百戦錬磨の技でピンに絡め、劇的バーディ決着

バーディパットをねじ込み、2度目の優勝を果たした岩田(撮影/岡沢裕行)
緊迫した空気のなかで迎えたプレーオフ。勝負を分けたのは、やはり極限状態でのティーショットだった。
プレッシャーのかかる1打目、香港の至宝タイチ・コーが左のラフへ、単独首位から出た片岡尚之が左のバンカーへとそれぞれ手痛いトラップに捕まる展開となった。そのなかで、歴代チャンピオンで宍戸の戦い方を知り尽くした岩田が見せた、冷静なフェアウェイキープ。
左のバンカーが近く、スタンスに制限があるかと思われた岩田のセカンドショットは、狙い澄ました軌道でボールをピン近くへピタリと寄せるスーパーショット。大歓声に包まれるなか、このチャンスを逃さずにきっちり沈めたバーディパット。長くタフだった宍戸のサバイバルレースに、自らの手で打った劇的な終止符を打った。
前半「38」からの神がかり的バックナイン。王者が魅せた執念の4連続バーディ

カップに入る前から確信のガッツポーズを魅せた岩田(撮影/岡沢裕行)
逆転劇となった岩田の最終ラウンド。しかし、その道のりは苦しい展開だった。首位と3打差の3位から出た岩田は、前半の2番、4番でボギーを叩き、前半はコースはバーディなしの「38」と大きく出遅れる形に。しかし、ここからが「宍戸の覇者」の真骨頂だ。
後半のインコースに入ると11番のバーディを皮切りに、13番、14番、さらに15番(パー5)まで怒涛の3.連続バーディを奪取。
後半だけで神がかり的なスコア「31」を叩き出し、最終ラウンドを「69」でまとめて一気にリーダーボードの最上段へ浮上した。
「初めてメジャーを勝った特別なコース」と語る宍戸の舞台。極限まで高められた集中力が生み出した奇跡的なサンデーバックナイン、そしてプレーオフの栄冠だった。
惜敗の片岡尚之、タイチ・コー。影を落とさない若き実力者たち

追い上げて大会を盛り上げた片岡、タイチ・コー(撮影/岡沢裕行)
惜しくもタイトルには届かなかったものの、最後まで岩田と死闘を繰り広げた2人の若き実力者たちが大会を盛り上げた。
単独首位からスタートし、8番のダブルボギーで崩れかけながらもラストまで驚異的な粘りを見せて耐え抜いた片岡尚之。
そして、最終日に「67」で、最難関の17番、18番を連続バーディで締めくくったタイチ・コー。プレーオフではラフやバンカーに捕まる試練を迎えたものの、2人の凄まじい執念が生み出した歴史的な名勝負だった。
