4月30日、メキシコのエル・カマレオンGC(6583ヤード・パー72)で開幕した米国女子ツアー「リビエラマヤオープン」。初日のコースでひときわ大きなギャラリーを引き連れたのは世界ランキング1位の絶対女王ネリー・コルダと、地元メキシコの期待を一身に背負うヒロイン、ギャビー・ロペスの組だ。

同組の岩井明愛とともに午後組でスタートした彼女たちを待ち受けていたのは、午前中よりもはるかに過酷な条件だった。公式の気象予報でも最大瞬間風速20mph(約9m/s)の突風が予想されるなど、強い海風が吹き荒れる厳しいコンディション。しかし、フェアウェイが非常に狭い上に強風が吹き荒れる過酷な状況の中で、ともに4アンダーの好スコアで初日を終えたトッププレーヤー二人は、互角のハイレベルな競い合いを演じた。とくに18番ホール(10番スタートの両者にとって9番目のホール)では両者揃って見事なイーグルを奪取し、マヤコバの地を熱狂のルツボと化す圧巻のパフォーマンスを披露した。

熱狂の18番、両者譲らぬ「イーグル合戦」

「世界No.1の選手と対戦するのは、いつだって喜びです」

ラウンド後の公式会見で、ギャビー・ロペスは興奮冷めやらぬ表情で語った。

「今日は本当にソリッドなゴルフができました。アイアンショットをピンにピタリと絡めることができて、全体としてとてもハッピーです」

地元の大声援を受けてティーオフしたロペスと、前週のメジャー「シェブロン選手権」を制したばかりのコルダ。二人のプレーは序盤から互いを刺激し合うように白熱した。一日を通じてバーディを奪い合う展開が続いたが、最大のハイライトは18番ホール(パー5)で訪れた。

【動画】ギャビー・ロペス、18番イーグル【LPGA公式X】

@LPGA post on X

x.com

「18番では、私がピンに寄せると、彼女がさらに近くへ寄せてきた。そして私がパットを決めると、彼女もパットを決めてきたんです。あのコース上での戦いは本当にクールでしたね」と、ロペスは女王との互角の競い合いを誇らしげに振り返った。前半の上がりホールとなる18番で両者イーグルを奪い、後半戦へ向けて熱狂のボルテージが最高潮に達した。

世界1位コルダが魅せた、風を切り裂くコントロールショット

一方のネリー・コルダも、メキシコのトリッキーな風の中で世界1位の貫禄を存分に見せつけた。「ソリッドなラウンドでした。午後は午前中よりも風が強かったですが、パー5の利点をしっかりと生かすことができました」と、コルダは自身のプレーを冷静に分析する。

このコースのフェアウェイは非常に狭く、突風が吹く状況ではボールをコントロールすることが極めて難しい。しかしコルダは、持ち前の安定感でソリッドなドライブを連発した。圧巻だったのは、ロペスとの「イーグル合戦」を演じた18番ホールのセカンドショットだ。

「残り175ヤードから、コントロールした7番アイアンを打ちました」

【動画】ネリー・コルダ、18番のセカンドショット&カップイン【LPGA公式X】

@LPGA post on X

x.com

強風の中でも弾道を低く抑え、ボールを正確にコントロールする技術。放たれたボールはピンの奥約20フィート(約6メートル)に見事にキャッチされ、そこからのイーグルパットを沈めてみせたのだ。いかなる状況でも動じない女王の真骨頂とも言える一打だった。

地元ファンの思いを背負う、ロペスのプライドと使命感

コルダとの競い合いに集中しつつも、ロペスは地元ファンからの大声援の温かさを常に感じていたという。「彼女(コルダ)のプレーに刺激を受けながらも、同時に自分のゲーム、自分のルーティン、そして自分のプロセスに集中したいと思っていました」と語るロペスだが、ラウンド後にはペンを握り、長蛇の列を作ったファンへのサインに丁寧に応じた。

画像: 左:地元の星、ギャビー・ロペス(写真は25年ホンダLPGAタイランド、撮影/姉崎正)、右:世界No.1プレーヤーのネリー・コルダ(写真は24年シェブロン選手権、撮影/岩本芳弘)

左:地元の星、ギャビー・ロペス(写真は25年ホンダLPGAタイランド、撮影/姉崎正)、右:世界No.1プレーヤーのネリー・コルダ(写真は24年シェブロン選手権、撮影/岩本芳弘)

「ゴルフボールやグローブ、旗にサインをできるのは本当に素晴らしいことです」

ロペスにとって、ファンとの交流は単なるファンサービス以上の深い意味を持っている。今大会にはロペスを含め、実に9名ものメキシコ人選手が出場している。これはLPGAツアーの歴史において過去最多タイとなる記録だ。

「私自身もかつて、ロレーナ・オチョアやスーザン・ペターセン、ジュリ・インクスターのサインを求めて何度も追いかけていたことを覚えています。だからこそ、今こうして自分がそのお返しをできるのは、本当に楽しいことなんです」

今や自分がそのオチョアの意志を継ぎ、これだけ増えたメキシコの若手選手たちや地元の子供たちを引っ張るリーダーなのだ――。ロペスの言葉からは、そんなプライドと使命感がにじみ出ている。

世界1位の圧倒的な技術と、地元ファンの思いを力に変えるメキシコのヒロイン。最高峰の舞台で実現した極上の同組ラウンドは、リビエラマヤオープンの初日を飾るにふさわしい、記憶に残る名勝負となった。互いに4アンダーの好発進を切った二人が、残り3日間でどのようなドラマを紡いでいくのか。マヤコバの熱気は、まだまだ冷めそうにない。


This article is a sponsored article by
''.