先日のPGAツアー「トゥルーイスト選手権」において、ローリー・マキロイが新たな3番ウッド(3W)を実戦投入したことは既報の通り。自身が過去4勝を挙げ、圧倒的な相性の良さを誇るクエイルホロークラブでの戦いに向けて白羽の矢を立てたのがテーラーメイドの「Qi4D」であった。

Qi10の3Wはスピン量が少なすぎた

画像: 新たに「Qi4D」の3Wを投入したローリー・マキロイ(写真/Getty Images)

新たに「Qi4D」の3Wを投入したローリー・マキロイ(写真/Getty Images)

マキロイは年初にも「Qi4D」の3Wを使用していたが、当時は球がつかまりすぎる傾向があったという。そのため、直前のマスターズでは「Qi10」の3Wに戻し、見事に大会連覇を果たした。しかし、その「Qi10」のスピン量は約2700回転/分と少なく、本人曰く「まるでミニドライバーのようだった」と振り返る。そこで今回のトゥルーイスト選手権を前に、テーラーメイドのツアー担当者へ別のオプションを依頼、その結果、左へのミスが抑えられ、かつ本人が求めていた約3200回転/分の安定したスピン量が得られる新たな「Qi4D」の3Wを手にしたのだ。

画像: マキロイが実際に使用する「Qi4D」の3W

マキロイが実際に使用する「Qi4D」の3W

このマキロイの動きは、単なる一選手の新クラブ投入というトピックに留まらない。現在、世界のトップツアーにおけるテーラーメイドのフェアウェイウッド(FW)の使用率は、これまでにないほどの高まりを見せている。多くのプロが同社のFWを武器に選んでおり、その動きは「Qi4D」の登場によってさらに加速している状況だ。テーラーメイドの契約選手はもちろん、他社契約の選手たちもこれほどまでにテーラーメイドのFWに信頼を寄せる理由はどこにあるのか。そもそも、プロが3Wに求める条件と、我々アマチュアゴルファーが求める条件には、どのような違いがあるのか。その疑問を、プロ・アマ問わず数多くのゴルファーのクラブフィッティングを手掛け、ギアの動向に精通している東京・碑文谷の「クールクラブス」代表、平野義裕さんにぶつけてみた。

低スピン傾向の強い3Wは時に飛びすぎる

平野さんは、現代のゴルフギア、とりわけ3Wを取り巻く環境について次のように分析する。

画像: フィッティングスタジオ・クールクラブス代表の平野義裕さん。国内外のゴルフに精通し、フィッティング技術に関してもプロ、アマ問わず信頼を集める

フィッティングスタジオ・クールクラブス代表の平野義裕さん。国内外のゴルフに精通し、フィッティング技術に関してもプロ、アマ問わず信頼を集める

「ロースピン傾向のボールと相まって、最近はクラブ全体が“飛びすぎる”という現象もあります。ただ、ドライバーに関してはやっぱり飛距離が出るものがよしとされるので、適正なスピン量で飛距離効率の高いものを求めるのが正解です。他方、3Wを考えた時には、ヘッドスピードが50m/sを超えるようなプロにとっては事情が異なります。あえて3Wで刻んだつもりが、予期せぬハザードまで届いてしまうなど、そういった懸念が生じてしまうのです。3Wでロースピンの性能が際立ちすぎていると、コースマネジメントにおいて使い勝手が悪くなる。これについては、まさにマキロイ選手がコメントしていた通りです」

平野さんの指摘通り、PGAツアー選手のような世界最高峰のプロたちが必要とする3Wというのは、飛距離性能が高いことはもちろんだが、ある程度スピンが入ってコントロールできるティーショットが打てるものとなる。シビアなコースセッティングの中で確実にフェアウェイをキープするためには、曲がり幅を抑え、狙った場所に止めるためのコントロール性能が不可欠なのだ。また、ティーショットでの使用だけではなく、パー5の2打目など、地面から直接打った場合でも、グリーンに止めるための十分な高さが出るという性能も同時に求められる。

3Wのティーショットはドローをイメージしやすい

さらに平野さんは、近年のツアーにおける戦術の変化と3Wの関係性について、次のように言葉を続けた。

「また、最近のPGAツアーを観ていると、ドライバーショットに関してはフェードを打っている選手が非常に多いです。フェードでもスピンが増えずに飛ぶということが分かっていますし、ドライバーの重心特性もフェードがマッチするという面もあります。一方、3Wはドライバーに比べればボールがつかまりやすい特性を持っています。実際に日本で賞金王に輝いたプロも言っていましたが、ドライバーは基本フェードで攻めるものの、ドローを要求してくるようなホールでは、ドライバーで無理につかまえに行くのではなく、つかまりやすい3Wで打っていくようです。単純にティーショットで飛距離を抑えるのではなく、打ちたい球筋を3Wに担ってもらう。戦略的にも3Wが欠かせない存在になっています。ちなみに、そのプロの3Wも『Qi4D』です」

画像: ドライバーの飛距離性能の進化に伴って、ツアーにおける3Wの重要性が高くなっている

ドライバーの飛距離性能の進化に伴って、ツアーにおける3Wの重要性が高くなっている

このように、単純な飛距離調整としての役割を超え、球筋のコントロールという戦略的な意図を持って3Wが選ばれている。現代のツアーにおいて、3Wは戦略を組み立てる上で極めて重要なピースとなっていることが分かる。

では、こうしたプロのハイレベルなトレンドを踏まえた上で、我々アマチュアゴルファーは3Wとどのように向き合い、どのようなモデルを選ぶべきなのだろうか。平野さんはアマチュアへのアドバイスとして、具体的な基準を提示してくれた。

「3HL」や「Qi4D MAX」という選択肢も

「ひとつの目安として、ドライバーの飛距離が240ヤードぐらいないと、3Wの活躍の場面は限定的になってしまうでしょう。ヘッドスピードが足りないと、地面から打ったときに球を十分に浮かせることができないからです。ただ、それ以上飛ばすことができる人であれば、コースで3Wを活用する場面は確実に増えてきます。こと『Qi4D』ということで言えば、私も実際に試打を行いましたが、楽につかまってくれるという印象で、非常に扱いやすいヘッドに仕上がっています。もし3W(ロフト角15度)では球が上がり切らないという悩みを持つ人であれば、それを5W(同18度)に置き換えてもいいですし、『Qi4D』のラインナップには3HLというロフト角が16.5度に設定されたモデルもある。また、より楽に球を上げたいのであれば、寛容性が高く高弾道を打ちやすい『Qi4D MAX』や軽量モデルの『Qi4D MAX LITE』のフェアウェイウッドも選べるので、アマチュアにとっても選択肢は非常に広いです」

アマチュアにとって3W(15度)は、地面から打つクラブの中で最も難易度が高いとされている。しかし、現代のテーラーメイドのラインナップを見れば、プロが求めるコントロール性能を満たしながらも、アマチュアが恩恵を受けられるバリエーションが豊富に用意されていることが分かる。少しロフトのある3HLを選んだり、より直進性と上がりの良さを追求した「Qi4D MAX」を選択したりすることで、これまでは扱いにくかったスプーンの距離を、大きな武器へと変えることが可能になる。さらに軽量モデルの「Qi4D MAX LITE」であれば、多くのゴルファーにとって3Wの活躍する場面がますます広がっていくことだろう。

画像: ウッド類はすべて「Qi4D」で整ったマキロイの14本

ウッド類はすべて「Qi4D」で整ったマキロイの14本

アマチュアのキャディバッグの中で、どうしても「お飾り」になりがちで、他のクラブに比べて買い替えのサイクルが長くなりやすい3W。しかし、マキロイをはじめとする世界のトッププロが信頼を寄せる「Qi4D」に代表されるような、最新モデルを一度試してみる価値は極めて高い。最新テクノロジーがもたらすつかまりの良さや、最適なスピン性能を体感し、できればフィッティングを通じて自身にマッチするロフトやシャフトを吟味したい。そうして選び抜かれた1本は、かつて苦手意識を持っていた3Wのイメージを一新し、あなたのゴルフを足元から支えてくれる、最も頼れるクラブとして機能してくれるに違いない。

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画像: www.taylormadegolf.jp
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