
『今夜、世界からこの恋が消えても』などの日本の恋愛映画が好きで、覚えた日本語は「いいね」というオ・スミン。今年、米LPGAのQスクールを受験予定
オ・スミンは、昨年の韓国女子アマの勝者。5月4日現在、韓国アマチュアランク1位、世界アマチュアランキング8位の16歳だ。昨年、日本ツアーに初出場し、本大会で68位、マスターズGCレディースで12位タイという戦績を残す。どこかキム・ハヌルを思わせる顔立ちだが、175センチのすらりとした体躯で、しなやかにぶっ飛ばす。
本大会予選の11番ホールと17番ホールの平均ドライビングディスタンスは初日が270.0ヤード、2日目は292.5ヤード(17番だけでみると311ヤードの記録!)、2日間トータルで285.5ヤードと、2位の穴井詩(270.25ヤード)を15ヤードも引き離してのトップ。本人がドライバーの平均飛距離は「平均で250メートルです」と言う通りの結果に。女子も“300ヤード”時代に突入しそうな勢いの昨今を象徴する存在なのだ。
初日を終え、「パッと見たときは、フェアウェイも広めですし、何となく簡単そうな雰囲気でしたが、実際にプレーしてみたら難しかったです。ラフも長めでグリーンも早いです。ピンの位置も非常に難しかった印象です」と語っていたが、2日目もパー3以外はすべて自身の“武器”であるドライバーを握った。
「(フェアウェイ)バンカーを越して、なるべく(グリーン)近くまで持っていったほうがやりやすいんです」
迎えた3日目は、晴天だが最大瞬間風速が14.9メートルという強風のなかでのラウンドとなった。
1番ホール(360ヤード・パー4)のセカンド地点で最終5組の飛距離をウォッチ。大ギャラリーのなかでひそかに見ていたが、飛んでくる力強いボールに驚いた。ほとんどの選手が残り100ヤードを切っている。ラフに入ったのは15人中2人だけ(ファーストカットも2人)。女子プロは飛んで曲がらないのだ!
それぞれ組の選手を飛距離順にご紹介する。
最終組から5組目は、①堀琴音、②泉田琴菜、③吉田鈴。4組目は、①小林夢果、②桑木志帆、③蛭田みな美。3組目は、①藤田さいき、②イ・ミニョン、➂福山恵梨。2組目は、①河本結、②金澤志奈、③川﨑春花。最終組は、①オ・スミン、②荒木優奈、③大久保柚季。

スミンとほぼ同じ距離のフェアウェイに飛ばした藤田さいき。こちらも木の下で順番を待つ。元々飛ばし屋だが、飛距離を失わないことも長く続けられる要因か
圧倒的に飛んでいたオ・スミンだが、この“1発勝負”に限れば、次に飛んでいたのは藤田さいき。ベテランのたゆまぬ努力が想像できる。しかし、ここは難コース、茨城ゴルフ倶楽部(西コース)。どんなにグリーン近くに寄せても、グリーン周りの難しいアプローチ、速いグリーン、厳しいピンポジションに、強風が重なり、スコアとは比例しないのだ。これがゴルフの醍醐味であり、メジャー競技の面白さ。本コース攻略のセオリー、「手前から攻める」ことを徹底し、経験も生かしながら粘った者の手に勝利はくる。
さて、試合は風の強さが増すにつれ大荒れの展開に。この日アンダーパーを出した選手はゼロ。トップの福山恵梨でもトータルで2オーバーだった。最終的にはオ・スミンもこの日15オーバーとスコアを大きく崩し38位タイに後退。それでもその驚異的な飛距離にギャラリーからは「すごすぎる!」と感嘆の声が。明日は最終日。優勝争いはもちろん、“飛ばし合い”を見るのも一興だ。
撮影/姉崎正
