ゴルフは不確実性のスポーツだとよく言われる。気まぐれな風、不規則なバウンド、そして人間のわずかな心の揺れが勝敗を大きく左右するからだ。しかし一方で、過去の膨大なデータは時に残酷なほど正確に、未来の勝者の姿を浮き彫りにすることがある。今年の「メモリアルトーナメント by ワークデー」において、最後に笑うのは誰か。72人の精鋭が揃うフィールドから、優勝者の条件を満たさない選手を容赦なく削ぎ落としていくPGAツアーの公式予想を見てみよう。

残酷なデータが強者たちを次々とふるい落とす

最初の関門は「PGAツアーでの優勝経験がある」ことだ。メモリアルのような格の高い大会では、ビギナーズラックは通用しない。この基本条件だけで、久常涼やニコライ・ホイガードら13人がふるい落とされる。

続く「FedExCupランク30位以内」という高い壁で、一気に33人が姿を消す。ジョーダン・スピースやパトリック・カントレーといった実力者たちも、現在の調子の波に乗れていないという理由で除外される。さらに「世界ランク17位以内」の条件で松山英樹やアダム・スコットら13人がリストから消え、「ストローク・ゲインド・トータル26位以内」という総合力の指標によって、ローリー・マキロイやジャスティン・ローズら5人が除外される。

ここからは、ピンポイントで残酷な技術スタッツが、生き残ったトップ選手たちに牙を剥いていく。

パーオン率の基準を満たせなかったという理由で、ショットメーカーのトミー・フリートウッドが脱落。バーディ平均の僅かな差で、好調のザンダー・シャウフェレが無念の除外。さらにラフからのスクランブリング(リカバリー率)でクリス・ゴッタラップが、そして1パット率の低さからマット・フィッツパトリックがそれぞれ姿を消した。

この過酷な条件をくぐり抜けた数少ない強者たちにも、最後の試練が待っている。「今季2位以上の成績がある」という爆発力の条件で若き天才ラドビッグ・アバーグが弾かれ、「前週に優勝していない」というジンクス(過去50回の優勝者で前週優勝者はゼロ)によって、チャールズ・シュワブチャレンジを制したばかりのラッセル・ヘンリーも脱落した。

王者シェフラーを阻む「歴史の呪縛」

そして、この謎解きにおける「最大のフック」が待ち受けている。それが「大会3連覇の壁」だ。 データによれば、PGAツアーにおいて最後に3連覇の偉業を達成したのは、2009〜11年の「ジョン・ディアクラシック」でのスティーブ・ストリッカーまで遡る。それ以降、3連覇への挑戦は直近の20回すべて失敗に終わっているのだ。さらに言えば、このメモリアルトーナメントの50年にわたる長い歴史の中で、3連覇を成し遂げたのは全盛期のタイガー・ウッズ(1999〜2001年)ただ一人しかいない。

このミュアフィールド・ビレッジにおいて、2003年以降で歴代1位となるショット貢献度(SG:ティー・トゥ・グリーン「+3.34」)を記録し、全ラウンドの75.00%をアンダーパーで回るという大会史上最高の相性を誇る絶対的本命、スコッティ・シェフラー。しかし、その完璧すぎる彼でさえも、この冷酷な歴史のデータによって優勝候補のリストから完全に名前を消すことになったのだ。今の彼を止められるのは、もはや技術ではなく「歴史の呪縛」だけだということか。

すべての条件をクリアした「唯一の男」

数々の厳しいフィルター、そして歴史のジンクス。これらをすべて潜り抜け、最終的にたった一人、すべての条件をクリアして残った選手がいる。

画像: 公式が今週勝利条件のすべてに当てはまるとしたのはキャメロン・ヤング(写真は26年トゥルーイスト選手権、撮影/岩本芳弘)

公式が今週勝利条件のすべてに当てはまるとしたのはキャメロン・ヤング(写真は26年トゥルーイスト選手権、撮影/岩本芳弘)

——キャメロン・ヤングだ。

今季の「キャデラック選手権」で初日から首位を守り切る完全優勝(ワイヤー・トゥ・ワイヤー)を果たすなど、すでにトップ選手として完全に覚醒している彼。今季はキャリア最高となる「12週連続でのFedExCupランクトップ10入り」を果たし、メモリアルのようなビッグトーナメントであるシグネチャーイベント(昇格大会)においては、通常の大会(69.50)を大きく上回る平均「68.71」という驚異的なスコアを叩き出している。

果たしてデータは真実を語るのか。注目していこう。


This article is a sponsored article by
''.