女子ゴルフの今季国内ツアー第13戦「ヨネックスレディス」(5~7日、新潟県・ヨネックスCC=6483ヤード、パー72)は人気女子プロ・吉田鈴のツアー初優勝で幕を閉じた。単独首位から出た最終日は3バーディ、2ボギーの71ときっちりアンダーパーで回り、通算8アンダーで逃げ切った。吉田をはじめ、通算6アンダー2位に並んだ政田夢乃、倉林紅の若手陣、ベテランの域に入ってなお成長を続ける木戸愛、期待のアマチュア戸髙玲奈らが頂点を競った白熱の3日間を振り返る。
画像: プロ2年目でツアー初優勝の吉田鈴(PHOTO/有原裕晶)

プロ2年目でツアー初優勝の吉田鈴(PHOTO/有原裕晶)

初日トップと2打差に32人がひしめく大混戦

画像: ルネサンス高3の戸髙玲奈が初日トップタイスタート(PHOTO/大会提供)

ルネサンス高3の戸髙玲奈が初日トップタイスタート(PHOTO/大会提供)

初日はいきなり史上まれな大混戦となった。2アンダー70でトップが7人、1打差の1アンダー71で8位に並んだ選手が9人とわずか1打差に16人がひしめく展開となった。

画像: 吉田も初日首位スタート(PHOTO/有原裕晶)

吉田も初日首位スタート(PHOTO/有原裕晶)

トップグループ7人は三ケ島かな、皆吉愛寿香、川岸史果、吉田鈴、福山恵梨、木戸、戸髙。三ケ島が「今日はコロコロ風向きが変わりましたが、上手に対応できました。パッティングに悩んでいましたが、それがすっきり打てるようになったのが大きいです」と、振り返れば、吉田鈴は自身初の首位スタートにも「初日から出遅れずに、この位置にいることができてよかったです。明日も自分のゴルフをやるだけです」とマイペースを強調。戸髙も「プロの方々のアプローチやショットはすごく勉強になるので、明日からもたくさん学んでいいスコアを出せるようにしたいです。3日間アンダーパーで回ることが目標」と前を向いた。

吉田鈴が67で混戦を抜け出す

画像: 67で2位に3打差で最終日へ(PHOTO/有原裕晶)

67で2位に3打差で最終日へ(PHOTO/有原裕晶)

2日目は吉田鈴が快進撃を見せた。5バーディ、ボギーなしの5アンダー67をマークし、通算7アンダーで単独首位に立った。この日のラウンドについては「スコア以上にいいパッティング、ショットを打ち続けられたなと思います。14番のパー3で入りそうなショットをユーティリティで打てたので、それがすごくよかったです」と高い自己評価。初優勝を目指す最終日へ向けては「最終日のバックナインで体力的にも技術的にも高いものを求められると思うのですが、そういう緊張の中で今日みたいに回りたい。攻めの姿勢を崩さずにいきたいなと思います。初優勝したい意識はあります」と闘志を表に出した。

画像: 吉田を追う政田夢乃(PHOTO/有原裕晶)

吉田を追う政田夢乃(PHOTO/有原裕晶)

もう一人の人気女子プロ・政田も初優勝のチャンスを迎えた。アウトこそ2ボギーの38をたたいたが、インに入ってから別人のようにスコアを伸ばした。13番から15番まで3ホール連続でバーディを奪い、圧巻は最終18番。残り20ヤードの3打目アプローチを直接カップに沈めてイーグルフィニッシュ。この1打で通算4アンダー2位へ浮上し「明日は優勝を目指して頑張ります。2日間ともアウトで落としているので、明日はしっかりアウトから調子を上げたい」と頂点を見据えた。

画像: 復活優勝へ2位につけた木戸愛(PHOTO/有原裕晶)

復活優勝へ2位につけた木戸愛(PHOTO/有原裕晶)

木戸は3バーディ、1ボギーの70でまとめ、通算4アンダー2位から最終日に臨む。「優勝を目指して自分のゴルフをもっとよくしていけるように、目の前の1打に集中したい。最後の最後まであきらめずにプレーしたいです」と復活優勝へ照準を合わせた。

吉田鈴が逃げ切りで初優勝!

画像: 逃げ切り優勝(PHOTO/有原裕晶)

逃げ切り優勝(PHOTO/有原裕晶)

最終日は4打差7位から出た倉林が4番から怒とうの4連続バーディで猛チャージをかけた。木戸も前半だけで3つスコアを伸ばして優勝争いを盛り上げる。一方、最終組で出た吉田鈴は6番でボギーをたたき、一時的に1打差の3位へ後退したものの、7番ですぐにバウンスバックを決めて自らを鼓舞。さらに、残り199ヤードから2オンに成功した13番パー5でバーディを奪い、再び単独首位に立って初優勝へ大きく近づいた。

画像: 優勝の瞬間両手を挙げて笑顔を見せた(PHOTO/有原裕晶)

優勝の瞬間両手を挙げて笑顔を見せた(PHOTO/有原裕晶)

優勝が決まった瞬間はそれまでの厳しい表情が緩み、端正なマスクをほころばせた。

「思ったより冷静だなって思って。もっといろんなことが込み上げてくるのかと思ったけど、それもなかった。だから初優勝じゃなくて、もっと勝ちたいという思いがあって、涙はまったくなかったです」

画像: 新潟のコシヒカリ6俵をゲット(PHOTO/有原裕晶)

新潟のコシヒカリ6俵をゲット(PHOTO/有原裕晶)

姉は米ツアーを主戦場にする日本ツアー4勝の優利で姉妹優勝は福嶋晃子・浩子、堀奈津佳、琴音、岩井明愛・千怜に次いでツアー史上4組目。「姉と比べられるのは仕方がないことだし、それは他人の評価なので。私自身は姉のコピーはしたくなかった。自分のブランドを確立したい」とプロテスト4度目の受験で合格した苦労人は強い誇りも口にした。

画像: 2週連続最終日最終組で優勝争いを演じた2位の政田(PHOTO/有原裕晶)

2週連続最終日最終組で優勝争いを演じた2位の政田(PHOTO/有原裕晶)

政田は通算6アンダーで2位。吉田鈴に2打届かず初優勝で先を越されたものの、着実に初優勝に近づいている。「すごく悔しいですが、最後まであきらめずにプレーできたことはよかった。2週連続最終日最終組で回れていい経験ができた」と目線を上げた。

画像: 政田らとともに2位の木戸(PHOTO/有原裕晶)

政田らとともに2位の木戸(PHOTO/有原裕晶)

木戸は17番のダブルボギーが響いて優勝に届かなかったが、通算6アンダー2位で終え「17番は悔しいですが、今後もこういうゴルフを積み重ねていきたいし、今回の経験も必ずよかったといえるようにしたい」と顔を上げた。

画像: チームヨネックスでルーキーの倉林紅も2位と大健闘。同じくルーキーの藤本愛菜は5位タイ(PHOTO/有原裕晶)

チームヨネックスでルーキーの倉林紅も2位と大健闘。同じくルーキーの藤本愛菜は5位タイ(PHOTO/有原裕晶)

倉林も最終的に69で回って通算6アンダー2位。チームヨネックスの責任を果たし「ここでいい結果を出すことがヨネックスさんへの恩返しになると思ったので、いい終わり方ができてよかったです」と充実感を漂わせた。

画像: 1オーバーから66で5位に食い込んだ菅沼菜々(PHOTO/有原裕晶)

1オーバーから66で5位に食い込んだ菅沼菜々(PHOTO/有原裕晶)

通算1オーバー31位から大まくりを演じたのが菅沼。6バーディ、ボギーなしの66の爆発で通算5アンダー5位に食い込み「昨日まで伸ばせなくて悔しかったですが、今日は伸ばせたのでよかったです」と満足そうな笑みを浮かべた。

画像: ベストアマに輝いた戸髙玲奈。優勝の吉田鈴はルーキー賞も獲得した(PHOTO/有原裕晶)

ベストアマに輝いた戸髙玲奈。優勝の吉田鈴はルーキー賞も獲得した(PHOTO/有原裕晶)

戸髙も通算5アンダー5位でベストアマに輝いた。「来月プロテストが始まるので、いい自信になりました。これを糧にいい流れで受験できたらなと思います。来年はプロとしてここに戻ってきたいです」と抱負を口にした。

女子ゴルフの今季第14戦は「宮里藍サントリーレディスオープン」で11日に兵庫県・六甲国際GCで開幕する。


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