
歴代覇者であるジャスティン・ローズ(左)とアダム・スコット(右)。そして約3年にわたって世界No.1プレーヤーに君臨し続けるスコッティ・シェフラー(撮影/岩本芳弘)
10年ぶりの舞台。アダム・スコットが語る「ブルーモンスター」の真髄
2016年の直近大会で覇者となったアダム・スコットは、10年ぶりの舞台を懐かしみつつも、その過酷さが健在であることを強調した。
「ブルーモンスターと呼ばれるには明確な理由がある。非常にペナルティが多く、風が吹けば最大の試練となる。ティーからグリーンまで、一切の妥協が許されない正確性が求められる」
スコットによれば、コースはティーボックスがいくつか追加された程度で、彼が制した当時の状態を保っているという。とくに今週はバミューダ芝でのプレーとなり、「グリーンを外した際のリスクが高まり、よりボールストライキングの精度が報われる設定だ」と、ベテランらしい的確なコース分析を披露した。
ジャスティン・ローズが振り返る、メジャー制覇への試金石となった記憶
一方、2012年の大会を制したジャスティン・ローズにとっても、ドラールは特別な記憶が刻まれた場所だ。「自身のキャリアにおいて、本当に素晴らしい時期だった。その前年にプレーオフシリーズで勝ち、次なるステップはメジャー制覇だと考えていた。2012年のここでの優勝は、私のストーリーの重要な一部だ」と振り返る。
翌2013年に「全米オープン」を制し、メジャー王者へと上り詰めるための試金石となったのが、このブルーモンスターでの勝利だった。ローズはツアー屈指の難関とされる18番ホールについても言及し、「左からの風が吹くと、フェアウェイを捉えるのが極めて困難になる。完全に自然の神頼みになる瞬間がある」と、その恐ろしさを語っている。
難コースの噂は本物。世界1位シェフラーの第一印象
そんな百戦錬磨のベテランたちが警戒するドラールに、初めて足を踏み入れたのが、現在のゴルフ界を席巻する世界ランキング1位、スコッティ・シェフラーだ。プロアマ戦でコースを確認したシェフラーは、その第一印象を素直に口にした。
「コースについての噂は本当だったと感じている。距離が長く、難易度が高い。今週は間違いなく、我々にとって良いテストになるだろう」
彼が「距離が長い」と語る通り、本大会の公式ヤーデージは、パー72に対して「7739ヤード」というPGAツアー屈指の長距離設定となっている。さらにシェフラーは、ローズも「難関」と語った18番ホールの脅威について、より具体的な数字を挙げて警戒を強めている。
「向かい風の場合、280ヤード地点のフェアウェイ幅はわずか25ヤード(約23メートル)しかない。そこはPGAツアーでも最も難しいティーショットの一つであり、これまでにも無数のボールが池に消えてきた」
平坦な地勢ながら、極端に絞られたフェアウェイ、無数に配置されたバンカーとウォーターハザード、そして7700ヤード超の距離が組み合わさることで、一切の油断を許さない難コースであることを肌で感じ取っていた。
究極のサバイバルが幕を開ける
新旧トッププレーヤーたちの証言から浮かび上がるのは、ドラールが単なる飛距離や技術だけでなく、自然条件との対話や究極のコースマネジメントを要求する舞台であるということだ。かつてこの地でメジャーへの階段を登ったローズ、熟練の技で風を切り裂いたスコット、そして無類の強さを誇りながらもコースへの敬意を忘れないシェフラー。10年の時を経て目を覚ましたブルーモンスターは、果たして誰に微笑むのか。熱狂のマイアミで、究極のサバイバルが幕を開ける。
