「メモリアルトーナメント by ワークデー」はPGAツアーのシグネチャーイベント(昇格大会)であり、ゴルフ界の「帝王」ことジャック・ニクラスがホストを務める大会である。2024年大会、2025年大会は世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーが制覇しており、タイガー・ウッズ(1999〜2001年)以来となる大会3連覇に挑む。
大会ホストのジャック・ニクラスが自身の故郷(オハイオ州コロンバス近郊)に自ら設計し、1974年に完成させた「傑作」と称される名門プライベートコースである「ミュアフィールド・ビレッジGC」で1976年の第1回大会から開催されている。
「このコースの最大の特徴はセカンドショットの正確性が極限まで求められることです。ミュアフィールド・ビレッジゴルフクラブはフェアウェイは比較的広いのですが、グリーンが小さくて、激しいアンジュレーション(傾斜)があります。ピンと同じ面に正確にキャリーさせないと、ボールはグリーンの外まで転がり落ちます。ピンを狙うのか、安全なエリアに外すのか『リスク&リワード(危険と報酬)』の判断が毎ホールで試されます。出場選手の豪快なティーショットも見応え十分ですが、本当に勝負を分けるのはセカンドショットなんです」(杉澤伸章キャディ、以下同)
ミュアフィールド・ビレッジGC攻略の鍵はセカンドショットであるとのこと。コース特性を熟知する杉澤キャディが、相性の良さから今週の最注目株として名前を挙げた選手がいる。
「注目は、ジェイコブ・ブリッジマンです。2026年2月のジェネシス招待で26歳という若さで並み居るトッププロを抑えてツアー初優勝を挙げました。彼の最大の特徴は驚異的なパッティングのスタッツで『ストロークゲインド・パッティング』が全体2位なんですよ。しかし、今回注目したいのはセカンド・ショットのクオリテイの高さです。ジェネシス招待の3日目、11番(パー5)で見せたセカンドショットはあのタイガーが『完璧なショット』と言うほどですから」
【動画】あのタイガーが「完璧」と絶賛したブリッジマン、3日目11番のセカンドショット【PGAツアー公式YouTube】
Highlights from Jacob Bridgeman’s win at The Genesis Invitational
www.youtube.com2025年シーズンにコグニザントクラシック(2位タイ)やバルスパー選手権(3位)など、計4回のトップ5入り、「マスターズトーナメント」への出場権の獲得など目覚ましい活躍をみせるジェイコブ・ブリッジマン。その活躍に陰にはベテランキャディの存在がある。

ジェイコブ・ブリッジマンとキャディのG・W・ケーブル(写真は26年AT&Tペブルビーチプロアマ、撮影/岩本芳弘)
「ジェイコブ・ブリッジマンを話す上でPGAツアーで約20年ものキャリアを持つキャディ、G・W・ケーブルの存在は欠かせないでしょう。ブリッジマンが2022年にプロ転向した際、その才能を見抜いてわざわざ下部のコーンフェリーツアーまで降りてキャディを引き受けたという逸話があります。あとはなんといってもメンタルコントロール。2025年『コグニザントクラシック』で2位に入りシードを確実にした際、最終18番ホールの緊迫した場面ではあえて関係ない世間話をして、ブリッジマンのリラックス状態を保とうとしたと話しています。ブリッジマンが大躍進を遂げた背景には、このベテランキャディとの深い信頼関係があったからです」
松山英樹が2014年以来の優勝に返り咲くか、スコッティ・シェフラーが3連覇を果たすか、勢いに乗る新星ブリッジマンか。「メモリアルトーナメント by ワークデー」は、見どころが尽きない。
U-NEXT/窪山京真

