売電価格の下落により、最近はとんと耳にしていなかったゴルフ場の太陽光発電所への転用だが、ここにきて27ホールの大規模コースが……。
画像: 矢板CCのコース設計は山本増二郎。27ホール・10104ヤード・パー108

矢板CCのコース設計は山本増二郎。27ホール・10104ヤード・パー108

栃木県にある矢板CCが27年12月いっぱいで閉鎖することが、会員宛の文書で判明した。「ゴルフ場閉鎖及び年会費返金に関するご連絡」という書面によると、ゴルフ場閉鎖後は太陽光発電業者に譲渡される予定とのことで、現在同事業者において各種調査および設計の検討が進められているという。ゴルフ場閉鎖予定の来年末までは会員としてのプレーは可能で、今回の閉鎖決断により、会員(正会員1400人)が納付済みの26年度年会費は返還し、27年度年会費(税込3万3000円)は徴収しないことも記載されている。

全国の廃業したゴルフ場のどれくらいがメガソーラーへ転用されているかの統計はないのだが、ある調査会社によれば、2018年までに178カ所と数字が記録されている。しかし、前述のように売電価格の下落によりその転用の数はずっと減ったのだが、ここにきて状況が激変している。イランとイスラエル+米国の衝突、ホルムズ海峡封鎖による原油価格高騰など、エネルギーの安全保障は深刻な危機を招いている。今、太陽光を含めた再生可能エネルギーが再び脚光を浴び始めたといっていいだろう。そういうなかでの今回の転用話である。

同CCは1973年開場。設計は日本プロゴルフ協会第3代理事長を務めた山本増二郎。那須連峰を望む景観のよさもあって人気を博したコースだった。しかし、バブル崩壊により、料金引き下げや預託金返還問題により年々営業状況は悪化。開場時から経営していたミヤ興業(株)からユニマットリバティーへと経営権は移る。さらに冠婚葬祭業のアルファクラブ武蔵野から(株)須山液化ガスへ紆余曲折の経営交代。

「北関東は日本で一番客単価が安いし、アクセスも不便で経営的には苦しい。クローズは仕方ないと思います。かといって太陽光発電所転換には個人的には反対です。それをやるともう自然には戻せませんから。農園、牧場などが最適なんですが……」(ゴルフ場経営コンサルタント・菊地英樹氏)

北関東のゴルフ場の苦難は続きそうだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2026年5月5日号「バック9」より


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