首位に1打差!記念すべき300試合目で猛チャージ
大会2日目、リーダーボードを駆け上がる松山英樹の姿に、熱狂的なゴルフファンは歓喜した。彼はこの日、5アンダーの「65」をマークし、通算9アンダーで首位と1打差の2位タイに浮上したのである。連日の好スコアで、一気にトーナメントの主役へと躍り出た。
PGAツアー通算11勝を誇る松山選手にとって、今大会は2014年(10位タイ)、2025年(36位タイ)に続く3回目の出場である。過去の出場回数こそ少ないものの、持ち前のショット力を生かせるこの名門コースで、見事な適応力を見せている。予選ラウンドを終え、トップをピタリと追走する絶好のポジションは、週末のさらなる爆発を予感させるには十分すぎる結果だ。
実は今大会は、松山にとってPGAツアー通算300試合目というメモリアルな一戦でもある。過去、300試合目のスタートで優勝を飾った選手は2014年のベン・クレインまで遡るが、歴史的な節目に自ら祝砲をあげる準備は整っている。
「今日はすべてが噛み合った」コースと球筋の完璧な相性
この日のビッグスコアの裏には、彼自身の言葉が示す通り、ティーショットの復調があった。ラウンド後の会見で、松山は「今日は特にドライバーが良かった。ドライバーの調子が良い時はスコアを伸ばせるし、今日はその調子だったので気分が良かった」と語っている。

ドライバーがかみ合ったと松山英樹(写真/Getty Images)
コロニアルCCのパー4とパー5のうち、実に11ホールが左から右へ曲がる(フェード系の)ティーショットを要求する。松山はもともとフェードが得意な傾向にあり、今シーズンはティーショットの55%でこの球筋を打っている。松山が本来得意とする球筋とコースレイアウトが完璧に合致していることが、この日の「すべてが上手く噛み合った」という自信を裏付けている。
さらに、ツアー屈指のアイアンプレーヤーである松山は、ドライバーとアイアンの相乗効果について明確な自信を口にする。
「まずはフェアウェイに置くこと。フェアウェイにさえいればスコアメイクできると感じている。最近はそこが良くなかったが、今日はすべてが上手く噛み合った」
圧倒的なアイアンショットに加え、過去3シーズンにおいてツアー1位を誇るグリーン周りのリカバリー技術(SG: Around-the-Green、平均+0.48)があるからこそ、フェアウェイにさえ置けばスコアを作れるという確固たる自信につながっているのだ。自らのストロングポイントを最大限に発揮できる状態へと仕上がってきたことは、ライバルたちにとって何よりも大きな脅威となるだろう。
テキサスの猛暑を冷静に受け流す、ベテランの貫禄
テキサス州での大会といえば、容赦なく照りつける強い日差しと厳しい暑さが選手たちの体力を奪う。連日猛暑の中でのプレーは、集中力を維持するだけでも至難の業だ。体力の消耗は、サンデーバックナインでの致命的なミスを生み出しかねない。
しかし、世界中を転戦し、あらゆる過酷な環境を経験してきた松山に焦りはない。この異常な暑さについて問われると、「確かに暑い。今夜はしっかり休んで、明日も暑くなるので対応できるように準備する」と冷静に語っている。
周囲の熱気や自然の脅威にも動じることなく、ただ自らのコンディション調整に矢印を向ける。この達観した自己管理能力とメンタルコントロールこそが、PGAツアーという最高峰の舞台で長年トップを走り続ける理由である。心身ともに充実した状態で迎えるムービングデー。日本の誇るエースが、テキサスの地でどのようなドラマを見せてくれるのか。歓喜の瞬間は、すぐそこまで迫っている。
