
ツアー3勝目を挙げた米澤蓮(撮影/有原裕晶)
ソン・ヨンハンとのプレーオフを制した

プレーオフを制した米澤(撮影/有原裕晶)
ウィニングパットがカップの右縁ぎりぎりから消えるのを見届けると、米澤は右手でキャップを取り、ほっとしたように天を仰いだ。
「17番のボギーで一度は絶望しかけましたが、18番からの大歓声で(ソン・ヨンハンに)追いつかれたことを知り、逆に(正規の18番で)バーディを取らないと勝てないと腹を括ることができ、キャディとしっかり取りにいこうと話しました。プレーオフになっても迷わず攻めに徹したことが最高の結果につながったと感じています。あの土壇場での切り替えが勝利を引き寄せる大きなカギになりました」
18番パー4で行われたプレーオフの1ホール目。優勝を力強く引き寄せたのはピンまで残り150ヤードの第2打だった。ピン左の段に当ててピンに転がり寄せる技ありショットを放ち、見事奥1メートルにつけた。
「自分の(17番の)ミスで追いつかれた展開だったので、流れも悪いし、相手には勢いがあると思いましたが、中途半端な状況ではなく、バーディが必須という極限まで追い込まれたことで雑念を捨ててプレーに集中できました。自分を信じて振り切れたことが今回の収穫です」
優勝インタビューでは喜びを言葉にした。
「2024年に2勝して、去年優勝できなかったのがすごく悔しくて、それからあまり体調もすぐれずに今日まできたんですけど(プレーオフの)18番で本当にいいショットが打てて、本当にうれしく思います」
最終日は2位と1打差の首位でスタートし、2オンに成功した1番パー5でバーディ発進。前半で4つスコアを伸ばし、1打差を死守して後半へ。12番で4メートルのフックラインを読み切り、13番も5メートルを決めた。17番でこの日唯一の痛恨ボギーを叩いてソン・ヨンハンに並ばれたが、18番でパーを死守してプレーオフに持ち込み、そしてプレーオフで最高のプレーを披露して勝ち切った。
体調は万全ではなかった

体調は万全ではなかった(撮影/有原裕晶)
2024年に「中日クラウンズ」で初優勝を果たし「横浜ミナト選手権」で年間2勝目。順風満帆だったが、そこから思いもよらない体調不良で暗転した。2年前に帯状疱疹を発症し、それが原因で坐骨神経痛にも苦しんできた。今季開幕戦「東建ホームメイトカップ」は体調不良で途中棄権した。現在も体調は完調とはいえず、今週はその不安とも戦いながらプレーした。
「丸2年優勝から遠ざかり、体調も万全でない中で過ごした時間は果てしなく苦しいものでした。妥協を許さない完璧主義の性格が自分を追い詰める弱点でもありましたが、この半年で完璧を求めすぎない、受け流すことの重要性を痛感しました。そうした精神面での試行錯誤がトレーニングとなり、困難な局面を乗り越える力に変わったのだと思います」
2年ぶりの通算3勝目で今季ポイントランキング1位に浮上し、生涯獲得賞金は2億円を突破した。
「1人の選手として勝てた喜びはもちろんですが、これまでのツアーとは一線を画す華やかな舞台で優勝できたことは大きな自信になりました。素晴らしいコースと応援の中で戦えたことに心から感謝の気持ちでいっぱいです。この勢いを糧にして今シーズンの残りの試合も全力で駆け抜けていきたいと思います」
2年ぶりの優勝は前の2勝とは持つ意味が違う。まだ26歳。今大会でつかんだ新たな自信がさらなる飛躍を後押しするに違いない。
