
同CCの設計は佐藤昌だが、佐藤も東京帝大農学部卒業生であり、学士会館からの繋がりにいる
そのゴルフ場とは神奈川県相模原市にある長竹CCだ。今年55周年を迎えるが、2013年より実施してきた設備のリニューアルが今年3月末をもってほぼ終了した。
その内容を記すと──。13年のクラブハウスの男子トイレを皮切りに順次改修を行い、昨年は半年かけてクラブハウス玄関、ロビー、フロント、マスター室、事務所の工事を行った。社員食堂は営業しながら改修してきた。
その改修コンセプトとは、建物の基本構造には手をつけず強度を毀損しないことと動線の機能性重視。また長竹CCの伝統である「華美でない落ち着いた雰囲気とする」ことなどだ。
「工事は短い期間で一気に行ったほうがコストは抑えられると思うのですが、コースの伝統を表現するためにじっくりやったのでは。また、コストでいえば営業しながらのほうが経営的には助かりますから」(ゴルフ場経営コンサルタント・菊地英樹氏)
同CCはコース自体の改修も行ってきた。元々排水機能が弱かったそうで、この10年、毎年暗渠排水工事、土壌改良、良質な堆肥散布などを行ってきた。また、日当たり、風通しのための樹木の伐採・剪定、これらも大仕事という。
「開場55年も経つと樹木は育ち、まるでジャングルです。伐採に反対する古参会員もいまして、何よりゴルフ場にとって芝が命なのだからと説得しまして、分かってもらえました。景観もよくなるし伐採はこれからも毎年続けていかねばなりません」(同CC支配人・佐藤剛氏)
同CCの開場は1971年だが、ルーツは神田一ツ橋の学士会館インドア練習場にある。学士会とは帝国大卒業生の集まりで彼らが倶楽部を結成。戦前に赤羽の河川敷、次に戸田CCを開場したが、埼玉県に河川工事のため用地収用され、移転したのが同CCだった。
同CCは太平洋戦争といううねりを越え、学士会の赤羽・戸田コースの遺伝子を有しているコースなのだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年6月9日号「バック9」より
