44度を寝かせて45度とし、50度、54度、59度の4本体制。その理由を「アイアンのPWだと球が強すぎる感覚があるんです。ウェッジなら柔らかく飛ぶ感じの球でフィーリングが出しやすく、距離のコントロールがしやすい。約130ヤードを(45度で)90%くらいの力感で打っています。ヘッドの形もアイアンより好みですね」と語る。

杉本と同じ4本体制の青木尉(撮影/岡沢裕行)
開幕戦初日4位の青木尉も46度を立てて45度にし、50度、54度、59度の4本体制を敷いている。ウェッジを「145ヤード以下のフルショット」に活用しており、「今年から54度以下もボーケイに替えましたが、ラフの抜けも抜群です」とショートゲームの要として全幅の信頼を寄せている。
最新テクノロジーによるスピンの向上と、重心の統一によるグラインドの選びやすさが見事に融合したSM11。豊富なラインナップは、アマチュアゴルファーにとっても自分に合ったウェッジ選びができるメリットと楽しさがある。スピン性能をはじめ、あらゆる面で進化を果たしたボーケイSM11が、今後さらに勢力を拡大していきそうだ。


