2日目はあいにくの雨模様。井上誠一設計の名コースの難易度もより上がるというもの。“オープン競技”ですから、トップ女子アマたちも参戦。何人かに話を聞きました。
スタート前、少し寒そうに待っていた松尾律子さんは昨年の日本女子シニア4位タイ。「2025年日本女子シニアゴルフ選手権競技上位5位」の資格で出場しています。
「コースは難しいです。プロには迷惑かけるかもしれないけれど、雨なのにこんなに観客の方が見にきてくださいましたし、とても楽しいです」
その後ろの組、昨年の日本女子グランドシニア優勝の資格で出場した平田悦子さんは、「さすが、ピンポジも難しいです。プロが『やっぱりナショナルオープンは違うのよ』と言っていましたし、賞金もかかっていますから緊張感がありますね。アマチュアの試合のスタート前はもっと和気あいあいとしています。とりあえず頑張って歩いてきます!」。
2人とも謙遜しながらもフェアウェイど真ん中にナイスショットを放ってスタートしていきました。

近賀博子さん(左)と高又順(右)。「近賀さん、上手かったですよ。私はダメだったけど」と高又順。プロとアマの交流も女子ゴルフの底上げになる
次にホールアウトしたばかりの近賀博子さんを直撃。昨年日本女子シニア2位で、松尾さんと同じ資格で出場しています。
「トーナメントコースらしく雨でも素晴らしいメンテナンスです。距離はそこまでないですが、砲台グリーンに狙っていかないといけないので距離感が難しいですね。今日はアプローチ、パットがダメで。読み過ぎた部分もあります。プロはやはりお上手。細かな技術が違います。でも、一緒にラウンドした高又順プロたちがやさしくて楽しかったですね」

ただひとりアマチュアで予選を通過したのは人見佳乃さん。中嶋常幸の長女にあたる
ただ一人アマチュアで予選通過し、ローアマチュアを確定させた人見佳乃さんは、中嶋常幸の長女。今年はアマチュア予選Aブロックをトップ通過し、2年連続の出場となりました。がんを乗り越えて競技復帰、太平洋クラブのクラブ選手権予選を女性で初めて通過し本選に出場、太平洋クラブ御殿場のフルバックを攻略したという強者です。
「バックティーで7400ヤードあるんですよ。大変でした(笑)」
武蔵CC豊岡Cの攻略法は、「結局全部になるのですけど、まずはティーショットの落としどころと、グリーンが特徴的で小さいのですが真ん中に乗せても尾根があったりしますから、どこに乗せるのかが重要です。それを考えると必然的にティーショットが大事になってきます」と話します。
本大会予選は、ディフェンディングチャンピオンの不動裕理や昨年のLPGAレジェンズ選手権明治安田カップで優勝した李知姫、そして前田久仁子と同組。
「昨日、父からは『プロのプレーは勉強になったでしょう。でも今日は雨だからもっと勉強になるよ』と言われました。実際、特にプロのアイアンの距離感は素晴らしく、守るところと攻めるところがすごくしっかりしていました。不動さんが試合中にも細かく調整しながらプレーしている姿を見たとき、職人というか技術者だなと思いました。私は悪かったら悪いなりにしかできませんが、きちんと立て直すことができるのです」
ラウンド後、ボールにプロたちのサインをもらっていた人見さん。
「記念です。実は昨日もいただきました。昨日のボールは私の家に置くと決めていて、今日のボールは実家のお父さんたちにお土産です。父のいろいろな大会の記念品を置いている場所に一緒に置いてもらおうと思っています」
この大会に応援に来ることを熱望していたという中嶋は、自身のケガで来られず。しかし娘のローアマの朗報に顔をほころばせていることでしょう。本大会はアマチュアにも賞金(上限10万円)が出ます。それで父母に焼き肉をごちそうする予定だそう。少しでも順位を上げて、“よいお肉”にしたいと笑います。
「昨年もそうでしたが、さらにすごくオープンな大会になりました。コースコンディションも素晴らしいです。明日はまた違うお天気になると思いますけれど、悔いのないよう、誠実に1つ1つプレーしたいと思います」
さて、プロたちの優勝争いに目を向けてみましょう。

2日間で60台を出したのは難コンディションだった今日の中島真弓ただ一人。首位のイ・チヒに2打差の2位タイで最終日を迎える
2日目に7アンダーのビッグスコアを出したのは中島真弓(通算イーブンで2位タイ)。「65」は“コースレコードタイ”。セッティングが違うので比べられませんが、石川遼が09年の日本オープン第3ラウンドで出したスコアと同じです。
早稲田大学教育学部出身の中島は、弟・徹(同大スポーツ科学部出身)とともに早大ゴルフ部のコーチも務めています。昨年初優勝を挙げた稲垣那奈子、今年プロ入りした中野麟太朗、竹原佳吾、安保卓哉といった“後輩たち”の活躍に負けないよう初戴冠となるか注目です。
早大ゴルフ部の斉野恵康監督は、「彼女は早稲田ゴルフの歴史上唯一日本女子アマ2連覇や日本学生、日本オープンローアマとすべてのタイトルを在学中に摂っているレジェンド。早稲田の誇りの1人です。今回優勝しても不思議はないです」といいます。
ちなみに、この話を聞いているときにまた朗報が入ってきました。来週開催される国内男子ツアー「~全英への道~ミズノオープン」のアマチュア予選会で、後輩の小原力と柏俣結生が通過。24年の全国大学ゴルフ対抗戦で創部初の日本一となった当時の3年生メンバーの4人が全員出場するというのです。日本女子シニアオープンに出場中の中島をより刺激するニュースになったに違いありません。
「明日は楽しみです。今日と同じように、フェアウェイキープを心がけます」

2日間トータルで唯一アンダーパーで首位(2アンダー)の李知姫
その他、優勝争いは実力者7人が3打差にひしめきあう展開に。3日間大会となった本大会。最終日は激戦が予想されます。2日間で唯一のアンダーパー、2アンダーでトップに立ったのは日本女子ツアー23勝の李知姫。
「自分にちゃんと負けないで最後まで頑張ろうと思っています」

2打差の2位タイにつけた福嶋浩子(左)と佐々木慶子(右)
2打差の2位タイには中島真弓を入れて3人。そのうちの一人は先週のレジェンドツアーで優勝した福嶋浩子で、「一番の強敵は自分自身とコースです」と兜を締めなおします。また、ママさんゴルファーの佐々木慶子は「自分の課題だけを明日はやりたい」とマイペースに首位を目指します。

初代女王である不動裕理は3打差の5位タイで最終日に挑む
3打差の5位タイには初代女王で同ツアー50勝の不動裕理が自身の指定席であるトップに返り咲くために、「明日はピンを狙っていきたい」とフルスロットルで追いかけます。同順位には表純子や佐藤靖子もいて、今日の最終日は誰が勝つかわからない混戦模様です。

本降りになった雨のなかでも足を運んだギャラリーから大きな声援が送られていました
実は“キャラ”が豊富で、アマチュアにとって参考になる技術やマネジメントが間近で見られる女子シニア。明日のお天気は今のところ「曇り」の予報。交通の便も悪くはないコースです。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか!
写真/大会提供
