世界最高峰の女子プロゴルファーが集う26年海外女子メジャー初戦の「シェブロン選手権」が4月23日にヒューストンのメモリアルパーク・ゴルフコース(6811ヤード・パー72)で開幕した。そんなメジャーの分厚い壁と、過酷なコンディションをものともしない若き才能がいる。初日、世界トップクラスのプロたちが苦しむなか、見事なプレーを見せた20歳のアマチュア、ファラ・オキーフだ。地元テキサス大学の学生であるオキーフは、大歓声を背に4アンダーの「68」をマーク。一時は絶対女王のネリー・コルダと並んでリーダーボードのトップに顔を出すなど堂々の4位タイ発進を決め、会場のギャラリーたちを熱狂の渦に巻き込んだ。

バンカーからの幕開けで得た「臨場感」

アマチュアにとって、メジャー大会の初日は緊張で足が震えてもおかしくない大舞台だ。オキーフ自身も、自身のスタートホール(10番)でいきなりグリーンサイドのバンカーに入れてしまうピンチに見舞われた。

しかし、そのピンチが逆に彼女の腹をくくらせた。そこから見事なバンカーショットでパーを拾い、「その時、初めて『あぁ、自分はここでプレーしているんだ』と実感し、少し緊張して集中しなければと思った」と振り返る。そこからは完全に落ち着き、極度のプレッシャーを臨場感へと変換する底知れぬ強心臓ぶりを見せつけた。

プロ顔負けの「オンオフの切り替え」メソッド

大雨の影響でランが出ず、ボールに泥がつく不確定要素の多い5時間のラウンド。これを乗り切るために彼女が実践しているのが、極端なまでの「オンオフの切り替え」である。

「5時間のラウンド中、ずっとゴルフのことばかり考えていたら完全に疲弊してしまうわ。だから、ショットとショットの間の時間は、キャディと冗談を言って笑って楽しむの。でも、ボールを打つエリアに入ったら、その瞬間の2〜3分だけは極限まで集中する。打ち終わったら、また別の話をしてリラックスするのよ」

この見事な精神的コントロール術が、タフなメジャーのセッティングにおいて大崩れしない安定感を生み出しているのだ。

地元テキサスの絆と「フォートナイト仲間」

オキーフの快進撃を支えているのは、会場に駆けつけた大応援団の存在だ。大学のチームカラーである「テキサス・オレンジ」を身にまとった友人や家族、コーチ陣が彼女の一挙手一投足に熱い声援を送っている。「毎日学校で会っている彼らが応援に来てくれるのは、本当に大きな意味がある」と彼女は笑顔を見せる。

さらに、彼女の精神的な息抜きとなっているのがオンラインゲームの「フォートナイト」だ。今大会には、その「フォートナイト仲間」であるオースティン・スキエルスキーがなんと会場まで応援に駆けつけたという。もともとは地元のゴルフ場で練習していた際、330ヤードを飛ばす彼を見かけて一緒にプレーし、その後オンラインゲームを一緒にする仲になったのだという。

「彼がプレー中に現れた時は驚いたわ! その日の夜は地元のステーキハウスで一緒に食事をして、大興奮だった。私の兄と彼が会うのも初めてだったから、すごくおかしな状況だったわね(笑)」と、学生アスリートらしいフレッシュでユニークな素顔を覗かせた。

アマチュアゆえの「地獄のスケジュール」

画像: 20歳のアマチュア、ファラ・オキーフ。世界アマランク4位の実力者だ(PHOTO/Getty Images)

20歳のアマチュア、ファラ・オキーフ。世界アマランク4位の実力者だ(PHOTO/Getty Images)

メジャー大会の初日に堂々たる成績を見せた彼女だが、その直後にはアマチュアならではの過酷な現実が待ち受けている。なんとこのシェブロン選手権の最終日を終えた直後、月曜日に行われる「全米女子オープン」の36ホール予選会に出場しなければならないのだ。

「夜8時30分のフライトでフロリダへ飛び、深夜12時に到着するの。そこから1時間運転してAirbnb(宿)に向かい、少し寝てから朝8時30分にティーオフするわ」と、地獄のスケジュールを自嘲気味に笑い飛ばす。

過酷なメジャーのセッティングを恐れぬプロ顔負けの技術と精神力、そしてオンラインゲームに熱中するフレッシュな素顔。テキサスが生んだ超新星ファラ・オキーフのシンデレラストーリーから目が離せない。


This article is a sponsored article by
''.