
和合を制した堀川未来夢(撮影/有原裕晶)
43.4万人のフォロワーを誇る人気ユーチューバー

16アンダーでホールアウトした堀川(撮影/有原裕晶)
静かな優勝決定シーンだった。最終組の1組前の堀川が通算16アンダーでホールアウト後、2打差で追ってきていた最終組の細野の2打目がカップインしなかった瞬間に逆転Vが確定。クラブハウスに引き揚げていた堀川は万歳をして喜びをかみしめた。続けて仲がいい木下稜介、阿久津未来也から祝福を受け、クラブハウスの外に移動後はツアー仲間からの派手なウォーターシャワーを浴び「気持ちいい!」と絶叫した。
優勝インタビューでは43.4万人のフォロワーを誇るユーチューバーとしての一面をのぞかせた。今大会の練習ラウンドで優勝争いのシミュレーション動画を撮影、アップしており「残り3ホールをプレーするマネジメントというのをやったら、まさにその状況になって、たぶん考えていることはすべてユーチューブに載っているので、ユーチューブを見てください」とギャラリーに向かって話し、大歓声を浴びた。
3打差を追ってスタートし、1、2番の連続バーディで逆転劇の流れに乗った。7番で3メートルを沈めて首位に浮上。バックナインに入ってさらにギアを上げ、10番で4メートル、11番で5メートルを決めると、12番は第2打を1メートルにつけて後続を引き離した。
ディフェンス面も光った。13、14番はともにバンカーに打ち込んだが、バンカーショットをピンそばにつけてパーセーブ。ティーショットをミスして左のラフに打ち込み、第2打が正面の木越しになった16番は技ありショットでグリーンをとらえ、スコアを崩さなかった。
「(伝統の優勝ジャケットは)ウォーターシャワーの後だったので温かくて気持ちよかったです。歴史あるトーナメントに名前を刻めたのはうれしいです」
勝因にはマネジメント通りにプレーできたことを挙げた。
「4日間自分のゴルフに徹して、ドライバーを使いたいホールがいくつかある中、我慢して、3Wや5Wに徹した。ドライバーは毎日2回か1回か。おそらく4日間通して8回くらいです」
終盤で細野に2打差で食い下がられた最終日の展開がユーチューブの動画で配信した通りの展開になったことには自身驚きを隠さなかった。
「練習ラウンドで木下稜介プロと撮影をして2位に2打差でトップに立っているときのマネジメントという題で16番からの3ホールを撮影したんですけど(今日)まさにその通りになってこれは面白いなと思ってやっていました」
パターイップスに悩まされていた

パターイップスに悩まされていたという堀川(撮影/有原裕晶)
前回の優勝からおよそ3年半ぶりの美酒となった。この間、優勝から遠ざかったのはパッティング、ドライバーのいわゆる「イップス」症状に悩まされたのが大きかった。
「パッティングの不調だったり、ティーショットでも少し感じたり、ドライバーショットにすごく悩みを持っていた。打てないホールが結構あって、それをここ何年か自分の中で試行錯誤している状態。このコースはティーショットを正直(ドライバーで打つのは)1回か2回で済む。セカンドショット以降であれば自分のターゲットに打つ力があれば戦えるかなと思っていた。(今大会は)本当に勝ちたいトーナメントだったし、勝てるなと思っていたトーナメントだったので、今回優勝できてうれしいです」
今大会は尾崎将司さん追悼の意味もある大会だった。堀川は尾崎さんの晩年に同組で回ることが多かったという。
「ジャンボさんの最後にトーナメントに出ていた5回のうち4回くらい予選ラウンドで一緒でした。レジェンドであり、あれ以上の成績を出す人は今後出てこないだろうし、その人と一緒にプレーできたということが自分のゴルフ人生の思い出じゃないですかね」
今大会を含めた通算5勝のうち今大会がシーズンの一番早い時期の優勝で、今年から導入されたポイントランキングトップを目指せる位置を確保した。
「今年は特に賞金王というか、ポイント王者になりたいと思っています。男子ツアーは毎年強い選手が海外に出ていって、いわば強い選手はいなくなるので、いつか取れると思っているんですけど、正直今年が割とチャンスがあると思っていて、すごく気合を入れています」
人気ユーチューバーでもある堀川が年間ポイント王者の地位につけば、男子ツアー盛り上げにも大いに貢献するに違いない。
