「TR」の血統を受け継ぐ第二世代のRED
PGAツアーで圧倒的な使用率を誇るフジクラの「VENTUS」シリーズ。2019年にアメリカで産声を上げて以降、世界の男子ツアーでNo.1のシェアを獲得し、今やプロやアスリートゴルファー向けシャフトの代名詞的存在となりました。
現在のラインナップはBLUE、BLACK、RED、WHITEの4種類。そして、WHITE以外は「ツアーレイテッド」を意味する「VENTUS TR」モデルが存在します。2026年1月に「26 VENTUS TR BLUE」が発売されたことで「TR」シリーズも第2世代へと突入しており、今回検証する「26 VENTUS TR RED」は、文字通り「VENTUS TR RED」の正統な後継モデルにあたります。

26VENTUS TR RED
「26 VENTUS TR RED」は、最外層部に独自のクロス材(SPREAD TOW FABRIC)を採用。補強を加えることでさらなる高い剛性感を実現しています。さらに、シャフト先端部には従来の「VELOCORE」を進化させた「VELOCORE PLUS」テクノロジーが搭載されています。
高弾性シートを含む複数の素材をバイアス層に積層する技術も進化し、オフセンターヒット時のヘッドのブレを徹底的に抑制。世界のトッププロからのフィードバックをもとに、抜群の安定性をもたらす「TR」らしい仕上がりとなっています。国内向けのラインナップは、50グラム台にR・S、60グラム台にS・X、70グラム台にS・Xの各2フレックスが用意されています。
外観はVENTUSシリーズ共通のアイコニックなデザインを踏襲しつつ、ややダークなマットレッドを採用。手元部分は「TR」シリーズの象徴でもあるクロス材を覗かせるデザインです。様々なヘッドに馴染みながらも、遠目から一目でわかる確かな存在感を放っています。
今回は、主力スペックとなるであろう「5S」と「6S」の2本をじっくりと打ち込んでいきます。
PING G440 MAX(10.5度)× TR RED 5S
まずはPING G440 MAX(10.5度)×TR RED 5Sのマッチングについて検証していきましょう。
●TR RED 5Sシャフトスペック
61グラム トルク3.4 先中調子
PING G440 MAX(10.5度)装着時
45.25インチ/振動数256CPM
プロ・アスリート向けの先中調子らしく、手元部分の剛性感はしっかりとした強いものになっています。本来「TR」シリーズは、ダウンスウィングで高い負荷をかけてもブレない剛性設計が特徴ですが、この5Sはほどよい硬さにチューニングされており、切り返しに難しさを感じることはありません。
しっかりとした剛性感は中間部分まで続き、その下から先端にかけてしなやかさを持たせています。そのため、インパクトに向けてシャフト先端にほどよい動きが生まれます。VENTUSの先中調子らしく、決して暴れることなく穏やかに動き、ボールをしっかりととらえてくれるため安定したインパクトを迎えやすいと思います。
G440 MAX(10.5度)との組み合わせでは中・高弾道の打ち出しとなり、ボールの上がりにくさは皆無です。インパクトで強めに叩いていけるため、つかまりも非常に安定しています。測定時のバックスピン量は2600rpm(±200rpm)前後。ロースピンになり過ぎず、安定したキャリー性能を確保できるでしょう。
手強さを感じさせず、プレーヤーのスウィングパワーを効率良くボールに伝えてくれる組み合わせです。切り返しのタイミングさえ合えば、意外なほどターゲット層の広いマッチングだと思います。
テーラーメイド Qi4Dコアモデル(10.5度)× TR RED 5S
●TR RED 5Sシャフトスペック
61グラム トルク3.4 先中調子
テーラーメイドQi4Dコアモデル(10.5度)装着
45.5インチ/振動数257CPM
続いてQi4Dに装着して打ってみました。手元部分の切り返しのイメージはG440 MAXの時と変わりませんが、最も違いを感じたのは「先端やや上辺りのしなり感」です。ヘッドの重心距離や重心深度の影響により、シャフトの挙動がスッキリとシャープな動きに変化しました。先端部分の動きの量がわずかに抑えられ、先中調子でありながらインパクトエリアでのヘッドコントロールが非常にしやすい印象です。
先中調子と聞くと「先端が動きすぎる」と敬遠する方も多いと思いますが、このTR RED 5Sはプレイヤーの意図通りに操りやすい仕上がりです。弾道は中弾道からやや高めの間で、コースでのコントロール性能が極めて高いセッティングになるでしょう。
手元から中間にかけての硬さがあるため、しっかりと切り返して振り抜くことができれば、スウィングパワーを逃さずにボールへ伝えられ、飛距離も出しやすくなります。ほどよいボールのつかまりを演出してくれる、非常に優秀なマッチングですので、興味のある方はぜひ試していただきたいですね。
PING G440 MAX(10.5度)× TR RED 6S
続いては60グラム台のTR RED 6S。6Sは5S同様の販売比率を誇るであろう人気のモデルです。
●TR RED 6Sシャフトスペック
69.5グラム トルク3.2 先中調子
PING G440MAX(10.5度)装着時
45.25インチ 振動数265CPM
続いては、5Sと並んで人気を二分するであろう60グラム台の「6S」をG440 MAXに装着して打ちます。ワッグルした瞬間に伝わってくるのは、手元部分の頼もしい剛性感です。独自のクロス材により、強めのテンションをかけるゴルファーにもしっかり対応できるこの剛性感こそが、TR REDの最大の特徴と言えるでしょう。
慣性モーメントの大きなG440 MAXに装着すると、この手元の硬さがカウンターバランスのように作用し、ヘッドの重さを感じにくくスムーズに振り抜くことができます。
シャフトの挙動は5S同様、中間やや下から先端にかけて動く先中調子らしさがあります。しかし先端の動きはあくまで穏やかで、ボールを安定してつかまえられます。「VELOCORE PLUS」を搭載しつつも、硬すぎない絶妙な剛性感が心地よいですね。
弾道はやや高めで、バックスピン量も2600rpm(±200rpm)前後と安定感抜群です。先中調子は「シャフトが勝手に飛ばしてくれる」というイメージを持たれがちですが、TR RED 6Sはエネルギーロスがなく「プレイヤーが振った分だけ飛距離が伸びる」という、叩ける先中調子です。ボールの上がりやすさとつかまりやすさを実感しやすいと思います。
テーラーメイド Qi4Dコアモデル(10.5度)× TR RED 6S
●TR RED 6Sシャフトスペック
69.5グラム トルク3.2 先中調子
テーラーメイドQi4Dコアモデル(10.5度)装着
45.5インチ/振動数263CPM
最後にQi4Dへ装着してみると、シャフト全体の挙動は5Sの時と同様にスッキリとしたシャープな印象に変わります。手元部分のしっかり感は、強めの切り返しに対するレスポンスの良さを生み出し、中間やや下から先端にかけてのしなりも少なめに感じられます。インパクトではしっかりとしたつかまり感がありながらも、過度なドロー回転は抑えられる印象です。

吉田氏が考える26 VENTUS TR RED 5Sと6Sのチャート①
先端の挙動がコントロールしやすいため、ドローとフェードの打ち分けも容易になるでしょう。インパクト時にフェースが上を向かず、ヘッドを飛球線方向へと力強く押し込んでくれるため、弾道を抑えるイメージも作りやすいと思います。バックスピン量は2500rpm(±200rpm)前後で、ロースピンになりすぎない安定した強弾道を生み出してくれます。

吉田氏が考える26 VENTUS TR RED 5Sと6Sのチャート②
プロ・アスリート向けの先中調子らしく、弾道のコントロール性能の高さが光ります。スウィングがしっかりしている方であれば、69.5グラムという重量から想像するよりも意外と楽に振れ、やさしさを感じる方もいるでしょう。「叩いても左に行かない、安定感のあるツアープロ向け先中調子」に興味がある方は、ぜひ一度試していただきたいと思います。


